先日の面会。

息子二人と「何しようか?」と考えた。
すると兄が「アレを作りたい」と。

限定販売のプラモデル。
数少ない僕の「飾りモノ」として、
ずっとリビングを見下ろしていた
箱入りのガンダム。

一瞬、迷った。
コレクション心かオークション魂か、
「限定販売」が即断を鈍らせた。

まだまだ幼い息子たちに、
プラモデルの作り方を教える。
自分が初めて作った時の思い出や、
丁寧に仕上げるコツ、
「途中で投げ出すなら、作る資格はねぇ」と
男の心意気を、先輩面で伝える。

2時間半。
幼い子供の集中持続時間からすれば、
かなりのもの。
しかし、我々は役割を決め、
各々が任務を遂行した結果、
ガンダムは凛々しく立ち上がった。

「これで飾る方が、よっぽどいいよ」
兄弟は満足そうに笑った。

僕は、息子たちの成長と
ガンダムの完成を嬉しく思いながら、
即断できなかった一瞬を、恥じた。

何が喜びをもたらすのか。
モノの価値を見失ってはいけない。