さて、壺中100年の会in群馬、松本楼を後にして私はこの旅のもう一つの目的地の伊勢崎市に向かった。
伊勢崎市の人口21万2413人のうち、実に6.3%にあたる1万3352人が外国なのだという。
これは、群馬県で最も高い比率であるということだ。
外国人移民・実習生は賛否両論があるが、多くの国の人たちが日本人の嫌がる3k労働を引き受け、
子どもたちはすでに2世3世となっている現状から共生に向けての知恵や方法論が考えられるべきだろう。
戦前はそういった問題は経済の中心であった大阪におこっていたのだろうが、現在は製造業の中心、北関東と愛知だ。
そういった地域の空気感というものを肌で感じてみたい。
というわけで、JR伊勢崎駅を降りたって、タクシーで最初の訪問先 「Salaam Curry (サラームカレー)」へ向かう。
(今回の旅では「北関東の異界 エスニック国道354号線 絶メシとリアル日本」(室橋宏和 著)をかなり参考にさせてもらった)
タクシーの運転手と話してみたが、伊勢崎は確かに外国人の人口は多いのだが、住居は点在しており、
目に見えるコミュニティーはもう少し郊外にあるということ。
今回の滞在ではそこまで行ける時間は少ない、正直がっかり。
ただ、駅近くの「伊勢崎モスク」は、その大きさ立派さはこのような新興地方都市には、珍しい異質な感じだ。
「Salaam Curry (サラームカレー)」はパキスタン料理ということだが、見た目は松山にも何軒かあるインド料理店とどう違うのかよく分からない。
お客さんもほとんど日本人みたいだし。
ここでは持ち帰りで、「ビーフバーガー」「チキンバーガー」を頼んだ
バーガーの一般的なバンズは豚由来の成分や添加物が入っているが、こちらは無添加でパキスタン人にも好評だということだ。
こちらは帰りの空港での待ち合わせ時間に食したが、
バーガーのソースはビッグマックのマヨネーズソースに似て美味しい。
バンズも昔の日本の菓子パン生地のような優しい味だった。
さて、「Salaam Curry (サラームカレー)」を後にして向かったのは、この日の昼食先、
ペルー料理の店「El Kero」だ。
今日本の地方では工場労働者は一時の中国人に代わってベトナム人が増えているが、伊勢崎市の特徴としては南米系も多いということだろう。
お店に入るとまあ、期待を裏切らない、
ペルー料理は松山にはない(?と思う)ので、実に新鮮、
「アディオス」「グラシアス」言葉が飛び交う。
お客のうち、純粋に日本人なのは、1~2割ではと思われた。
隣の若い男女は日本語で会話はしているが、男性は腕全体が入れ墨だから日系ペルー人だろう。
女性もにほんごなのだが、顔は完璧なラテン系美女である。
かなり長い時間オーダーに迷ったが、
「ライス」「野菜サラダ」「ハツの網焼き」「クリスタルビール」を頼んだ。
多くの人が黄色い「インカコーラ」を飲んでいる。
こちらにすれば良かったかな。
正直、量がどれも多い。
「ハツの網焼き」とか日本のファミレスとかの量からすると4~5倍、それで980円、南米の肉を輸入するルートがあるのだろうか。
でも、この肉があっさりしているけど味があり、しかも柔らかい。
日本の牛肉は脂身の多い、食べた後の後味の悪さがあるものにあたることがあるけれど、それがないので完食できた。
クリスタルビールはペルーで有名なビールということだが、まあ、バドワイザーみたいな味だった。
店を出るとき、給仕をしてくれていた女性と2~3分話をした。
気さくで感じのいい、何よりも美味しかった。
関東に住んでいたら、また他のメニューと試しに来るのにと思いつつ、伊勢崎駅へ向かった。
予想していたものとは少し違った伊勢崎訪問だったが、それはそれで新たな発見もあり楽しい旅だった。