彼女はもう私の言葉が聴こえないようだ。
会わなくなって半年、苦しみ抜いて病んで
彼女のツイートすら見る事が辛くて
ミュートを掛けて目を逸らしいてた。
ふと、我慢が出来ず久しぶりに覗くと
そこには、新しい相手が出来たことを匂わせて
いつに無く饒舌になってはしゃいでいる彼女
後頭部を殴られたような衝撃
目の前が真っ暗になる
なに？
なんなのこの展開は！！
ちょっと、酷くない？！
会社が忙しくて会えなかったのではないの？
一つのことしか集中できないから
今は仕事をしっかり覚えたいという気持ちを尊重して
ずっと待っていたけど、叶わないと知って諦めたのに。
なのに、新しい相手とか理解出来ない。
裏切り者。許さない。頼むから視界から消えて欲しい。
ああそう、ならば私も想い出を手放そうと
Ｌな人たちと遊んだり行きずり行為したり
だけど、忘れるどころか虚しさが募るはかりで。
断捨離していても彼女との思い出が発掘される度
涙が溢れて手が止まってしまう。
手放すには、9年の思い出はあまりに重かった。
ついに、痺れを切らしてこちらから声を掛ける。
塩対応されて、じゃあ一体どうしたいの。
と訊かれた時、全身に電流が走った。
良くわからない感覚に戸惑いつつ話を続けると
どうやら相手は同じ発達障害もちの元彼だと言う
これは勝ち目がない…ずるい…しかも男？
俗にいうNTRってやつですか。あんまりだ。
どうしようもない喪失感と敗北感と。
それでも久々の遣り取りが心地よく
何とか取り繕って冗談を飛ばしあっていると
なんと彼氏は妻子持ちだと言う。
……あれ？
てっきり地元に帰って結婚すると思ってた。
なら別に今までと変わらなく無い？
身を切る思いで、手放さなくても良くない？
むしろ、やっと対等な立場になれたのでは？
私は自分に旦那がいる事がずっと心苦しかった。
彼女の背負っていたひとりの淋しさと痛みを、
この先、私も感じることになる。
なら、彼氏と彼女二人手玉に取ればいい。
そして、私の言語が通じないなら
私が彼女に踏まれる立場になればいい。
どうか、私に命令をしてください。
おこぼれの愛を乞うために
みっともなく足許に這いつくばって縋るから
私を踏んで、蹴って、見下して
そして、愛をください。