トラックドライバーをしていた頃。6歳下の彼と10歳下の彼女のカップルが友人だった時の話。


そのカップルはデート帰りにウチに来て「お金使い過ぎたから御飯食べさせて~」とかよくウチに来て仲が良かった。


2年程してこのカップルに子供ができ2人は結婚する。お互いの家を行ったり来たりで家族の一員みたいに接してくれて嬉しかった。


年月は流れ今から12~3年前になるだろうか。彼女が2人目の子供を出産した頃から歯車が狂い始める。彼の度重なる浮気が発覚したからだ。彼女は離婚を決意し話し合いを始める。


話し合いを進めていくうちに彼は暴言を浴びせるようになり時には手を上げる事もあった。


たまりかねた彼女は自分に「間に入って話し聞いてくれませんか?」と。彼は自分の事を恐れていたので聞く耳は持っていたがその事により彼女に対する追い込みがエスカレートしてきた。彼は兄と兄嫁を使い「離婚するなら祝いを返せ」だのいろんな因縁をつけては彼女を追い込み始めた。


本人同士の話し合いで済む話を身内を使って正当化しようとする態度、何より毎日泣いている母親の姿を子供達が見ている事に自分は憤慨していた。


ある日自分は彼の会社に行き見つけたと同時にネクタイを掴み上げ「今から兄と兄嫁の所へ連れていけ。自分が中に入って話しを聞いてくれと頼まれたからにはこれ以上騒ぎを大きくするならオトシマエをキッチリつけてもらう。その後はお前だぞ?解ってるよな?」


この件以降、しぶしぶながらも数々の嫌がらせもありながらだが彼は離婚に同意し、自分も離婚届の裏の保証人欄にサインしてこの件は終わりを迎えた。


彼女は2人の子供を引き取り医師事務の資格を取っていたので病院勤務を始めて新しい生活を始めた。


そこで彼女を励ます会を居酒屋で仲間内とした時の事。


酒も入って皆話しも弾んできた頃、仲間の女子が「2人付き合ったらいいじゃん!子供達も懐いてるし」「あ~そうじゃん結構お似合いだと思うな~」と言い始めた。


別に自分に下心があった訳じゃない。まして彼女に特別な好意があった訳でもない。


「バカな事言ってるな~」と自分は思っていた。だが彼女はこの雰囲気に耐えられなかったのだろう。開口一番こう言ってのけた。


「いけちゃんは人としては好きだけど男としては好きじゃない」


その場の空気が凍りついたのは言うまでもない



以上。



メリークリスマス✨🎄✨