3月3日(日)、紀尾井ホールにて開催された、ユリアンナ・アヴデーエワさんのピアノリサイタルに行ってきました。彼女のリサイタルはこれで三度目です。

 

演目は

ショパン

・幻想ポロネーズ変イ長調 op.61

 Polonaise-Fantaisie in A flat major op. 61

・舟歌嬰ヘ長調 op.60

 Barcarolle in F sharp major op. 60

・前奏曲嬰ハ短調 op.45

 Prelude in C sharp minor op. 45

・スケルツォ第3番嬰ハ短調 op.39

 Scherzo No. 3 in C sharp minor op. 39

・アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ op.22

 Andante spianato and Grande Polonaise Brillante op. 22

 

リスト

・死のチャールダーシュ S.224

 Csárdás Macabre S. 224

・暗い雲 S.199

 Nuages gris S. 199

・ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178

 Piano Sonata in B minor S. 178

 

ショパンとリストの曲で構成されており、どれも素晴らしい演奏で、相変わらず、力強さと繊細さが上手く合わさったものでした。ピアノをある程度習ったことがある人なら理解できると思いますが、ショパンの「幻想ポロネーズop.61」は傑作の中の一つです。そして、最後のコーダの部分まで、実は聴かせ所に乏しい曲でもあります。にもかかわらず、最初から飽きさせない展開で、聴衆を魅了していました。


ユリアンナ・アヴデーエワさんの好きなところは、派手な衣装を着ないこと。女性ピアニストは、大抵イブニングドレスで登場してくる。中には胸の谷間がくっきり見えるような衣装も。まあ、どんな衣装を着るも、ピアニストの自由なので、観客がとやかく言うことではありませんが、露出が多いのはちょっとな・・と引いてしまいます。やはり、ファッションショーではないので。


しかし、彼女は衣装で勝負せず、あくまでも曲を演奏することのみに集中し、その曲目に合わせた衣装を選んでいるそうです。例えば、厳かな雰囲気の曲にきらびやかな派手な衣装を着ることに違和感を感じるとのこと。そのため、パンツスーツやパンツルックが多いです。そんな硬派なところも好感が持てます。


当たり前ながら、クラシックコンサートの客層は高齢の方が多く、ジャニーズコンサートの客層とは全然違います。なぜ、こんなに違うのでしょうか?それは、ある程度年齢を重ねないとクラシックの良さが分かりにくいからでしょう。20代の頃はやたらとアップテンポの流行りものを聴いていましたが、年齢とともに、落ち着いて癒やしになる曲を求めるようになるからかもしれません。人生経験も積んでいくうちに、良さも理解できるようになることが大きいようです。