かつて、合成界面活性剤が危険なものであったのは事実だ。
台所洗剤、洗濯用洗剤で使われていた分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩というタイプは、環境中での分解のされにくさにより、河川の魚の大量死や泡だらけといった事象を引き起こし、
今ではほぼ使用禁止となっているものです。
代わって作られた直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)は環境汚染の影響を大幅に軽減させた洗浄剤でした。
生分解性が高まり、魚類への毒性も抑え、河川の泡の発生も有意に軽減。
しかし、生分解性は高まったとはいえ分解に時間がかかること、魚類のエラ吸着により死なせる事例がわずかに残ったこと、皮膚刺激性が高めなことなどを改良するため、
オレフィンスルホン酸Na、ラウリル硫酸ナトリウムといった界面活性剤がその後に開発されました。
これらの界面活性剤は速やかに環境中で分解される特徴、LASよりも皮膚刺激を大幅に抑えたソフトな界面活性剤として現在もシャンプーなど皮膚に直接触れる界面活性剤にも使われています。
皮膚に触れない洗濯用洗剤ではLASが今でも使われている例があります。
ラウリル硫酸ナトリウムは環境にも皮膚刺激性も改良されていますが、分子量が小さいため皮膚に少し浸透して洗浄してしまうため、肌の過度な乾燥を招き皮膚疾患を起こす例が多発したため、
分子量を大きくした(酸化エチレンを付加した)ラウレス硫酸ナトリウムが現在大多数のシャンプーで採用されています。
ラウレス硫酸ナトリウムの特徴は①浸透せず②皮膚刺激が穏やか③環境でもそこそこ分解されやすい④安定した洗浄性 といったシャンプーに好相性な条件を備えているところ。
その後にもアミノ酸型をはじめ多種の界面活性剤が登場しますが、
合成界面活性剤のイメージを変えた分岐点といえるのが、
このラウリル硫酸ナトリウム - ラウレス硫酸ナトリウムのあたりでしょう。
例えば、皮膚常在菌への毒性という指標で見ると、
ラウレス硫酸ナトリウムになった段階で石けん(オリーブオイル石けんのようなマイルドタイプ)の5倍以上優しいという研究結果が出ています。
かつての分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩、LASといった時代の合成界面活性剤は、石けんより遥かに毒性が高かったため、
合成界面活性剤=悪であると叫んでいる方々はこの時代のイメージで止まっているのだと思っていいでしょう。
石けんより肌に優しく、常在菌を5倍も殺さず、環境分解性も良い(もちろん発がん性もない)合成界面活性剤があるとしたら、素直にそれを歓迎すれば良さそうなものですが、
どうしても石けんが正義で合成界面活性剤が悪というイメージから抜け出せないヒトは、
未だに矛盾してても整合性が取れない理論であっても構わずに石けんを勧めています。
もう一度、確認のために言いますが、
ラウレス硫酸ナトリウムでさえ石けん(オリーブオイル石けんのようなマイルドタイプ)の5倍近く肌の健常性を保つのに役立つのです。
その理由は、肌の健常性を保つために必要な善玉常在菌の密集状態を守る能力が優れているからに他なりません。
この5倍、というのは、常在菌のMIC値(最小発育阻止濃度)を基に算出したもので
ヘアケア関連で最も危険なのがトリートメント、リンスでおなじみカチオン界面活性剤。
カチオン界面活性剤の殺菌力はずば抜けていて、石けん(オリーブオイル石けんのようなマイルドタイプ)のさらに250倍以上の破壊力を持っています。
リンスを肌に塗ってはいけない、と繰り返し解析ドットコムでお伝えしてるのは、
こんなところに原因があるわけです。
1つの基準を基にして見てみると、界面活性剤の特徴が色鮮やかに見えてくるのがわかりましたか?
合成界面活性剤や石けんの立ち位置も鮮明に浮かび上がってきますね。
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