光あるところに必ず陰はある。

光がなければ陰もない。

人など聖人君子になれるわけがない。光だけの人間など見たこともない。

どんなに美辞麗句を並べ立てようと糞は糞だ。


何千人、何万人の人間を見てきたが、聖人君子にはあったことが無い。

むしろ美辞麗句を並び立てる人間程腐っている。私には表しかない。美奈子の言葉だ。

実際は逆。裏しかない。肉欲だけの人生、何が楽しい?何が面白い?

裏切ることに違和感を持たない女。


心の底から死ねば良いと思うよ。人を呪わば穴二つ。

君は地獄を見たら良い。心配するな、いずれ俺も行く。

二十年の時が戻る。五十二歳か。お互い歳は取るんだな。いつの間にかお婆ちゃんになっていた。

いえねえ、昔から言うじゃありませんか。死人に口なしって奴ですよ。

おかしくなっちまった頭で懸命に考えたんでしょう。自分が死人になればいいんだと。

まあ、実際は死んじゃいません。おかしくはなりましたがね。

つまり、おかしくなれば誰にも問い詰められない。浅はかですよねえ。演技が高じて本当におかしくなったわけです。そうなると死んだも同然です。何処までが演技でどこからが真実か誰にもわからないわけです。

勿論本人にもね。

それを仕掛けたのは、男ですがね。

おかしくなれば不倫もしたのかしないのか本人も定かでありません。

まさに鬼の所業ですね。