現在が苦なら、
より良い未来も信じにくい…
ファッションデザイナーのトムフォード初監督作品。
それを分かってたからか、
服や家や小道具なんが凄くオシャレに見えて、
また、役者以外にそういった小道具だけのカットもたくさんあったので、
全体を通じて、キレイに仕上がっていた。
『モーリス』以来になるのか、
コリンファースがとことん愛した同性愛者を演じる訳だが、
全体的にセリフも少なく、
コリンの演技に依存していたところも、
内容と合致していて良かった。
人間の真の敵は恐怖。
老いや孤独からの恐怖。
偏った知覚を通してしか外部を経験出来ないことに孤独を感じる。
剰え、様々なものに人間は恐怖を感じ、
結果、恐怖が世界を支配している。
この映画は孤独という恐怖を、
見事に描き切っている。
哲学的ではあるが、
コリンが自殺を試みるシーンなんて、
リアリティがあるのに、
クラシック音楽との融合で、
非常に美しく撮っている。
若干トムフォードが?って舐めてたとこもあったが、
内容の薄いただのオシャレ映画ではなく、
シングルマンというテーマを、
コンパクトに巧く仕上げていた、
なかなかイイ作品。
しかし、人間なんていつ死ぬかなんて、
誰も分かんないんだよね。