令和3年9月10日-17日開催の議会定例会の内容等について報告します。
今議会では、6点について質疑等をおこないました。
第54号議案 愛南町子ども医療費助成条例の一部改正について
(目的 子育て支援。子どもの医療費無料化を15歳から18歳までに変更)
一般に、法令は国民の権利義務に影響を与えるものであるので、既に発生し、成立した状態に対して新しい法令をその施行の時点よりも遡って適用することは、法的安定性を害し、国民の利益に不測の侵害を及ぼす可能性が高いため、原則として行うべきではないとされている。とりわけ、罰則については、罪刑法定主義の観点から、憲法第39条において遡及処罰の禁止を明文で規定している。
しかし、国民の利益になる場合や、国民の権利義務に影響がない場合には、遡及適用を行うことも許される場合がある。
Ⓚ→今回の医療費の助成は、今年の4月にさかのぼって遡及適用しても不利益は発生しない。子育て支援のため遡及適用すべきと考える。
認定第1号 令和2年度愛南町一般会計歳入歳出決算の認定について
ふるさと寄附金事業
(ふるさと納税制度。返礼品には愛南町の特産品を多く使用しており、生産者等の収入アップ・地場産業の振興につながる。)
ふるさと寄附金は、30年度6,000万円、元年度1億1,200万円、2年度2億300万円、今年度は4億円の見込みで、寄附額は着実に伸び、これまでの取組みが結果として表れてきている。
2年度は返礼品に8,500万円程度を要し、内訳は柑橘類が65%と圧倒的に多く、次いで魚介加工類23%、魚介類6%、野菜類1.8%、柑橘加工品0.5%、農水産物だけで97%程度を占めている。
すでに分析し対策を進めているとは思うが、ふるさと納税に限れば、町外の方は、フレッシュな農水産物で手軽に食べられるものを好む傾向があると推測でき、この傾向は3年度も変わっていないと思われる。
しかし、数には限りがあり寄附金がこのまま伸び続けるとは思えないため、今のうちに、好まれるものを作り、数を増やしていくことが必要だが、担い手不足、人手不足もあり、簡単な問題ではない。
Ⓚ→今後、関係団体、役場内で情報を共有し、生産体制を整備していくことが必要だ。
Ⓚ→1次産業も有機農業など脱炭素が課題となっている。国も補助金を拡充し取り組むとのことだが、愛南町ではほとんど実績がない。
脱炭素に貢献しつつ、環境に配慮した安全で安心して食べられる農水産物も生産し、愛南町をアピールすべきだ。
認定第7号 令和2年度愛南町温泉事業等特別会計歳入歳出決算の認定について
令和2年度はコロナの影響により、利用者が減り大幅な減収となっており、その影響は今年度にも及んでいる。
今後はワクチン接種が進むにつれ、経済も正常に戻ると思われるが、アフターコロナの課題として、感染対策にともなう業務の煩雑化、密を避けるための人数制限による売上の低下などが指摘されており、サービスなどの付加価値を高めること、差別化が必要だ。
第56号議案 令和3年度愛南町一般会計補正予算(第6号)について
・河川維持整備事業
温暖化の影響により降雨量が多くなっており、愛南町管理の河川においても、流量に比べ断面が小さいものが多く、断面拡張の必要性を感じている。
Ⓚ→災害復旧であれば原状回復が原則であり、断面を拡張することは難しいが、今後の河川工事で可能な河川等は、断面を大きくして施工すべきだ。
満倉地区においては近年、浸水被害に悩まされており、個人の財産、町管理の道路、河川等にも被害が及んでいる。
Ⓚ→惣川上流には土砂災害被害の軽減等のため昭和49年に建設された惣川ダムがあるが、災害防止の観点からも、このダムを飲料水用としてではなく、本来の目的である土砂災害被害の軽減等のため使用してはどうか。
Ⓚ→満倉地区のように、毎年浸水被害がおきている箇所については、早急な対策が必要だ。
・南宇和高校魅力化推進事業調査業務委託料
この事業は、令和3年度の南宇和高校の入学生が89名、学級数も3学級となり、今後、分校化や募集停止、統合など学校再編の対象となっていく可能性があり、入学生の増加につながる魅力化推進のため、調査・分析を行い、具体的プランの提案を委託するもの。
このままいくと、来年度当初予算に計上することは難しいのではないか。
Ⓚ→魅力化は高校だけではなく、中学校から高校までの6年間を通して、情報を共有し一環した基本方針の下おこない、人材の育成に努めることが愛南町のためだ。
高校がなくなると子育て世帯が流出し、人口減少、就業人口の減少、地域の衰退につながっていくといわれている。
南宇和高校がなくなることは愛南町の衰退につながり、子育て支援、町の活性化のためにも必要額を当初予算に計上し、町も全面的に支援するべきだ。
請願第2号 令和元年9月6日発議第2号決議の効力を将来に向けて停止し、愛南町議会の前進・融和を目指す新たな決議について
(令和元年9月6日発議第2号決議とは、当時の議会が某議員に対し議員辞職勧告決議をおこなったもの。)
決議とは、政治的効果をねらい、議会の意思を対外的に表明するために行われる議決であり、自治法96条、条例に定める議決事項ではなく、法的な位置づけはない。
請願で指摘の、①の地方自治法132条、②の議会の申し合わせ事項については、抵触する可能性があるが、③については当時の事情、議会の意思は諮りようもなく、当議会が判断できるものではない。
このような決議は他の議会でもおこなわれており、議員としての品位、議会の信用失墜など議会の規律の問題との見解が多い。
品位については会議規則101条に規定されているが、規律についての定めはなく、個々の議会により取扱いも異なる。
Ⓚ→結論 現議会が、当時の議会の決議に意思を表示することは適当ではなく、請願に反対する。
番号 |
件名 |
賛否 |
備考 |
発議第4号 |
「小山地区太陽光発電事業に係る調査特別委員会」の調査に関する決議 |
反対 |
町長は手続上のミスを認めて謝罪しており、これ以上の調査の必要性はない。 賛成4、否決 |
令和2年度愛南町の健全化判断比率の報告について |
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実質公債費比率は上昇傾向にある。 |
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報告第7号 |
令和2年度愛南町の公営企業会計に係る資金不足比率の報告について |
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承認第7号 |
専決処分第7号の承認を求めることについて (デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定) |
賛成 |
デジタル庁の発足に伴う法令改正による条例改正専決処分 |
令和2年度愛南町一般会計歳入歳出決算の認定について |
賛成 |
果樹加工場は建設計画を中断 質疑 ふるさと寄附金事業から見える課題への取組方針、1次産業の脱炭素について |
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認定第2号 |
令和2年度愛南町国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定について |
賛成 |
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認定第3号 |
令和2年度愛南町後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について |
賛成 |
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認定第4号 |
令和2年度愛南町介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について |
賛成 |
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認定第5号 |
令和2年度愛南町小規模下水道特別会計歳入歳出決算の認定について |
賛成 |
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認定第6号 |
令和2年度愛南町浄化槽整備事業特別会計歳入歳出決算の認定について |
賛成 |
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認定第7号 |
令和2年度愛南町温泉事業等特別会計歳入歳出決算の認定について |
賛成 |
質疑 アフターコロナを見据え、今後の経営方針について |
認定第8号 |
令和2年度愛南町旅客船特別会計歳入歳出決算の認定について |
賛成 |
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認定第9号 |
令和2年度愛南町公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定について |
賛成 |
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認定第10号 |
令和2年度愛南町上水道事業会計決算の認定について |
賛成 |
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認定第11号 |
令和2年度愛南町病院事業会計決算の認定について |
賛成 |
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愛南町過疎地域持続的発展計画の策定について |
賛成 |
過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に基づく計画 |
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第52号議案 |
愛南町過疎地域における固定資産税の特別措置に関する条例の一部改正について |
賛成 |
過疎地域自立促進特別措置法が失効し、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法等が制定されたことに伴う改正 |
第53号議案 |
愛南町地域経済牽引事業の促進のための固定資産税の特別措置に関する条例の一部改正について |
賛成 |
地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律第26条の地方公共団体等を定める省令の一部改正等に伴う改正 |
愛南町子ども医療費助成条例の一部改正について |
賛成 |
質疑 子育て支援の一環であれば、条例を遡及適用し、令和3年4月から助成すべき。 |
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第55号議案 |
愛南町立学校設置条例の一部改正について |
賛成 |
僧都小学校の廃校 |
令和3年度愛南町一般会計補正予算(第6号)について |
賛成 |
地区要望対応事業費、コロナ対策等 質疑 ・南宇和高校魅力化推進事業への取組方針 |
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第57号議案 |
令和3年度愛南町介護保険特別会計補正予算(第1号)について |
賛成 |
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第58号議案 |
令和3年度愛南町小規模下水道特別会計補正予算(第2号)について |
賛成 |
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第59号議案 |
愛媛県市町総合事務組合規約の変更について |
賛成 |
西予市脱退 |
第60号議案 |
愛媛県市町総合事務組合の共同処理事務構成団体からの脱退に伴う財産処分について |
賛成 |
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諮問第1号 |
人権擁護委員候補者の推薦について |
賛成 |
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諮問第2号 |
人権擁護委員候補者の推薦について |
賛成 |
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同意第2号 |
愛南町教育委員会委員の任命について |
賛成 |
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第61号議案 |
令和3年度愛南町一般会計補正予算(第7号)について |
賛成 |
新型コロナウイルス感染症対策中小企業者経営支援事業 19,100千円 |
発議第5号 |
コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地方税財源の充実を求める意見書について |
賛成 |
国への意見 |
請願第2号 |
令和元年9月6日発議第2号決議の効力を将来に向けて停止し、愛南町議会の前進・融和を目指す新たな決議について |
反対 |
請願の採択に反対。賛成4、否決 (反対討論に登壇) 法令、議決当時の背景等を検討した結果、現議会が、当時の議会の決議に意思表示をすることは適当ではない。 |