IL VENDITORE DI PALLONCINI
監督:マリオ・ガリアッツォ
音楽:ステルヴィオ・チプリアーニ
主演:レナート・チェスティ、ジェームズ・ホイットモア、マリナ・マルファッティ、シリル・キューザック、リー・J・コップ、
1974年 イタリア映画
今夜は、70年代マカロニ・パチモンお涙頂戴映画をご紹介。
主人公が不治の病に侵されて亡くなる映画で、この手のパターンの作品は70年代のイタリアで結構製作されました。
ストーリーは、母が男と駆け落ちしてしまい、父親と2人きりになってしまった可哀そうな少年が、
飲んだくれの父に代わって家計を切り盛りしようと、人形芝居などで生計を立てようとしますが、
少年は病魔に侵され始めていた・・・・というお話。
涙無くしては観れないように計算されたズル過ぎる設定に、観客はまんまと騙されて涙します。
監督は、「メリーゴーランド」の原作者でもあるマリオ・ガリアッツォ。
お涙頂戴映画の専門家かと思いきや、「バージン・エクソシスト/甦える悪魔のエクスタシー」とか「食人続VS首狩族」、「帰ってきたE.T.」なども撮ってます。
主演は、「メリーゴーランド」のレナート・チェスティ少年。
彼は映画に出るごとに、ことごとく不治の病にかかって死んでいく役を演じますが、
別の作品で何度も生き返るという不死身の男です 笑。
観ると誰もが不覚にも涙が出てしまう心洗われる作品なのですが、いまだにDVDになったことがありません。
この手のお涙頂戴もの、どっかからDVD化されないかなあ。
音楽は、名匠ステルヴィオ・チプリアーニ。
チプリアーニ先生、パチモンお涙頂戴モノのスコアでもきっちりイイ仕事をしていらっしゃいます。
露骨なまでに悲しくも美しい美メロはこの人の真骨頂。
観客のお涙頂戴に追い討ちをかけます。
テーマ・モチーフは、チプリアーニが手掛けた同じようなお涙頂戴映画「星になった少年」(1977年)にメロがなんとなく似ています。
劇伴は、サーカス風のものから、ピアノとクラリネットのしっとりとしたバラード、オケによるイージーリスニング調のもの、ワルツのリズムに合わせてテーマモチーフが奏でられるものなど、バリエーションに富んでいます。
サントラは、公開時にシングル盤が発売されたのみでしたが、2012年に伊Digitmoviesレーベルから全16曲入り36分収録のCDが発売されました。
ジャケに描かれたパブルガムカラーの風船におっさんはなんともいえない懐かしさを覚えます。
シングル盤に収録された悲劇を盛り上げる劇的なインストとRoberto Dannaが歌う”Ave Maria”も収録されています。
シングル盤の音源は音があまり良くないのが、ちょっと残念。