このお話しは、創作シリーズです。少し事情を主人と息子が話していたのを膨らませて想像して書いています。
主人公 ひろし
婚約者 みどりちゃん(みどりさん)
父親 たかしさん
母親 さちこさん
同僚 高見桜
妹 ようこさん
父親から「きっぱり結婚相手は別にいる、その人とずっと交際中で、高見桜のことは少しも好意を抱いてなかった」と言えと教わった。後から再燃され、結婚後にみどりさんに言われたら、揉める元になる。母親も許さないだろう。
ところが、その母親から、朝食の場で
さちこさん
「あんた、職場替えしないと結婚を許しませんよ」
と言われた。心覚えがなければ、「どうしてだよ!」と反論するが…。
聞いていたとわかって焦って言葉が出ない。
さちこさん
「同じ職場に、関係を持った女がいたら、妻は気が気じゃないわ。夫を信じる信じないの話じゃないでしょ」
そうなのかなとひろしは考える。元彼女が同僚にいても、別の職場の人と結婚している人もいる。
でも、高見桜は簡単に諦めてくれそうにない。本当の結婚相手を知れば、何かしそうで怖い。母親とは別の意味で怖ーい。
高見桜と二人で話し合いをしたいと思っても、結婚を知ってる人が多くなると、人の目が気になる。結婚すると他の女性と二人きりが不倫と思われる。父親もそうだった。
結婚間近で他の女性と二人きりで、深刻そうな話を目撃されても困る。深刻な話だが、二人きりじゃない場が欲しかった。
高見桜を呼び出すのは簡単だ。
「話がある。〇〇で何時待ち合わせ」
とラインすればいい。しかし、その場に一人はまずい。万一人に見られても、二人きりじゃないようにしないと。
同僚や友達に借りを作ると面倒だ。それに、まだ高見桜は婚約者は誰と知らない。
それで…。
ひろし
「待った?」
先に来ていた高見桜に声をかける。
「いえ、今来たところよ」
プロポーズをしてもらうために来ているらしい。職場とは違う服だった。女が服を着替える意味がよくわからない。
下着も変えてるんだろうな。この後ホテルに行くつもりなんだろう。
「あ、お…ひろしぃ
」
ちょうどそこに、妹ようこさんが現れた。
家では兄妹は仲が悪いと思われているが、実は恋愛相談もし合う仲だ。
婚約中のみどりさんに本当のことは話せない。だが、結婚相手は別の女性だと思ってもらうには、女性を紹介した方がいい。
妹はあまり似ていない。そして最近恋人を別れてフリーだ。
たいした交際をしていない高見桜に、妹がいることも話していない。
ひろし
「こちらが婚約者。今後夫婦一緒に仕事も頑張るつもりだ。
高見さんもご理解の上、協力してください」
他人に聞かれてもいい表現を口にする。
ようこさん
「ひろしと同僚だそうですね。こんな女性がいると毎日不安だわ。変なことがあったら、すぐに私に言ってくださいねっ!」
ようこさんは現代っ子で、演技が上手だ。だが、高見桜はようこさんを上から下まで眺めまわした後、こう言った。
高見桜
「失礼ですが、結婚準備なんてしない方がいいです。
ひろしさんは私と結婚すると言っていたので、二俣かけてるんです」
ひろしとようこさんは顔を見合わせた。これは、手強い。
ひろし
「俺、高見さんと結婚しようと思ったことがない。だいたい好きだったことがないよ。いったい、どこからそう思ったの?」
妹のようこさんでよかったと思った。みどりさんがこんな言葉聞いたら、結婚なんてやめてしまう。いや、もう二度と会ってもらえない。
続きます
