「恋の天使(仮)<プロローグ>」

周囲の人間の恋を叶えてしまうキューピットのような17歳の少女「愛果」の別名は「恋の天使」。本人は学校や地元でそう呼ばれるたびに、眉間に皺を寄せていたのだが、その別名のままのキューピット振りを発揮し続けているのは17年かけて証明してしまった事実であり、今や否定のしようもなかった。

周囲は常に熱々のカップルだらけという状態が、その「恋の天使」を冷めきった乙女に育ててしまっているとは知らず、愛の化身にように扱われ続ける少女。

「皆が幸せなのはいいことだけど、暑苦しいことこの上ないわ。なんかこうサバサバというかサッパリというか・・・・・・・・せめて友達だけでもいいからそういう人が現れないかしら」

そこに転校してきたツンデレ美少女「冷奈」。どこまでもクールなその少女は、「愛果」の憧れの姿であり、ふとしたきっかけで見せるテレ顔に胸をキュンキュンさせてしまうのであった。


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「モー子さんそのものよね、このツンデレ美少女!!」

ほにゃりと嬉しそうに笑う姿はとても可愛らしく、ツンデレ美少女呼ばわりされて怒りたい奏江の表情を今まさにそのツンデレ状態にしてしまっていた。

「も、モー!そんな訳ないでしょー!」

照れて赤くなった顔を明後日の方向にそらせながら、文句をつぶやく奏江。

新しいドラマで主役の愛果役を得たキョーコは、親友との共演にその頬を緩めまくっていた。自分の役には少々不安を抱いてはいたが、モー子さん演じる「冷奈」と親友になっていく役柄は誰にも譲りたくなかった。

「うーーん。それにしても、邪気のない笑顔で、見る者を和ませ、素直な気もちにさせる?ねぇ、モー子さん、それってどんな笑顔だと思う?」

「いつも通り、笑えばいいんじゃない?」
「いつも通りって?」
「だ、だから、さっきみたいに・・・・・・・」
「さっき?」

「も、モー!知らないわよ、敦賀さんにでも聞いてみれば?」
「え???」

こうして、ほにゃりと可愛らしく笑う姿に、和むどころか心臓をバクバクさせてしまう男の下へと、「悩殺ものの笑顔を持つ天使」は向うこととなった。

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タイトル、内容、アレンジ自由。プロローグとしてのご利用も書き換えもご自由に。

可愛い笑顔に悩殺されまくりな蓮さん。
どう答えるんでしょうねぇ。

ドボンお待ちしております。

この罠穴にドボンしたのは、このお方!
<リク記録72>被害者「風月のスキビだより」さんの場合



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