大宮BL妄想物語。
*閲覧注意*











N.side











「にのちゃん久しぶり〜」



「相葉くん!久しぶり♪今月は来れたんだ。」



「うん!元気だったぁ?」



「元気、元気、相葉くんは?元気そうだね。」



「うん、元気、元気♪」




相葉くんは中高の同級生で
一緒に実家がある地元の野球チームに所属している。


先月は仕事の都合でこれなくて
2ヶ月ぶりだ。






「久しぶりだからなぁ体が鈍ってそうだよ」


相葉くんはストレッチをしだした。

僕も体をほぐす。



「最近、仕事はどう?」



「うん、大変だけど楽しいよ」



「そ、良かったね、あ、あの人は?
イケメンの新人さんはどうなの?」



「///イケメンの新人?
僕、そんなこと言ったっけ?」



「言ってたよ。イケメンだって」



「そうだっけ?」



「どう?仲良くやれてる?」



「ま、まぁね・・・」




仲良くやっててな。


昨日までは。。。






僕は何で、
あんなこと言っちゃったんだろう。


翔さんに僕らのことを
"仲がいいね"と言われ
"いい雰囲気だね"と言われ



まるで
仲を否定するような言い方をしてしまった。



大野さんはどう思ったんだろう。


いつもと変わらないように見えたけど…
お酒の飲み方が少し荒かった。


白ワインにウイスキーの水割りと何倍も何倍も
飲んで…

翔さんに飲み過ぎじゃない?
と言われても

『翔ちゃんに会えたのが嬉しいんだよぉー』

と言い飲み続け
最後の方は呂律が回っていなかった。



店を出て翔さんと別れる時なんかも

「翔ちゃん〜またねぇ」
と首に手を回して

それこそキスでもしちゃいそうな
熱い抱擁を交わしていた。



それを見てモヤモヤした。



タクシーで一緒に帰ってきたけど
大野さんは眠っているのか
ずっと目をつぶっていたからほぼ沈黙。

降りる時にかろうじて挨拶をしたくらいで

なんだか大野さんと距離を感じた。




やっぱり僕の態度が原因だろうか。


相葉くんが
見学者が連れてきた大型犬と戯れている。

顔を舐められチュッチュとキスをして…


もしかして
大野さんのキスはアレと一緒なのかな。。





でも、

『ちゃんと話ししたい』って言われた。


あ、そういう意味のキスじゃないって
ことかな?



もうわけわかんない。



人の心が簡単に覗ければいいのにな。。








「どうした?にのちゃん?心ここにあらずだよ?」



「あ、うん、大丈夫。今日頑張ろうね。」



「頑張ろうね!」




今はごちゃごちゃ考えるのはやめて
全力で野球をしようと思った。





だけど、、



力みすぎたのと、、


心ここにあらず状態で
ストレッチをしたのがいけなかったみたいで、、




5回裏の攻撃
打った打球がレフトを抜け
1塁から2塁に回ろうと……
一塁ベースを踏み抜けたところで、、



足をひねってしまった。







試合は勝利したが、

試合の半分をベンチで終わった。













ひねったのが左足だった為
何とか自分の車で帰ってこれた。


翌日、念の為病院に行ってから
出社することにした。
遅刻する旨を部長に連絡をいれ

大野さんにも、、
詳しい理由は説明せず連絡を入れた。








全治10日程の捻挫だった。


少し足を引きずりながら出社した。



「おはよう、、ニノ足どうしたの?」


大野さんはぼくの異変にすぐに気づいた。
ニノ呼びになっちゃったし



「大野さん、おはようござます。
遅くなってすみません。ちょっと捻っちゃって…」



「もしかして、野球でか?」



「はい///」



「大丈夫か?病院は?」



「はい、行って来ました。捻挫でした。」



「捻挫……痛みは?」



「体重をかけると痛くて」



「そっか、それは大変だ。」



めちゃくちゃ心配してくれてる大野さん…



金曜日、あんなことがあったから…
いつもと変わらない大野さんでほっとした。