大宮BL妄想物語。
*閲覧注意*








N.side








パソコンのセットアップは済んだ。

名刺の発注はした。


あとは、


あとは、、



ノートパソコンしか置かれていないデスクを見て
頭の中で色んなパターンをシミュレーションする




よし、



たぶん、大丈夫。




「二宮」



「あ、部長///お疲れ様です」



「お疲れさま。来週から彼のことよろしく頼むな」



「はい!」



「まぁ肩の力を抜いて」



大きな手で肩を揉まれる。





部長の"杉乃アルク"は日本人と西洋人のハーフで
高身長でキリッとした顔だち。

その見た目から威圧感があり近寄り難く感じるが
そんなことは一切なく
とても包容力のある上司で
僕はいつも助けられている。




「はい///でも指導するのなんて初めてなので…」



「二宮なら、大丈夫」



「頑張ります///」





週明けの月曜から新しい人がウチの部署に入る。


その人の指導係を僕は任された。


異動前は店で店長をしていた人で
勤続年数も長く年も位も僕よりも上の人 
だから余計緊張する。



2ヶ月程前に会ったがどんな人だったか
もう忘れてしまった。




「今日はもうあがりか?」



「あ、はい」



「そうか。」



「何かありました?」



「いや、二宮と一杯行こうと思ってたんだが…
さっき常務に誘われてしまったよ」



「ふふ、それは残念です。
また機会があればよろしくお願いします。」



「ん。じゃあお疲れ」



「お疲れ様です」





部長には気に掛けていただき
こうやってたまに飲みに誘われる。
勤務時間外でも良くしてもらっていた。















会社から二駅、
駅から徒歩圏内の住宅街にある
アパートの3階が僕の自宅。


帰宅してずぐに玄関に置いてある
一週間分の洗濯物を持ちまた来た道を戻る。



そこから歩いて数分の
大きなコインランドリーに洗濯物を入れ
洗濯、乾燥コースを選択し終了するまでの間
夕食を食べに行く。


これが僕の金曜の夜のルーティーンとなっていた。




今日は駅前のラーメン屋で食べ
本屋に立ち寄り、
気になっていた小説を買って
コインランドリーに戻ると、
ちょうど終わるころだ。









土日はイレギュラーなことがない限り休み。
週休2日はありがたい。
その休日は有意義な時間を過ごしたい主義だ。

土曜日は家の掃除して本を読みゆっくり過ごし
日曜はゆっくり起きてそのままサウナに行って
息抜きをしている。







そして迎えた月曜日。

いつもより一本前の電車に乗り出勤した。

社につくと、、


「おはようございます!」


「あ、おはようございます!!」



出勤一番乗りだと思ったが
先人がいた。


しかも、見たことない人。


つまり彼が…



「今日からこちらの部署に配属になりました
大野です。」



「あ、二宮です///お待たせしてしまって…」



「いえ、僕が早く来すぎちゃったみたいです」



と、彼はふにゃっと柔らかく笑った。


確かにまだ就業開始時間の三十分前だ。



「あの///大野さんの席は僕の隣でして…
こちらです。」



「ありがとうございます。」



「それで、その///今日から僕が大野さんの指導係の担当になります。」



「はい!よろしくお願いします」



「よろしくお願いします」



2人で同時に頭を下げた。