大宮 B L妄想物語
*閲覧注意*









J.side






「僕、ちょっとトイレ」



「付いて行こうか?」



「子供じゃないんだから…平気だよ」



しゅんとしてしまったわんこは
この場から逃げてしまった。




俺一人残され
場違いのようで落ち着かなかった。



「和ってやっぱり人気者なんだね」



「え、」



「さっき会社の子が来たって言ったでしょ?」



「はい」



「彼女達、いつも和が美味しそうに食べている
パンが気になってたって言った。」



「そうなんですね」



「その…"気になってた"のって、
"パン"だけなのかな。。」 



「え、…」



彼女達が誰なのかわからないが、
ニノが人気者なのは確かだった。


だけど、

この大野さんの発言は…


ニノはヤキモチを妬かれることはないって
言ってたけど、そんなことないじゃん。



「ニノは大野さんにベタ惚れしてるから
他の人が入る隙なんて全くないから安心して下さい」



「ふふ、松本くんは優しいね。ありがとう。」



「いえ、でも一つ言うなら」



「ん?」



「その"心配事"をニノに言ってあげて下さい。」



「え、」



「ニノが喜ぶと思いますよ」



「かっこ悪くないか?」



「しょうかないです。
あんな可愛い恋人を持ったら心配にもなります。」



「そうなんだよねぇ」



トイレから戻ってきたニノはいつも通りだった。

気持ちを入れ替えてきたのだろう…






「潤くん…そろそろ行こうか」


「いいけど…」


俺は大野さんに視線を向けた。


「帰るのか?」



「うん、」



「もう少しで終わるし、一緒に帰ろう」


「でも…」


ニノが俺に上目遣いで見つめてきた。


俺に遠慮しているのか…



「大野さんと一緒に帰りなよ。」


「いいの?」



「ああ」



「ごめんね。」



「いいよ。だけどまだ時間あるだろ?」


「うん、」


「ちょっと付き合ってよ」



ニノがチラッと大野さんに目配せし

大野さんが柔らかく微笑み頷いた。





やっぱ、いいな。

この"ふたり"

穏やかな空気が流れている。











ニノとフェス会場から出た。


「潤くんどこ行くの?」



「小腹が空いた。パスタが食べたい」



「フフ、パンしか食べてないしね。」




会場近くのレストランに入った。






「ニノ、ごめんな。」


「大丈夫だよ。僕もお腹空いてたし」


「違くて、大野さんに出張販売を頼んだこと。」



「何で、急に…」



「ニノが嫌がってた本当の意味がわかった。」



「········」



「パンが有名になることよりも
大野さんが有名になることが嫌だったんだろ?」


ニノが小さく頷いた。


「・・・・ホント、自分自身が嫌になる」


「ニノの気も知らないでごめんな。」



「謝らなくてもいいよ。僕の気持ちの問題だから」



「·····他の女に目移りしないでよぉーとか言って
甘えちゃえば?」



「///そんなこと言えないよ」



「何で?
俺は恋人にそんなこと言われたら嬉しいけどな。」



「そんなもんかな。」



「ああ、そういう甘え方してもいいんじゃね」



「·····」



「な、」



「うん、、ありがとう」





今日の俺、結構役に立てたんじゃね。













次の投稿は月曜日になります。
皆様良い週末を〜(⁠^⁠∇⁠^⁠)⁠ノ⁠♪