大宮BL妄想物語
*閲覧注意*









それから週に2日 
仕事帰りは決まって大野さんと一緒に過ごすようになってひと月が過ぎた。




問題の彼はというと

先日退会届けを出してきた。


何度か大野さんと一緒にいるところで遭遇して
諦めてくれたのかもしれない。

本当に恋人のふりが項を成したようだ。



生徒さんが減ることは残念だけど
正直ホッとしていた。


だけど、そうなると、、

大野さんに送って貰う理由がなくなってしまう。


このまま彼が辞めることを
内緒にしようかとズルい考えが頭によぎったが

嘘は良くないと思い直し

今日の帰りちゃんと報告することにした。




「お疲れさま」


「大野さん♪お疲れさまです。
今日も今までお仕事だったんですか?」


「うん、」



「あれ?何かのお祝いだったんですか?」


大野さんの手には 紙袋と小さなブーケ花を持っていた。






「あ、これは、カズくんに」



「僕にですか!?」



「来週、料理教室の一周年なんでしょ?
これは教室の受付にでも飾って?」


と、紙袋を差し出しだした。

中には黄色バラのフラワーアレンジメントが入っていた。

「わぁー ♪」



「で、こっちはカズくんに」



と、小さなブーケを手渡された。




「え///僕にですか?」



「カズくんも一年間頑張ったお祝い」



「・・・・嬉しい///お花なんて初めてです///
いい香り♪」



「俺も初めて買ったよ。なかなか緊張した」



「ありがとうございます///」



なんて紳士的な人だろう
胸がいっぱいでしばらくお花を見つめていた。





「今日もご飯付き合ってくれる?」



「もちろんです///今日は何にします?」



「うーん、カズくんは何食べたい?」





大野さんは僕のことを
カズくんと呼ぶようになった。


バーに連れていってもらって何度目かの時
ほろ酔いになった大野さんが
僕に甘い眼差しを向けながら
"カズくん♪"
って急に呼んだんだ。

めちゃくちゃ心臓が跳ねたのを
昨日のことのように思いだす。


明確な理由を言われていないが
多分恋人のふりをするのに
二宮先生呼びは変だろうと思ったんだろう。







今日は和食レストランに連れていってもらった


ノンアルコールビールで乾杯し
和の空間で上質な食事を堪能した。



「カズくん」


「はい」



向かいに座る大野さんが神妙な表情になった



「今度料理教室がない日にゆっくり
お祝いさせて?」



「え、そんな…」



「迷惑かな?」



「迷惑だなんて…
ただ、いつも大野さんには
ごちそうになってばかりだから」


結局大野さんが先に誘ってくれるから
ほとんど奢ってもらっている



「特別の日だし、、ね?」



「いいんですか?」



「もちろん!・・休みの日とか会える?」



「はい」



「じゃあ来週末はどう?」



「大丈夫です」



お休みの日にも大野さんに会えると思うと嬉しかった。


例の彼の件はお祝いが終わった後に
報告することにした。











そして、、週末

大野さんが僕のマンションの前まで車で
迎えに来てくれた。

車を走らせること30分

着いた先はマンション、

その地下駐車場に車は停車した。













次の投稿は月曜日になります♪
良い週末を~♪ヽ(´▽`)/