大宮BL妄想物語。
*閲覧注意*











O.side




「どう?最近?」


俺ん家に来て自分の家のように冷蔵庫から
缶ビールを取り出した翔くんを横目に
俺はデスクに向かって仕事をこなしていた。


「ん、調子いいかも」



「仕事じゃなくて、料理教室の方よ」



「ああ、そっちも調子いい」



「まさかここまでハマるとはなぁ」



「まあね。
翔くんの方は?少しは役に立ってるの?」



「・・始まるのは来月からだからわかんない」



「そ」


翔くんは6回の特訓を終え
料理教室をやめた。


俺はというと…


まだ続けている


彼が教えてくれる料理はどれもおいしい。

ただ料理にはまったというより

二宮先生に会いに行ってるようなものだ。


彼に出会ってから生活に色が加わった。


実は少しスランプになっていた。

料理をするようになり頭のなかに空白が出来
また新しいアイデアが生まれた


それもこれも二宮先生のおかげだ。




「これ何?」


翔くんがキッチンに置いてある
鍋の蓋を開けていた


「ああ、ボルシチ」


「うまそう、これも習ったの?」


「いや、、これは…本見て作った」


「へぇー本見て作れるなんて流石だね。
ねぇこれからご飯でしょ?俺も食っていい?」


「ああ、もちろん」




実はこのボルシチは二宮先生から
個人的に教えてもらった




昨日仕事に必要な資料集めに
駅の商業施設内の本屋に行った。

目的の物を何冊か手にし料理コーナーを覗いたらそこに二宮くんが偶然いたんだ。



上下アイボリーのコーデで
真剣に料理本を読んでいた。


いつものエプロン姿も可愛いが
私服は一段と可愛いらしかった。






「二宮先生」


場所が場所だけに
背後から小さな声で呼びかけたら

ビクッと体を震わせていた


「!!!あ!!!えっ!?大野さん?」



「そう、偶然だね。」


「びっくりしたぁ」


「ふふっ ごめん驚かしちゃったね」



「いえ///」



「今日はお休み?」



「はい、祝日なので」



「そっか今日は祝日か」



「大野さんもお休みですか?」


「まぁ、休みっていうか、、
仕事の資料を買いにね。」


「すごい!沢山ですね」


「二宮先生は?
あんなに料理出来るのに料理本?」


「ちょっと気になる本が出版されたので」


「その手にしてる本が気になる本?」


「はい///世界の料理が沢山載ってる本です」


「わ、うまそうだね」


「ですよね。これなんか大野さん好きそう」


「うん、好きかも、」


「やっばり!」


本を見てるだけで幸せそうだ。

本当に料理が好きなんだな。


「・・・・・二宮先生今日は一人?」


辺りを見渡したが
何度か見かけた顔の濃い男はいないようだ


「はい、一人ですよ?」


と、首をこてっと傾けた。


可愛い仕草だ。


「この後は?予定ありますか?」


「特には…」


「良かったら 少しお茶しませんか?」


「あ///はい」



二宮先生にとっては完全にアウェイな場所。

急に俺に誘われキョドキョドしていた


本屋に併設されている
コーヒーショップに入る


俺が先に定員に注文をする


「カプチーノを一つ」


「二宮先生は?何飲む?」


後ろにいる二宮先生に聞いた。


「あ///え、、」


「ん?」


「あ、じゃあアイスコーヒーを」


「すみません、
アイスコーヒーとワッフルのチョコソースがけを一つお願いします」



キャッシュレスで会計をし
注文したものを受け取った。

空いている席が カウンター席しかなく
二宮先生に確認し、隣に並んで座った。


「あの、これ」


二宮先生が財布からお金を出そうとした


「いいよ、俺が誘ったんだしごちそうさせて?」



「・・・いいんですか?」



「うん、勿論」



「じゃあ///ごちそうになります」



「ふふっ」



「大野さん、甘いの好きなんですか?」



「好きだねー 二宮先生は?」


「僕も好きです///」


「じゃあ一緒に食べよっか」


「あ、え?///」



お皿に乗ったワッフルを4等分に切った



「甘いの好きなら、洋食コースを選ぶと
簡単なデザートありますよ?」


「んーありがたいお誘いだけど、
デザートは人に作って貰いたいかな。」


「///そうですか…」



「ちょっと待ってて」


俺はフォークを取りに席をたった。




「あ、ねぇさっき買った本
少し見せてもらってもいい?」


「もちろん、
あ、ボルシチのレシピのところ写真とります?」



「え!?いいの?」


「はい///大野さんならレシピを見るだけで
作れちゃうと思いますよ」


「二宮先生にそう言われると嬉しいなぁ
あ、でもわからなくなったら聞いてもいいですか?」


「もちろんです」



「じゃあ、連絡先聞いてもいいですか?」



「あ、はい///」




と、残念ながら
二宮先生に聞くまでもなくボルシチは完成した


だからせめて

作った物の写真を撮り
二宮先生にメッセージを送った。