大宮BL妄想物語。
*閲覧注意*
それから3度目の参加となる日
翔ちゃんから急な仕事が入って欠席とすると
連絡がきた。
チケット制だから別の日に振り替えればいいことだけど、
大野さんはどうするんだろうか…
気になって翔ちゃんに連絡を入れてみたら
"智くんは予定通り行く"という返事がきた。
そして実習が始まる。
「大野さん、今日は僕とペアを組みましょう」
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
大野さんの隣に立ち軽く会釈した。
もう一組は何度目かの実習で僕のサポートがなくても心配のない2人だった。
「すみません、
俺も振替すれば良かったんですけど
どうしても今日のは参加したくて」
今日のメニューに必要な野菜を
カットしながら大野さんが話しだした。
「・・もしかして、シチュー好きなんですか?」
「ハイ。
これは習って自分で作ってみたくて」
「嬉しい。」
「嬉しい?」
包丁を持つ手がとまり
視線が合う
「あ、すみません、、
大野さんは、翔ちゃんに誘われて無理やり来ていると思ってたから…嬉しくって」
「ああ、確かに最初は無理やりだったけど、
今は料理に夢中です」
「ふふ、夢中なんですね」
「はい、翔くん無視して、
もっと来たいぐらいです」
「是非是非!来て下さいよ!
あ、もしよかったら他のコースもあるんで、
今日終わったあと少し時間あります?
資料渡します!ってごめんなさい、
料理中なのに勧誘みたいなことして」
「ふふ、いえ、ありがとうございます。
じゃあ時間あるのでその資料貰って
帰ってもいいですか?」
「はい♪」
ふふふと顔を見合せて笑った
大野さんはとても居心地いい人だ。
大野さんには入り口の受付のところで待ってもらうことにし
調理台を軽く片付けて
資料を手にし大野さんのところに向かった
「ごめんなさい、お待たせしました」
「全然大丈夫です」
「これ、資料です」
「ありがとうございます」
資料をみながら簡潔に説明した。
翔ちゃんと大野さんが受講している
入門コース以外に
週に1回 和食、洋食、中華と
週代わりで開講しているコースがある
「和洋中あって洋食が特に人気です。
皆さん彼女さんに振る舞うみたいですよ」
「振る舞う彼女とかいないから、、
まずは和食にしようかな。」
「和食、いいですね。
今月はもう定員オーバーなので
来月からなら大丈夫です。
ちなみに一人で全ての工程を行うので
バッチリ取得できますよ。」
「一人でですか、、じゃあ二宮先生と
ペアを組むことはできないんですね」
「////そうですね。」
「残念。」
「あ、でも教えるのは僕ですし、
こちらも少人数だからいつでも僕はサポートに入れますから///」
「ふふ、優しいですね。」
「あ、えっ///」
「じゃあ、考えてみますね」
「はい、ありがとうございます」
大野さんが小さなバッグに資料をしまった
ところで入り口の扉が開いた。
「あ、」
潤だった。
僕が潤に視線を向けると
大野さんもそちらを向いた。
少し外で待ってて欲しくって
目配せしたが、
「大丈夫です、もう帰ります。」
「あ、ごめんなさい」
「いえ、じゃあ二宮先生、また」
「あ、はい!また!お疲れ様でした」
大野さんは潤とすれ違いざまに
頭を下げて帰っていった。
「わりぃ、取り込み中邪魔しちゃった?」
「うんうーん、大丈夫だけど、、」
「だけど?」
「何でもない。すぐ支度してくるね」
本音は、
もう少し 大野さんと話しをしたかった。