大宮BL妄想物語。
*閲覧注意*








久しぶりに会った翔ちゃんは
何も変わっていなかった。


アナウンサーになったと聞いた時は
驚きもしなかった。

イケメンでインテリぴったりの職業だ


翔ちゃんは小学校の頃からの仲だ。
俺の2個つ上で家が近所で良く遊んでいた。


そんな翔ちゃんから
僕に助けを求めて来たときは驚いた。

翔ちゃんが料理なんてあまりにも畑違いだ。


まぁ理由を聞いたら納得だ。
それは協力させてもらう。



実習を終えると


「ニノ!今日はありがとう」


「いえいえ、どうだった?」


「いやー慣れないことやったから疲れたよ」


「ふふっそっか」


「な、今日予定あるか?久しぶりに会えたし
この後飲みに行かない?」


「うん♪そうだね」


「あ、智くんも一緒にいい?」


「もちろん」
「俺は遠慮するよ。」


「行こうよ。気分転換にさ」



「もう気分転換したし」



「どうせ帰っても酒飲んで寝るだけでしょ?」


「そんなことないよ。やることあるし、」



「仕事?」



「そ。仕事」



「ふーん、」



「・・・・久しぶりに会ったんでしょ?
2人で楽しんできなよ」


「そう?」






と言って大野さんは帰った。
僕らに気を使ってくれたのかも知れない。

翔ちゃんと2人でまだ明るい時間から飲む。


お互いの近況報告をして
本格的に僕の料理教室に通うと宣言していた。


僕の教え方を褒めてくれて
とても居心地がいい空間だったとも
言ってくれた。。




「翔ちゃん一人で参加するの?」


「いや、智くんも連れてくるつもり、、」



「でも、大野さんは料理に慣れてそうだけど?」


「ああ、智くんは器用だからね。
なんでもすぐ取得するんだよ。
だから体験で満足しちゃいそうで…」


「やっぱりそうなんだ。」


翔ちゃんは頑張って説得すると言っていた



今日は彼、
大野さんにばかりに目がいっていた。


少し日焼けした肌に短めの黒髪
身長は俺と対して変わらないのに
半袖から見える腕の太さには驚いた。

包丁を持つ手が男っぽいがキレイで
翔ちゃんの言うとり器用そうな手をしていた。

料理中、米を炊くのに悪戦苦闘している
翔くんを優しく見守っていて
洗い物も丁寧で
彼からは穏やかな雰囲気が漂っていた。







翔ちゃんには時間が空いた時に来れる
チケット制を勧めた。



さっそく翌週、
大野さんを引き連れて来てくれた。


"智くんが一つ返事でOKしてくれた"と
嬉しそうに言っていた。



「智くん、
ニノのこと気に入ってくれたみたいよ」


と、僕のことを気に入ったのではなく
僕が開く教室のことだと思うが、
あえて突っ込まなかった。





夜の部の参加で
仕事帰りの翔ちゃんはスーツ姿で
大野さんは、Tシャツにデニム姿だった。


この日の実習はチャーハンと焼売

前回の体験から2週間空いていたが
翔ちゃんの包丁の扱いが2回目にして上達していた。



「すごい上達!練習したの?」


「智くんに習った」


「その時は何作ったんですか?」


翔ちゃんは切ることに集中していたから
大野さんに聞いた


「タコときゅうりをわさび醤油であえたものを…」



「わぁーシンプルが一番美味しいですよね」



「めっちゃうまかったです」


大野さんの柔らかな笑みに
僕までも笑顔になった。


焼売を包む工程は
翔ちゃんは苦戦していたけど、、


大野さんは


「すごい、上手です!
大野さんは器用ですね」



「この作業楽しいですね」



料理をすることに心から楽しんでる人を見ると
嬉しいものだ。