先週,トコジラミ(南京虫) の研修会に参加してきました。
講師はアメリカのトコジラミ防除の第一人者と言われるフィリップ・クーパー氏
(トコジラミ関係の論文や報告書によく登場します。)


研修会は有料でしたので,皆しっかりと勉強しようという雰囲気があり
大変気持ちよく参加できました。内容はトコジラミの生態や具体的な施工方法というものはあまりなく,業界の市場や見積りから施工終了までのプロセスなどの話しが中心でした。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-トコジラミ研修会の様子

(写真:トコジラミ研修会の様子)

私としては,アメリカで行われているトコジラミの防除プロセスの一端を知ることができ,アメリカで使われている防除器具の実物をみることができ,とても勉強になりました。また,我が社が取り組んで来たトコジラミ防除手順に間違いはなかったのだと,自信がつきました



 さて,アメリカには,トコジラミの隙間が好きという習性を利用したり,
温度に反応するという習性を利用したトコジラミ専用のトラップが存在します。
ただし,うまく利用しないと捕獲は望めません。また,一般の方が今すぐに購入することも難しいでしょう。


そこで今日は,家庭にあるものとドライアイスを使ったトラップを紹介したいと思います。この方法は,二酸化炭素に反応するトコジラミの習性を利用したものです。詳しくは,こちら を参照してください。

方法が書かれている部分を以下に抜粋します。


約1.25リットル入りの魔法瓶(スポーツ用品店やキャンプ用品店などで入手可能なもの)にドライアイス片を約1.1キログラム入れ,注ぎ口を完全には閉めないで,二酸化炭素が漏れ出るようにした。
この分量だと,室温下では11時間ほど,ナンキンムシをおびき寄せるのにちょうど良い濃度の二酸化炭素が出続ける,とTsai博士は言う。[魔法瓶にドライアイスを入れて密閉するのは危険なので注意]

この魔法瓶をプラスチック製のネコのエサ皿に立てて,エサ皿の外側には紙片をテープで留め付け,ナンキンムシが登りやすいようなスロープを作っておく。エサ皿の内側は急斜面でツルツルしているし,そこにベビーパウダーをはたいておくと,1度中に入ったナンキンムシは再び外には這い出せなくなる。




この方法を2010年1月に,トコジラミの発生が確認された旅館の一室で試してみました。ただし,魔法瓶がいくつも手に入らなかったのと,万が一魔法瓶が破裂しても困るので,ペットボトルに数か所小さな穴を開け,そこにドライアイスをいれて試みました。



トラップは12畳ほどの部屋に計6つ。トコジラミが潜伏していると思われる場所の近くに設置し,3時間ほど放置しました。


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-手作りトコジラミ捕獲器

(写真:手作りのトコジラミ捕獲トラップ)



結果,捕獲なし。


明らかにトコジラミはいるのですが,まったく捕獲できませんでした。



敗因はいろいろ考えられますが,やはりドライアイスが冷たいこが一番の要因だと考えています。そういう面では,魔法瓶を使う方が熱が外に伝わりにくくて良いかもしれません。



ドライアイスを使う方法は今回の研修会でもちらりと紹介されていました。


皆さんも試してみてはいかがでしょうか。
(ただし,捕獲のみでトコジラミを駆除するのは不可能です。)


私も,機会があったらまた挑戦してみたいと思っています。




株式会社エスケーシステムではトコジラミの駆除・防除を取り扱っております