中学校1年生。
恋の痛手を負った小学校のトラウマからか、
思春期真っ只中にも関わらず、好きな人はできず。
中学校2年生。
同じく。
自分で作っては食べるというバレンタインを過ごしておりました。
中学校3年生。
ようやく、春到来。
1回も話したことのない男の子。(ほぼそうでしたが)
口が悪く、世の中すべて敵だ!と言わんばかりの眼差し。
学年1位になるほど賢くて(国語は絶対負けないけど)
若さゆえに研がれすぎた、鋭いツッコミも愛情が垣間見えるようで。
久々の恋スイッチ、オン!
ウワサに聞けば、
クラスの女子に点数をつける
という趣味の悪い男だという。
「同じ塾の女子に告白したものの振られ、それから荒れだした」
「友達がバレンタインのチョコをあげた」
バレンタイン間近・・・情報だけが錯綜する。
なんで人があげようとすると、そんないぢわるな事を言うのさ!
後にこの女子は「魔女」と呼ばれるようになる。
彼はそんな悪い人じゃないはずよ!信じます!
とはいえ、話す術も持たず、視力にも限界のある一女子。
トークで好意を伝えることも、
ラブラブ熱視線でアピールすることも不可能。
結局・・・チョコを渡すなんぞ、とうてい出来るはずもなく。
ひとことふたことくらいで舞い上がったまま、卒業。
春休み、何を血迷ったのか、突然電話で告白。
「好きです。でも、返事はいりません!」
なんてわがまま、かつ主旨のわからない台詞。
中学校時代、貯蓄してきた分の運をすべて使い果たし、
初告白はめでたく実ったのです!
同じ高校へ進学し、毎日がハッピーな浮かれポンチ。
ところが来てしまったのですよ・・・
マイアイドルの『モテ期』到来!
バレンタインを控えた、もっともデリケートな時期。
ただでさえ自己評価の低い一女子。
友達からそういう情報を聞くだけで不安にさいなまれる日々。
「バレンタインにかわいい女子にチョコもらってふられるんじゃ・・・」
被害妄想が暴走!デンジャー!デンジャー!
そこへぽんっと現れた、他校のちゃらい男子。
楽なほうへ逃げてしまいましたとさ。
めでたくないおはなし。