「繊細だよね」「は?」
突然言われて戸惑う。
今まで生きてきて、繊細と言われたことは、一度もないので、久々に固まってしまった。
はて。繊細ってどういうこと?
国語辞典にはこう書いてある。

細く美しい・こと(さま)。
感情や感覚がこまやかなこと。微妙なこと。また、そのさま。デリケート。

いや、見た目がまず全然繊細じゃないし、ふだんの行いも豪快そのもの。
決して繊細じゃない。
ましてや、デリケートだなんて、ありえない。
「悪いけど、わたしは今まで繊細という言葉にはまったく縁がないし、はっきり言って、ウリはその対極だけど」
そう言っても、いや、たぶん繊細だよ、と言い返される。

繊細かぁ。
考えたこともなかったな。
このひとはわたしの何を見て、繊細と言ったのだろう。
知りたいような、知りたくないような。
いやたぶん、知らないほうがいいんだろう。
うん。きっとそうだ。
年齢を重ねて、経験が増えるたび、いろんなことに対応できるようになり、あわてずに済むようになってくる。
でもそれは、感動とも疎遠になってくるように思えることもあり、ちょっぴり淋しくなったりもする。
新しいことを始めるときのワクワクが、だんだんと薄らいでいくのは、上達したせいもあるのに、慣れてしまうと飽きてしまう、わたしの悪い癖。
でも最近気付いたのです。
新しいことが古くなってしまって、ワクワクがなくなっても、経験は蓄積されていくと言うことを。
それがとても貴重なものだと言うことを。
その積み重ねられていく日々の層は、非常に薄くて分かりづらいのだけど、ある日突然厚いものになっていて、それに気づいたとき、その貴重なものの大きさに驚く。
これまで、すぐに効果の表れるものにしか興味がなかったけれど、そうでないものもあるのだと、今更実感していたり。
コツコツと努力をするのが苦手なわたしだけど、人生は長いのだから、それくらい時間をかけたとしても、大丈夫なのだ。
残業中、携帯が鳴った。
自分の携帯にない電話番号。
なんとなく、躊躇したものの、出てみたら、3年位前にやめた同僚からだった。

「元気?もう俺のことなんか忘れちゃった?」
えーと、この懐かしい声は。あ、そうだ。
「あー、思い出した。忘れてないよ。元気だった?」
そういうと、彼はすごくほっとした様子。
何があったか分からないけれど、この1年ほど、かなり強いうつ状態にあったのだそう。
今は大分落ち着いて、こうやって電話をかけることが出来ていると言っていた。
少し話を聞いていたら、多くは語らないものの、話の端々から、なんだかものすごくたくさんのことを経験してしまっていたように感じて、かえって何があったの?とは聞けなかった。
その代わり、何とか元気になる糸口をつかめないかと必死で彼の話を聞いていた。
だって、3年ぶりに電話してきたということは、きっとそれなりに何かを求めていたに違いないから。

会社を辞める前の彼は、うつになるとは思えないほど、楽天的で飄々としていたから、それはそれは辛かったと思う。
電話で聞く声はとても元気そうだったけれど、どうやら今もかなり辛いことには違いなさそうだった。
こういうとき、わたしは相手が話さなければ、詳しくは聞かないことにしている。
彼が今わたしに求めているのは、優しい話し相手であって、詮索されることではないから。
今この電話で繋がっているときだけでも、彼は癒されたいに違いないのだから、精一杯わたしなりに彼を励ましてあげたかった。
笑われるかもしれないけど、人のあったかさに触れるとなきそうになるんだ、と言うので、泣きたい時は泣いてもいいんだよ、みんな、1人じゃないんだよ、泣きたいことは、誰にでもあるし、みんな、いろんな人に支えられて、生きているんだよ、だから、そのあったかい気持ちになきそうになる自分を知れて、良かったって、わたしは思うよ、と言うと、笑って、本当に泣きそうだよ、と言っていた。
振り返れば、わたし自身も彼のような人たちに支えられて、今のわたしがある。
彼にもそれを知って欲しかったのかもしれない。
この3年、本当にいろんなことがあったのだろう。
今だって、相当辛いに違いない。
にもかかわらず、一生懸命、わたしにも気遣ってくれている。
この人は、こんなにも優しい人だったのだ。
いや、わたしはたぶん、それをちゃんと知っていた。
だから、彼がやめるとき、引き止められなかったのだから。

出会いがあって、別れがあって、でも、忘れられない人がいる。
それは、今の自分を形どっている、痕跡があるから。
あったかいものに支えられて生きているのは、わたしも一緒なのだから。
だから、人は決して1人ではないと、言い切ってしまった。
人は決して1人ではない。
いろんな人に支えられて生きている。
そしてまた、誰かを支えて生きている。
わたしも彼も。
助けを求めてきたはずの彼から、今また教わったことがある。
誰かに支えられて、支えた痕跡は、今生きているわたしたち自身の中に、確かにある。
これからの彼の人生が今よりもっと明るいものでありますように。
若き日のわたしを助けてくれた彼に、その見返りがありますように。
そう願わずにはいられない。
忙しいことが自慢にならないことは百も承知だけれど、なかなか充実した日々を送れていることが、せめてもの救い。
昨日の問題もとりあえずは速やかに解決し、見た目は順風満帆。
しかし、どうも上司達の機嫌がよろしくない。
実は、今度の日曜日、会社のパーティがある。
わたしは彼と一緒に出席するのだけど、なんと女子社員で出席するのは、わたしだけらしい。
うちは結構大きな事業所なので、全社員が200人くらいいるはず。
男所帯だから、女子はパートさん含めて20人いないくらいなんだけど、それにしても少なすぎ…。
うちの彼曰く、季節が中途半端すぎて、着るものが決まらないんじゃないか、とのことなんだけど、それだったら、わたしも今が一番おしゃれのしがいがない季節なんだから、そんなこともないと思うのね。
正直、わたしも行かなくていいのなら行きたくないのだけど、上司に可愛がってもらっている手前、そういうわけにもいかない。
行けばそれなりに楽しいし、おいしいものも食べられることは去年行って証明済みだし、たったの2時間ぽっち、なんとかなると思うんだけどな。
こういう義理立ても、古臭い世の中になっちゃったんだろうね。
とりあえず、行くからには、ちゃんとおしゃれして出かけます。
ここが着道楽の腕の見せ所。
フォーマルな場は苦手だけど、上手に抜くところを抜いて、さりげなくおめかししたいと思っています。
今日は本当に報われない1日。
長い付き合いなのに、そうなってしまうのはなぜなのか。
納得できないのはわたしも同じ。
あんなに話し合って、理解しあったと思っていたのに。
どこでボタンを掛け違ったんだろう。
でも、もうあきらめよう。
自分の力で何とかなることと、そうではないこととがある。
それをどうにかしようとするほどのエネルギーがもうない。
わたしもそんなに若くないってことを、こんなことで気付かされる。
若いってことは、そういう事にエネルギーを使えるってことなんだ。
それが一番いい方法なのか、それは分からないけど、もうわたしの力の及ぶところではないので、動くことも出来ない。
一度他人にゆだねたものは、もう自分の力ではどうにも出来ないのだ。
そういうことを理解すること。
大人になるって、そういうことだったのかもしれない。
今更自分が大人になったことを実感することになるとも思わなかったけれど。
気付いてしまったからには、せめて賢明な大人になりたいものだとつくづく思う。
自分を信頼してくれる人がいる。
そして、評価は自分がするものではなく、周りが下すもの。
失ったものや、その結果の寂しさには、落胆したけれど、今になって、とりあえず間違った道を歩いてきたわけではないと実感できることが、心から嬉しいと思う。
「minaさんは遠めに見ると25、6に見える」
突然うちの若造アルバイトが言い放ち。
おいおい、25、6は言いすぎだろう。
しかも、遠めにって…。
「それって遠めに見ると若いけど、近くで見るとそうでもないって意味ですよね。失礼ですよ」
付き合いの長い、リーダーのIくんが言うけれど、慰めてもらっても嬉しくないってば。
一番若い子が21で、一番年長の子が26。
そんな子達を使うわたしは、36。
まあ、オバサンと言われても仕方ないと思ってはいたけど、こうもはっきり言われると、正直傷つく。
ひどーい!と抗議すると、でも、ここで一番可愛いのはみーさん、とかありえないお世辞に絶句。
気を取り直して、下心ミエミエよー、というと、だって、点数稼がないとなんて言う。
そういったかと思えば、みーさんとIさんのの指示はピンポイント過ぎる、とか真面目に仕事の話をしたり。
そりゃそうよ。指示は明確にが当たり前。分かりやすくていいでしょ。
わたしの言葉にうなづくIくん。
でも、いきなりは分かりづらいっすよー。
抗議されたけれど、うーん、多分それは直らないから、我慢して付いてきてよと言い聞かせると、分かってますよと素直なお言葉。
思えば、この空気を作るまでに、わたしも相当の労力を使った。
まだまだ気は抜けないけれど、彼らの明るさと(あまり表に出さないけれど)真面目さを大事にして、ブレーンとして育てたいと思う。
アルバイトだから、いつまでいるかも分からないけど、いる間はたくさんの弟達をわたしなりに可愛がってあげたい。
言いたいことを言えるようになったのは、それなりに信頼関係にあるから。
そう思いたい。
仕事上の悩みも、もしかしたら改善されるかも知れないと思う出来事があった今日この頃。
安心するのは早いけど、だんだんと自分達の段取りが出来そうな気がしてきて、ほっとする。

実は、考え事をしていたら、日曜の夜眠れなかったので、月曜の朝は悲惨。
仕方なく、着るものでモチベーションをあげようと思い、なんと前日買ったばかりの靴とGASA*のスカートを下ろす。
ブラックネイビーのスカートに黒いハイソックスをはき、ベージュのTストラップのウエッジソール。
これが自分自身の中でもはまって、かなり気分が良くなる。
何とか仕事をこなし、夜は倒れこむように寝る。
おかげさまで、今朝は元気を取り戻しました。
さらに、仕事上の悩みのいくつかが解消されたので、明日からは本格的にエンジンかけられそうです。
うちではたくさんのアルバイトを使っているけれど、今まではなるべく固定でお願いしていたので、決まった人が毎日来ていて、中には社員以上に仕事が出来る人もいる。
そういう人たちとは、信頼感も厚く、良い仕事をさせてもらえる。
でも、今わたしがメインでしている仕事は、日によって人数が変わってしまうので、レギュラーと新人さんといわれる人たちがいる。
わたしは、このレギュラーと新人さん組と関わるまで、フリーターと呼ばれる人たちのことを全く理解していなかったともいえるかもしれない。

最近、わたしのメインの仕事の現場が荒れていた。
うすうす気付いてはいたけど、もともと現場は現場に任せるよう言われていたので、あまり関わらないようにしていたから、最近になるまで現場をリサーチしようと思ったことはなかった。
でもやっぱりおかしいと思って、最近は時々現場に足を運んでいたのだけど、レギュラーと仲良くなったことと比例して、いろんな問題点が噴出してしまった。
原因はいろんなところに転がっているけれど、大抵のことは良くあることで、話を聞いてあげればいいくらいの問題で、無視しても良さそうだった。
ただ、一番の問題点は、レギュラー同士のコミュニケーション不足。
お互いに言いたいことをはっきり言わず、態度でしか表さないので、知らぬ間に深刻になっていったようだった。
昨日、レギュラーの1人に話を聞いたところ、今更わたしが介入したところで、収拾のつかないところまで来ていることを確信してしまった。(てゆうか、当人同士の問題なので、仕事に影響与えて欲しくないのだけど)
早速責任者に相談して、最悪の状況も視野に入れつつ、話し合う。
まだどうなるかは分からないけど、やっぱり仕切りなおしは必要かもしれない。

フリーターと呼ばれる人の中には、本人達にその意識がなくても、現場を荒らす人がいるよう。
前にそのことを聞いてはいたのだけど、まさか本当になるとは思ってもいなかった。
それは、人一倍責任感も正義感も強のに、周りへの気遣いも出来るので、不満を心の中に溜め込み、そのうち態度に出てしまい、周りのモチベーションを下げてしまうタイプ。
責任感と正義感のあまり、自分が間違っていないと確信しているので、その結果自分がトラブルメーカーになっていることに気付かないからさあ大変。
フリーター同士だから、周りも注意しないし、無関心。
悪いところだけ助長されて、周りに感染していく。
だから、才能はあっても、それが生かされることはたぶんない。
こういう人は、正直、フリーターには向かないだろう。
派遣される企業のためにも、早く就職して欲しいと思う。
会社ならば、人材育成のための時間もあれば、上手にコントロールしてくれる先輩や上司にもめぐり合えるかもしれないから。
そのほうが、彼らの才能も生かされてバリバリ仕事が出来ると思うし、幸せになれると思う。

使えると思った人材がトラブルメーカーだったと知ったときのショックは大きく、かなりダメージ受けてしまった。
それは、わたしの心身もそうだし、仕事上でも。
今回のことは、いろんなことを知って、自分自身も勉強させられることが多かった。
これからだって、また問題は起こると思うけれど、同じ間違いはもう勘弁。

というわけで、心身ともに大打撃を負ってしまい、今日は静養日。
来週はまた、ある意味戦争なので、ゆっくり休ませてもらいます。
昨日は正直、グロッキー。
もう、本当に大変でした。
でもね、走り回って、体を動かしていたら、自信がないと感じていた体力は意外にあって、自分でもびっくり。
何とか1日を終わることが出来て、ほっとしています。
しかし、今朝起きてみてびっくり。
倉庫の埃が思ったよりもわたしの体に響いたのか、もともと弱い気管支がやられてしまったようで、咳が止まらない。
やっとおさまったと思ったら、すっかり声が嗄れてしまっていました。
のど飴を舐めつつ頑張りましたが、喉や気管支のイガイガはおさまらず、耳鼻科に言って、吸入をしたいくらい。
幸い、今日はベストメンバーだったので、わたしの出る幕はなく、悪化は避けられました。

が、その後、PCのリプレースがあり、今度はそちらに手を取られ、仕事が遅々として進まない。
しかも、わたしはプリンターをパラレルで接続してってお願いしたのに、ネットワークのしかもオフラインでつながれてしまい、プリンターが使えない。
それが分かったのは、彼らが帰ったあと。
まあパラレルで接続しなおすだけだからと、自分で対応したら、今度はプリントアウトが出来ない。
その処理に3時間ほど費やし、それでも治らないので、リモートコントロールで対応してもらうも、改善されず。
明日保守を呼ぶことになってしまいました。
明日も忙しいのに、ホント、どうしてくれるのかしら…。
でもまあ、念願の環境を整えられたので、良しとします。
明日1日の我慢ですからね。

今週は結構散々なことばかりだったけど、何とか終わって良かった。
来週からは、少し落ち着くので、少しはゆとりを持てるかな。
あ、でも、まだ1日残ってるなぁ。
ま、何とかなるでしょう。
今朝起きたら、昨日の胃痛はウソのように治まっていました。
寝るときも結構痛かったのに…。
でも、しばらくすると、なんとなく痛いような気がしてきて、とりあえず胃薬を飲んでみたら、今度は吐き気がしてきて、ようやく胃は治ったんだと自覚しました。
その後はお昼に消化のいいものを選んで食べたくらいで、全然平気。
良かったー。

たぶん、原因は今晩からの仕事のこと。
今朝になったら、もうなるようにしかならないと覚悟が決まったのかもしれませんね。
今晩のメンツの人選は全てお任せしたけれど、いつもよりも細かい指示がたくさん出るので、リーダーの指示通りに動ける人をという条件を出しました。
気になって、帰りがけ、夜の部を見に行ったら、先日より来なくなっていたアルバイトくんを発見。
普通に挨拶したけれど、まだ怒ってるよう。
わたしは既になんとも思っていないし、今日のメンツの仕事の早さは知っているので、文句ありません。
今晩の仕事の条件を満たした人選ですからね。
わたしは明日のフォローに回るのみですから、あとは任せて帰って来ました。

明日はようやく、わたしの出番。
まあ、何にも出来ないけど、スピーディーにかつ正確な仕事を目指して頑張ります。
なーんて、実は今晩よりも明日のほうが大変なんだと分かったのは、今日の仕事が終わってから。
もう仕切りなおしはきかないから、残された人員で出来る限りのことをするしかありません。
なるようにしかならないのだから、せめて余裕を持って頑張りたいと思います。