博多の女(ひと)
佐賀市
中島祐樹(なかしまひろき)
電源で消える文字書いていた
音のない叫び声をあげていた
色のない油絵描いていた
匂いのない香水つけていた
味のない料理食べていた
無意識だねそう分かっていても僕を知る人はいない
僕は旅にでる勇気もなく人と接することなく生きていた
ただ僕には、あなたがいつも隣にいた
私がいては君は一流の小説家になれないわ今は離れて
暮らしましょう。3年後の大晦日に逢いましょう
博多駅前の(博多の女(ひと))の銅像の前で・・・・
あなたは、そう言って僕から去っていった
あなたと過ごした日々
あなただけに恋をしてた歳月
斜めから吹雪がふっかれられるような僕の人生
あなたと出会って細雪にかわりました
あなたに恋をして鉛色の空からお日様が照ってきた
あなたに甘えてかもしれぬ
僕はハッとした3年後の博多の女(ひと)の前では全身
グッチだらけのアイテムであなたに逢う
そんな小説家になろうと決めた
毎年、大晦日は年越しそばを食べていたそばの湯が僕たち
の恋の湯煙りと想っていた
それは間違いである
今年の大晦日の年越しそばよりあなたのそばがいい
昆布だしなのに僕の恋の雫で塩味がした
やぶれそうな恋の魂は泣くように
除夜の鐘が聞こえてくる