診療報酬請求事務能力認定試験の「医科」には市販の過去問が存在しますが、「歯科」は過去問が市販されていません。
ではどうやって対策するのか……?
過去の出題は、医療事務員には「青本」でお馴染みの「社会保険研究所」より発行されている『社会保険旬報』に掲載されています。
こちらは月3回の発行で、バックナンバーは1冊1100円+送料550円、直近1年分まで購入可能です。
これだと1年以上前の過去問は入手不可。2回分しか手に入りません。
これではとても足りませんし、過去問以外の情報も載っている雑誌を丸々購入するわけですから、無駄も多いです。
そ・こ・で。
「国立国会図書館」を利用します。
こちらですね、納本制度というものがありまして、原則として全ての出版物が納本の対象になっております(実際には全てあるわけではないですが)。
もちろん『社会保険旬報』もあります。
流石国立図書館、国民の味方!
知識と文化の享受は我々の権利であるわけですから、存分に活用すべきです。
国会議事堂のそばにありますので、お近くにお住まいであれば直接行くのが手っ取り早いと思いますが、遠方であれば遠隔複写サービス(有償)を利用します。
具体的な利用方法は、下記ブログを参考にどうぞ。
上記記事に記載されていない点について少し補足します。
遠隔複写サービスを利用するためには「利用者登録」が必要となりますが、これには「簡易登録」と「本登録」があります。
「本登録」には本人確認書類が必須となりますが、遠隔複写を利用するだけなら「簡易登録」で十分です。
メールアドレスと氏名、住所、電話番号が必要です。
探すのは「診療報酬請求事務能力認定試験」の「歯科」です。それぞれ「学科」と「実技」の両方が必要です。
間違って「医科」を選ばないように。また「学科」と「実技」は別々にあるので、依頼が抜けないようにしましょう。
元の雑誌が白黒なので、「すべてモノクロ複写」でよいです。
B4サイズ白黒で1枚あたり25円となります。
それとは別に、事務手数料250円と、送料(実費。発送方法は急ぎか普通か以外は指定できない)が、依頼の都度かかります。
梱包方法については、私は折らずに発送を選択しましたが、1枚に見開き2ページがコピーされるので、二つ折りを選択しても多分問題ないと思います。
「利用中」表示の場合は、現在貸出中ですので複写依頼できません。
依頼不可能なページがカートに入っていた場合は、申込完了時に自動的に却下されます。複写可能なページのみ依頼が確定し、できなかった分はそのままカートに残ります。
「利用できないページが含まれています」などの警告は出ず、即確定してしまうので要注意!
この場合は返却後に改めて複写依頼をすることになります。予約はできません。
なお、発送元は「東京本館」と「関西館」が選択できます。
東京本館では利用中でも、関西館では申込可能かもしれません。逆も然り。
料金は後払いです。実際の請求金額は手元に届くまで分かりません。
送付されてきた書類にコンビニ払込用の用紙が同封されてきます。
支払期限は特に記載されていませんが、早めに支払いましょう。前回の支払が完了しないと、次の複写依頼を受け付けてくれないと思います。
他のブログには数日で手元に届くとありますが、こちらは複写作業完了までに2週間以上かかり、そこからの発送となりました。
手元に届くまでに20日かかりましたので、とにかく今入手可能な分からさっさと手に入れてしまうのが吉です。
問題の形式が分からないことには手の打ちようがありませんからね……
何回分複写するかは悩みどころです。
医科の場合は、医学通信社から『受験対策と予想問題集』という本が出版されておりまして、過去問直近5回分+オリジナル予想問題学科50問・実技4問が収録されています。
私個人としては、問題量としては医科と同等、あるいは、歯科には入院がない分医科より少なくても良いのではないかと思っておりまして……
遡るのは2改定前までで十分じゃないかな、と思っています。2つ前の偶数年以降から入手すれば良いのではないでしょうか。
ただし、2020年7月に実施されるはずであった「第52回」は、試験自体が中止となっため、過去問は存在しません。
というわけで、2020年12月の「第53回」から、今年7月の「第60回」(解答解説の掲載は恐らく9月以降)まで。これで全8回分になります。
コロナ禍以降の診療報酬改定は変更点が多く、点数改正だけに留まっていませんので、あまり古いものを使わない方がいいように思います。
記事を書いていて思ったのですが、検定廃止の理由の1つに、最近の改定は変化が大きく、問題作成が困難になっていることもあるのかもしれませんね……