【スピンオフ】にんしき。⑦ | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

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superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


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「ほら。これで冷やしとけ。」
差し出されて冷凍のビーンズ袋を受け取り後頭部に当てがった。

「冷て!」
その冷たさに思わず首をすくめる。

食堂のテーブルにそのまま突っ伏す。
ヒチョルさんが厨房から持ってきてくれた
冷凍ビーンズが袋の中でカラカラ音を立てながら頭にフィットした。

しこたまぶつけた後頭部を知ってか知らずか
ヒチョルさんがいつもの調子で一発叩いた。

頭の先からつま先まで200Vくらったかのようで
断末魔かのような叫び声をあげてしまった。

俺は隣に座ったヒチョルさんを横目でジロッと見つめた。

「そんな顔で見るなよ。悪かったって。
でも知らなかったんだからしょうがないだろ?」

そう言いながら内ポケットから櫛を取り出し
それで髪を梳き髪型を整えまた櫛をしまった。
その一連に動作の美しさに遠巻きに見ていた
所内の女子職員たちが羨望の眼差しで見つめる。
その中には俺がいたせなかったあの子もいた。

あぁ…この人ってほんとに…
絶対悪いって思ってない。
無駄だとわかってるからあえてそれは口にしなかった。

ヒチョルさんはそのルックスとスタイルで
署内でも一目置かれる存在だった。

本来は署内をこうやって堂々と歩ける立場の人ではない。
なんせこの警察署の署員ではないからだ。
ヒチョルさんは事件解決に必要だと判断されたときにだけ
署からの依頼を受けオブザーバーとして現れる。

今日も目に鮮やかなラベンダー色のスーツの上下に
さりげないカットソーのインナーを合わせただけのスタイルなのに
それだけなのに抜群にかっこいい。
というか美しい。

それを自分でもわかってるいてそれを売りにもしている。
もちろん実力も持ち合わせてるというから
神様も随分けったいなかわいがり方だと兼がね思っていた。
そしてそんな人がなぜか俺を甘やかすからおかしなもんだ。

「別に怒ってませんよ…いてててて…」
額をテーブルにつけ突っ伏しはぁ…とため息をついた。

あいつが現れたからだ。
あいつが現れてから歯車が狂ってやることなすこと…

くっそー

そんなあいつの姿が頭から離れない。
あいつの唇と舌の感触がまだ残っている。
さっきのキスが忘れられな…
いや、あの数ヶ月前のあの夜が忘れられない。

頭の中をあいつの姿が…
何一つ身にまとってない姿がぐるぐると周り続けている。

あぁ…
またあの腕の中で宙を漂う感覚に浸りた…

え?
いや、違う。
何考えてんだよ俺。
またなんて…そんなことありえないだろ!

あぁぁぁぁぁぁぁぁ~
あまりの自分のとっちらかりに本気で自分が心配になってきた。
しばらく休暇を取れるか部長に聞いてみようかと
本気で思い始めた。

「おい。キュヒョン。」
「おい!」

「え?なんですか?」

しつこく呼ばれたので仕方なく顔を上げると
そこにいたのはウニョクだった。

「何やってんだよ。部長が探してるぞ。」

「部長が?」

「お前が見つからないって俺がなんで怒られんだよ。
でもよかった。ヒチョルさんと一緒だったっていえばきっと部長も…」

「あぁ。俺の名前出しとけ。」

「えぇ。遠慮なくそうさせていただきますよ。」
そう言いながらウニョクとヒチョルさんはハイタッチをした。

「それよりも、なぁ…お前知ってるか?」

「何を?」

「近々なんか大きな組織編成があるって話。」

「ふーん。なんだそれ。」

小声だったウニョクの声がもっと小声になった。

「なんかもっぱらの噂で今日明日にでも何か発表があるだろうって
みんなが仕切りに噂してる。かなりの大物がやってくるって噂だ。」

「そうなんだ。まぁ上の考えることはよくわかんないし
俺にはどうせ関係ない話しだから…」

「お前なぁ~…ほんっとどうしたんだよ。
今までのお前なら今の話聞いてジッとなんてしてなかったぞ」

「……別に」

「女とできなかったことぐらいでそんな落ち込むなよ!」

「ちょ、ヒョ、ヒョク!」

ヒチョルさんがヒューと口笛を吹く。

「いい女今度紹介するから。今度こそばっちり決めればいいんだ!」

「…別に必要な…」

「あっ!またあいつ…ったく~あぁ…
悪いな。自分でちゃんと部長の所行ってくれ
俺ちょっと行ってくるんで…ドンへ!おいドンへ!」

俺の肩を2回ポンポンと叩いてウニョクは行ってしまった。
目でその姿を追うと自動販売機の前で小銭をぶちまけて
ヘラヘラと笑うドンへさんが目に入った。

…相変わらず世話焼きだな

しばらくそんな二人を見つめる。
甲斐甲斐しくドンへさんの面倒を見るウニョクと
そんなウニョクを全面信頼してるかの様に見えるドンへさん。

あの二人を見てると親友というよりも
こうもっとしっくりする言葉があるような…
バディ。
そう、お互いを全面信頼して身を預け合う
バディ…

う~ん…

実は本当はそれよりももっと親密な何かがあるようにしかおもえなかった。

パートナー。

そう。パートナー。

そん言葉がぴたりなような気がした

「あいつら相変わらず仲いいなぁ~」

「え?あぁ…ですよね。」

「あれじゃ、付き合ってんのバレバレじゃねーか。」

「えぇそうですね…え?」
俺は思わずヒチョルさんの顔をまじまじと見た。
ヒチョルさんは今何を言ったんだ?

「なんだよその顔。お前だって知ってんだろ?」

「何を?」

「何をって、あいつらが付き合ってるって…
お前…マジか?」

「…何が?」

「お前、本当にしらねぇのか?」

「だから何について?」

「あいつらができてるってことだよ。」

「…パードン?」

あまりにもびっくりしてそれしか言葉が出てこなかった。

「お前アホなのか?」

「…パードン?」

「あいつら見ててそんなこともわかんねぇのかよ」

え?
何をわかれと?
あのふたりが仲いいのはわかってますが?

「…パードン?」

「あぁ、ほら見てみろよ。あいつらの顔。
今にもあそこでおっぱじめそうな…」

「あ、あのヒチョルさん。あのふたりがそんな…」

「っていうか、お前とリョウクだってやってんだろ?」

「……」
今なんて言った?

「なのになんでお前らは女とやる事ばっかり考えてんだ?」

俺とリョウクがなんだって?
やってる?
何を?

「…誰がそんなことを」

「え?リョウクに決まってんだろ。」

「え?リョウクが?」

「あぁ。いつも裸で寝てるって。お前もそこで一緒に寝てるって」

「はい?」

「お前、いびきうるせーんだってな。」
ヒチョル先生がそういうとカラカラと笑った。

「パ、パードン?」
それは思いっきり誤解だと否定しようとしたときだった。

「あぁ~いた~!!」
リョウクの声だった。

「ちょっとぉ~なんなのさっきの~?どうなってるの~???」
そう言いながら俺の方に駆け寄ってきた。

俺は椅子をガタッとならしながら立ち上がり
失礼しますと行って立ち去ろうとした。

が。
”待てって。”と言われヒチョルさんに手首をがっちりと掴まれた。

「ねぇ。どういうこと?!」
息を弾ませたリョウクが反対の手を掴んで俺を引っ張った。

なに?
これなに?
何の罰ゲーム???

「パ、パードン?」

そう言ったっきり途方に暮れる俺の目に
ゆっくりと近づいてくるあいつの姿が入るまでに
そう時間がかからなかった。

休暇を取ろう…
うん。
絶対休暇が必要だ。

まずは厄払い。
うん。
厄払いにいってこよう。

俺は心の中でそう誓った。





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ヒニムは絶対条件