【短】 とらいあんぐる。⑤ | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

ウォンキュ☆ひたすら妄想~

superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


twitter→@won_kyu7





「で、そいつはシウォンの事知ってたんだな?」
ヒチョルが眼光鋭く、ウニョクを見ながらそう言った。

「うんうん。そう。そうなんだよ!俺、心臓止まるかと思った。」
ウニョクは病院を出た後、いつもの店に立ち寄った。

そこにはイトゥクとヒチョルとリョウクがウニョクを待っていた。

例のキュヒョンにご執心なVIPがドッグに入ると分かってから、
シウォンの反応を懸念して、みんなで集まってウニョクをまっていた。

まぁ、みんなシウォンの反応の報告を軽い気持ちで
面白半分に待ち構えていた。

ただ、現れたウニョクの口からは思ってもみない言葉が飛び出した。

「俺さぁ、叫びださなかったの成長したなぁ~って思う。」
イトゥクに頭をいい子いい子されながらうんうんと頷き、
ウニョクは冷たいビールを流し込んだ。

「え?どういうこと?そのダニエルさんってシウォン先生と
どんな関係なの?」

「いや、俺もわかんないよリョウク。」

「えぇ~そこ肝心じゃん!」
リョウクがウニョクにおしぼりを投げた。

「俺だって知りたいよ!”いやぁ~お知り合いだったんっすか~お二人さん!!”
って言いたかったけど、そんな雰囲気じゃないんだよ。とにかく。」

「キュヒョンはどうだったんだ?」
イトゥクがキュヒョンの反応を聞く。

「いやぁ~あいつクールさにもいつもながらびっくりだったよ。
ダニエルさんの攻撃もうまくかわしてたし…」

「でもそれはそのダニエルってやつと、シウォンが知り合いだと知る前だろ?」

「あぁ~、うん。まぁ、そうだけど。」

「で、結局シウォンはどうしたんだよ。」
ヒチョルが顎を上げながら聞く。

「いや、そのまま戻ってこなかったから先に上がったんで…」

「ばっか、お前そこ大事だろ!キュヒョンはどうしたんだよ。」

「え?とりあえず大丈夫だっていうから別れたんだけど…」

「ばっか。そういう時は連れてこいよ!」

「えぇ~だって。」

「ヒョクのば~か…」
そう言ってリョウクはふふふと笑った。

「ねぇ、トゥギとヒチョル先生。二人はシウォン先生の事
いつごろから知ってるの?」

「いつごろかなぁ~。
もう結構大人になってからの付き合いだからなぁ、俺は。」
ヒチョルが頭を捻る。

「そうだな。あいつは子供のころのことはあまり話さないからな…
あんまり聞いたことなよな。」
イトゥクも遠くを見名がrあ記憶を辿った。

「ましてや、ダニエルなんて名前出て来てねぇし。」
イトゥクとヒチョルは2人してシウォン先生の子供のころの事は
知らないという。


沈黙が流れる。
皆それぞれに二人を思いやっていた。

「大丈夫かな…キュヒョン…」
リョウクがテーブルの上に置いた腕の上に顎を乗せ
ビールの泡を見つめながらつぶやいた。

「ん…俺たちシウォンの慌てっぷりをからかってやろうって
思ってただけなのにな…こういう展開って…」
イトゥクがグラスを傾けながらボソッと言う。

「あぁ~めんどくせぇ~なぁ~あいつら」
そう顔をしかめながら吐き捨てると、ヒチョルがウニョクの頭を小突いた。







「元気でいたか?」
シウォンの前におかれたグラスにワインが注がれる。
その白い液体を見つめながら”えぇ”とだけシウォンは答えた。

そして記憶が13歳のころの自分にフラッシュバックしていた。

ヒョン!
ヒョン!

あの頃のシウォンは今、目の前にいるこの男を本当に心から慕っていた。

目の前にいる男がシウォンの家に現れた夏、
サマーバケーションの間、シウォンはこの男の後について回り離れなかった。

また男もシウォンを本当の弟と思いかわいがった。

そしてある日義兄弟の契りを交わした。
それは子供だったシウォンにとってもっともドラマチックな瞬間だった。

この男のようになりたいと思った。

あの頃のシウォンの家は上向いてはいたが
今のような押しも押されぬ大企業と言うわけではなかった。
今思えば何らかの事業提携のため、この男は家族共々
シウォンの生活空間に入り込んできていたのだろう。

「シウォナ…本当に立派になって。
あのころはまだ手足ばっかりヒョロっと長くて
大きな瞳をくりくりさせて…
俺の後を一生懸命ついてきて…」

『……』
シウォン無言でグラスの液体を流し込む。

「ほら、あれ。鹿の子が出てくる…
そう!あれだ、仔鹿のバンビ。
あの、バンビみたいだった。
好奇心旺盛で、純真で…」

目の前に料理が並び始める。

「さぁ、いただこうか…」

『いぇ、約束があるので。』
シウォンはさっきから震えるiphoneの表示を見ながら答えた。

「そう?
でもせっかくこうして再開できたんだから、
少しは付き合ったくれてもいいだろ?」
そう言って笑みを浮かべシウォン真っ直ぐ見つめた。

…シウォナ!
ほら、こっちだシウォナ!

その笑みは昔のままだった。
シウォンはiphoneの電源を落とした。

「シウォナが私の話を忘れずにいてくれたのがうれしいよ。」

『え?』

「私の叶うことのない夢をシウォナがちゃんと叶えてくれた。」

…やっぱりお見通しだ

「医者になりたいって言う私の夢を覚えていてくれたんだね。
僕がかわりに医者になってあげるからって、そう言ってくれた。」

『そんなことありましたっけ?』
素っ気なく言ったつもりだが、声が震える。
この男がそんな話をしたことを覚えていたなんて…

シウォンは小さく切り分けた料理を機械的に口へ運んだ。
何を食べているか味なんてわからなかった。
ただただ咀嚼を繰り返すのみだった。


2人の別れは突然だった。

毎日のようにシウォンを抱きしめ、頭を撫で、頬にキスをし、
一緒のベットで仔犬がじゃれ合うように過ごし、寄り添って眠った。
その夜もシウォンはいつもと同じで遊び疲れて眠りについた。


…ヒョンおやすみなさい。明日はプールに行こうね。


次の朝。
シウォンが目覚めたとき、ダニエルはいなかった。
そしてそれきりだった。

シウォンには何も知らされていなかった。
そして今日までふたりは会う事はなかった。





『あなたがいなくなった。』
「ん?」
『あなたが俺を必要としなくなった。』
「シウォナ?」
『あんたが俺を手放したんだ。』
「……」
『ただそれだけ。それだけでしょ。』
「シウォナ…それは…」
『もうよしましょう。遠い昔のことだ。
私たちはそれぞれうまくやってる。他に何が?』

シウォンはグラスを手に取り半分以上残っていた
ワインを一気に飲み干した。

ダニエルは何も言わず皿の料理を刻んでいた。

…ヒョンに嫌われたんだ。
…ヒョンを怒らせたんだ。
…俺がいい子じゃなかったからヒョンは怒っていなくなったんだ。

シウォンは部屋から一歩も出ず、ベットの上で膝を抱えて自問自答していた
自分の姿を思い出していた。
胃がキリキリ痛む。



「君に似てたんだ。」

『え?なに?』
現実に戻されもう一度聞いた。

「キュヒョン君はね、あの頃の君に似てたんだ。」

あまりにも不意をつかれてシウォンの思考が停止した。

キュヒョンがなんだって?

「あのクールさがどこから来るのか大変興味があってね…」

『キュヒョ…ナ…ンくんですか?』

「そう。そのくせあのクールさの下に隠された本当の姿は…
称賛に値する。」

『……』
グラスを持つ手に力が入る。

「あの傷。あの胸の傷が彼の肌に映えて、
より一層彼の魅力につながってるって、
本人は知ってるんだろうか…」
真っ直ぐシウォンを見つめる眼は妖しい光を放っていた。

『胸の…傷…なぜそれを?
他人には絶対みせたがらないのに…』
シウォンの心臓の鼓動が激しくなっていく。

「え? この目で見たからだよ。」

『え?見たって、何を?え?傷を?どうして?』
シウォンが身を乗り出す。

「それはちょっとここでは…」
事情を察してほしいとばかりにダニエルは肩を竦めた。

「なのに今日。
一年ぶりに会った彼は去年とまったく
違う雰囲気をまとっていた。
こう、男の色香というか…
大変興味深い。とにかく彼はすばらしい。」

真っ直ぐシウォンを見つめ、ダニエルはグラスを高々と掲げた。





シウォンは小さくパニックを起こしていた。
あの後何を話し、どのように挨拶を交わしあの部屋を出てきたのか。

最後に握手を求められ、ハグされた時も
そんなことはどうでもよくキュヒョンの事しか頭になかった。

あの二人にいったい何があったって言うんだ!


とりあえず早く帰らなくては。
そしてキュヒョンと話をしなくては…

シウォンは病院から出てiphoneの電源を入れたところで着信が入った。

「あぁ~先生!!やっとつながった~」
今にも泣きだしそうなナースからの電話だった。

今すぐERへ行くようにと悲鳴に近い声で支持された。
多重衝突事故でERがパニックになっていると。

電話を切ってうな垂れたシウォンは
腰に手を当て天を仰ぎ”あぁッ!!”っとひと吠えして
病院の中へと戻っていった。







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いつもありがとうございます。

どうも分けてアプするのが苦手なガブ☆です。
今回も2回に分けてアプする予定でしたが、
一気に…やりたくなってしまいました。

長いの苦手な方すみません(;´▽`A``

どうか諦めてお付き合いくださればと思います。


(-"-;A ...