珍しく穏やかな病棟だった。
キュヒョンとウニョクはナースステーションの
連絡掲示板の前で、貼り出された知らせを見ていた。
「あぁ~、もうそんな時期かぁ~」
「だね…わざわざ来なくてもいいのに。」
「お前がそれ言う。」
「え~?」
「お前がいるから来るんじゃん。」
「かなぁ…」
「んなの決まってるだろ?」
「かなぁ…」
「あの写真見た?」
「うん…」
「資料写真にあれ提供してくるって…」
「びっくりだよね。」
「誰アピールだよ。あっ、お前か。」
「…ヒョク。殴るよ。」
「おれさぁ、シウォン先生の上行ってると思うんだよ。」
「え?」
「先生もすごいけど、その上をいくな。」
「……」
「世の中上には上がいるんだなぁ…」
「なんの話だよ。」
「お前さ、すげーな。」
「なにが…」
「だって、二人とも…」
「ヒョク。本当に殴るよ」
「大丈夫かなぁ…先生。」
「あぁ~…」
「大丈夫…なわけないよな~」
「それ言う。」
「あぁ。言う。」
「はぁ…」
「でも、俺、なんか…」
「ヒョク。それ以上言ったら…」
「…楽しくなってきた。」
ペシン!!
キュヒョンは持っていた書類でヒョクの頭をはたいた。
「いてっ!」
「あぁ、俺、休暇取ろうかな…」
「ばーか。
そんなのOK出るわけないだろ?」
「だよね…」
「わかってて言うなよ。」
「うん…」
「先生に言う?」
「ううん。
別にわざわざ言うことじゃないし。」
「かな…」
「うん。」
「でもさ、キュヒョン…あれ?」
ウニョクが横を見るとキュヒョンはそこにおらず、
ラウンドの用意を始めていた。
「おいキュヒョン!待てよ!」
…そうは言っても、何にもないわけないよな…
どうせ俺、又巻き込まれるんだろうな…
そんなことを思いながらウニョクは大きなため息をついた。
「あら、どうしたの?ウニョクさん。」
「あっ師長!お疲れ様です。」
「大きなため息ついちゃって…って
まぁ、気持ちわからないでもないけれども。」
「はい。これ…またこれなんっすね。」
「言いたいことはわかるは。
毎回いろいろあるけど、今回はねぇ~特に…」
「でしょ?師長ならわかってくれますよね。俺の心配。」
「あなたも大変ねいろいろ。」
「しちょー!!師長だけですよーわかってくれるの。」
そう言ってウニョクは師長の肩にコテッと額をつけて
甘えて見せる。
「ほらほら。しっかりない。あなただけが頼りよ。」
「またまた~そんなプレッシャーかけないでよぉ~」
ウニョクは顔をくちゃくちゃにしておどけて見せた。
「あっ、そうだ。師長。おめでとうございます。」
「え?」
「ほら、なんか無事に収まるとこに収まったとか…
おじさんが言ってた。」
「あぁ~。ね…まさかこの年になってこうなるなんてね。」
「でもリョウクは一緒じゃないんでしょ?」
「あぁ、あの子はほら。例の方が…」
師長がイェソン先生のことを笑いながら揶揄した。
「すごいなぁ師長。それ認めちゃうんだから。
院長は?大丈夫なんですか?」
「自分の二の舞にならない様に好きにすればいいって言ってね…」
「ふ~ん。」
「あの人なりの思いみたいよ。ふふふ…」
「なんかいいなぁ~そっちはほっこりしちゃって。
あぁ~俺、なんか本当に気が重いっすよ。」
「大丈夫。あなたなら。
もうそろそろ打ち合わせも終わるころでしょうし
シウォン先生、戻ってくるから。よろしくね。」
「あぁ~何事もありませんように!って
祈るばかりですよ。まったく。」
「頑張って。じゃ、頼むわね。」
師長がそう言ってウニョクの背中をポン!と叩いた。
おはようございます。
おつかれさまです。
静かだった病棟がざわつき始めた。
シウォンが来たようだ。
…あぁ~やっぱり
ウニョクは病棟に現れたシウォンの顔を見て
今までかつてこれ以上ないってほど大きなため息をついた。
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えっと…
テーマは…
三角
見切り発車。
ひぇぇぇー
Σ(゜o゜C=(__;バキッ