【短】 だけのもの。⑤ | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

ウォンキュ☆ひたすら妄想~

superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


twitter→@won_kyu7



side:siwon


もうどれだけこうしているかわからない。
時間感覚なんてとっくになくなっていた。

本来医者である立場上、時間との闘いは避けて通れない。
一分一秒、いや0.何秒の差で助かる命と助からない命が存在する。

そんな時間軸の中で毎日過ごしているので
時間の使い方がわからなくなっている。

時間間隔がなくなるなんてそんなことは
こうしてキュヒョンと過ごすようになってからだ。
でもキュヒョンと過ごす時間だけは永遠と信じたい。
いや、信じてる。

俺に身を預け、腕の中で規則正しい寝息を立てている
キュヒョンの顔をもうどれだけこうして見つめているんだろ。


キュヒョンの右目のすぐ下のほくろを親指の腹でそっと撫でる。
このほくろがキュヒョンの魅力をさらに引き立てる。

お前はそれを知ってるか?
みんなお前と顔を合わすとき、このほくろに心が弾むのを。
そう心で問い書けながら苦笑いした。

空が白み始めたころカーテンの隙間から差し込む日は
天から送られた祝福の光だと感じた。
その光を背にキュヒョンが天使の羽を広げていた。

きれいだ。

その一言に尽きる。
病気だな。
我ながら呆れる。

キュヒョンの胸の傷にそっと触れる。
俺が付けた傷跡。
あの時、あの場に俺がいなかったら…
こうして腕の中に抱くことはなかった。

神の元へ帰る。

そんな祝福を俺が邪魔をした。
俺が現世にとどめた。
それはキュヒョンにとって良かったのか悪かったのか。
自問自答に苦しむ時もある。

でもそれすら神からの祝福。
神はキュヒョンが俺の元に残ることを許したもうた。

キュヒョンをこれからも守り抜くこと。
それが神が俺に課した祝福。

俺はキュヒョンだけの存在。
そしてキュヒョンは俺だけのもの。

神よ…




思わず腕に力が入りキュヒョンを強く抱きしめてしまった。

その羽を広げ、神の元に帰らない様に…

ん…

強く抱きしめたせいかキュヒョンが身じろぐ。
よしよし…と子供をあやすかのようにキュヒョンの肩をトントンとした。

キュヒョンの手を取り、指に嵌められた指輪にキスをする。
そして自分の指輪にもキス。
キュヒョンの額の赤い痕にもキス…

そして目を閉じ眠りについた。



side:kyuhyun


ん…重い…
体が動かない…
あれ?足も動かない…

あぁ…そっか…
ん…
どうしよう…

ヒョン…
ねぇ、シウォナ…

あれ?声もでない…

『おはよう。起きたか?』
ヒョンの声が、心地良い声が聞こえた。

あぁ~そうか…
ヒョンのせいだ…

「ん…何時?」
散々哭かされたので掠れた声しか出ない。
そしてもう昼近い時間になると聞いてびっくりした。

俺、いったいどんだけ…

”起きれるか?風呂入るか?お腹すいてないか?”
ヒョンが矢継ぎ早になんか言ってくるが何が何だかわからない。

ん?
何?

やっとの思いでヒョンの方を向き抱きついた。

「ヒョン、動けない…」
『あぁ~それは…』
「ヒョン…」
『ん?』
「もうしない…」
『ん。そうか…』
「ヒョン」
『ん?』
「ほんとだから…」
『もうしないんでしょ?』
「うん。そう…」
『そっか…わかった』
「わかった?」
『うん。』
「え?ヒョンはそれで…」
『残念だけどキュヒョンがそう言うんじゃ…』
「え…あ…うん…」
『ん?どうした?』
「ううん…別に…」

拍子抜けした。
いつもは”もうしない”って言うと必死になって
俺を説得するのに…

あれ?

規則正しいヒョンの心臓の鼓動を感じていたが
しばらくして不安になって思わず自分から口を開いた。

「あのさ…ずっとってわけじゃ…」

するとヒョンがクスクスと肩を震わし笑った。
そして片肘をついて起き上がり、俺を見下ろした。

…しまった

「ずるい…」
そういう俺に眉をキュってあげ、
肩をヒョって竦めて手をひらひらさせた。

ヒョンはそのまま俺の髪にキスをすると
ベットから出て、グーッと大きく伸びをした。
そのスレンダーな綺麗な肢体に
また心ときめく。

ヒョンは振り返り
『さぁ、お風呂に入ろう。』
と言って俺に笑いかけた。




side:siwon


拗ねるキュヒョンをなだめすかしながら抱き上げ、風呂まで運んだ。

キュヒョンは本当に手足に力が入らないようで
だらんと垂らしたままだったが口は回るようだった。

ずっと俺に”ずるい”とか”嫌いだ”とか”パボ”とか
ガラガラの声で思いつく限りの悪態をついている。
その必死さが可愛くてますます俺の顔がにやける。

湯船にそっと下ろすとキュヒョンがそのまま湯の中にブクブクと沈んだ。

『お、おいっ!キュヒョン!』
俺は慌てて両手を湯船に入れてキュヒョンを救い上げようとした。
するといきなり首を掴まれ湯の中へそのまま引き込まれた。

ビックリしてもがく俺をキュヒョンがなおも抑え込んではなさない。
だんだん息が苦しくなってきて…
もう限界!!
と思ったとたん不意に首が軽くなった。

ぶわっ!
はっ、はっ、はっ…
げほげほげほ…

必死にお湯の中から顔を出し肺に空気を送りこむ。

『キュ、キュヒョ…げほげほげほ…なにす…げほげほげほ…』
湯船の中で正座して呼吸を整える俺をみて
キュヒョンがケタケタと笑う。

「ヒョンの顔ったら!」
「おかえしだよ。」
と、瞳をキラキラさせて喜ぶキュヒョンを見て思わず自分も笑ってしまう。

結局俺はこのキュヒョンの笑みにかなわない。
この笑みが未来永劫俺に注がれますように…

キュヒョンの顔を両手で包みチュッとその唇にキスをした。






俺に身を預け寄りかかるキュヒョンの体の
重さを感じながらその体を隅々まで洗う。

「ねぇ、なんでそんなに体鍛えるの?」
スポンジに湯をたっぷり含ませキュヒョンの首筋を
スーッと撫でているとそんなことを聞いてきた。

『ん?』

「もう十分なのに…そんなにみんなに見せたい?」

『え?』

「鍛えた体見せてみんなを喜ばせたい?」
キュヒョンは湯の中で手のひらをひらひらさせていた。

『キュヒョン?本気でそんなこと思ってるの?』
俺はキュヒョンの顔を覗き込んだ。

「え、だって…」
口を尖らせながら口ごもるキュヒョン。
そんなキュヒョンをギュッと抱きしめる。

『本当にお前は…どうしてそう…』
赤く染まる耳朶にキスをする。

「え?違うの?じゃぁ…」
俺はキュヒョンの手をとり、一本ずつ指を折りながら話した。

『あのな。キュヒョン。キュヒョンはワイン好きだろ?』
親指を曲げる。

「うん。」

『食べるのも好きだろ?』
人差し指を曲げる。

「うん。おいしいもの好き。」

『ゲーム好きだろ?』
中指を曲げる。

「もちろん。」

そしてそのほかいろいろとくすり指と小指を曲げた。

『それ、減らせる?』
そのグーになった手を包み込みながら聞く。

「あっ…えっと、それは…」

『ん?減らせるのか?』

「いや、その…そうしようと努力はしてる。」

『でもやめられないだろ?』

「うん…特にワインは。ミーミのホテルの件もあるし…」

『だろ?だから鍛えてる。』

「なんだそれ。
それとこれとなんの関係があるんだよ。」

『キュヒョンが食べたり飲んだりして嬉しそうにしてるのを
眺めてるのが好きだし、満足そうに笑ってるキュヒョンが好きだ。』

「なんだよそれ…」

『キュヒョンがうれしければ俺もうれしい。だから鍛える。』

「…ヒョン」

『ん?』

「そんなこと言って…
シンドンヒョンみたいになっちゃったらどうする?」

『ふふふ…トレーニングを3倍にする』

「3倍?!」

『そう。この前抱きかかえたとき、ちょっとふらついたから
2倍にした。だから今度は3倍にして…』

「ちょ、ちょ、ちょ、そんな無理したら…」

『無理じゃないよ。ただ、なかなか時間がな…』

「…俺、気を付ける」

『ん?だからキュヒョンはそのままでいいんだって。』

「どんだけだよそれ。」

『気になるなら食べたいだけ食べて、飲みたいだけ飲んで
一緒にトレーニングする?』

「しない。苦手なの知ってるじゃん。」

『じゃぁ…何かふたりで楽しくできること…
そうだ。もっと増やそうか…ベットの中の運動…
ほら、こう…上になったり下になったり…くんずほぐれず…
一番効くかもよ…』
俺はキュヒョンの耳に口を寄せてそう囁いた。

「ヒョ、ヒョン!!」

びっくりした顔で俺の顔を振り返るキュヒョンの瞳が潤むのを
見逃さなかった。

あぁ~かわいい。
本当にかわいい。

「へ、変なこと言わないでよ…」
湯にあたり紅く染まった頬がもっと紅潮した。



それからゆっくり二人でいろいろ話した。
本当に他愛もない話しをたくさんした。
新しいゲームのことも本当に楽しそうに話してくれる。
何を言ってるかわからないところもあるが、
それはそれで楽しい。

満足行く時間が流れる。



「息、止りそうだたったんだって?ヒョクに聞いた。」
キュヒョンがその話題を口にした。

『ん?あぁ~あれか…ふふ…確かに止まりそうだったな』
昼間の病棟での出来事を思い出しながら思わず笑った。
俺の裸を見て息をするのも忘れるほど驚いていたナースを思い出した。

「だよね。裸のヒョンを目の前で見たら…息止まるよね。」
『ん~そうかな…』
「そうだよ…あの子もびっくりしただろうね。」
俺は肩を竦めおどけた顔をして見せた。

「それ痛い?」
『これ?』
「ごめん…つい…」
キュヒョンが振り向いて俺の肩越しに覗き込んだ。

『ちょっとしみたけどけど…大丈夫。』
「ほんと?」
『俺がキュヒョンだけのものだっていう刻印(しるし)でしょ?これ。』
「う、うん…」
『俺だって…キュヒョンが俺だけのものだって刻印(しるし)いっぱいつけた。』
俺はそう言いながらキュヒョンの鎖骨の下に口づけまた痕を残した。

「あ…」
キュヒョンが頬を染め目をキュッと細める。



『なぁ、俺は誰のもの?』
「…俺の…俺だけのヒョン…だよね?」
『あたり。』

『じゃぁ。キュヒョンは?キュヒョンは誰のもの?』
「…う~ん…えっと~…」
『おい?そこ悩むとこか?』

俺は”ん?”と片眉上げながらキュヒョンに問いかけた。

「う~ん。どうだろ…俺は…」
キュヒョンが俺をそっと見上げた。
俺は目をまん丸くしておどけてキュヒョンを見つめた。


すると”そんなのわかってるだろ!”と言って
上から全体重をかけ湯船に沈めた。
そしてキュヒョンも湯の中にもぐり俺にキスをした。


そこは全く音のない静寂に包まれた世界だった。



ふたりの世界。

ふたりだけの世界。




だけのもの。







end

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とりあえずエンドです。

あまり書き込みすぎると
くどくなる。
書かなさ過ぎても
物足りない。
そんなさじ加減が難しく…

そんなジレンマです。

あんまりふかーく考えず
サラッと読んでいただければ…
←逃げた(;´▽`A``


読んでいただきありがとうございました。
いつもありがとうございます。
ペコリ(o_ _)o))