【短】だけのもの。② | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

ウォンキュ☆ひたすら妄想~

superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


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ガチャ…

そっと開けたつもりだったがシーンとした室内では
かなり大きな音が響いてしまった。

俺は慌てふためいて自分で自分の口に指を当て
ドアに向かってシーっとやって見せた。

カチャ…

そーっとドアを閉めたつもりだったがその音が又響いてしまい
慌ててドアに頭突きをするジェスチャーをした。

そしてそぉーっと振り返り、様子を伺いつつ部屋の中を見回した。

…よかった…起きてない…

ちょっと目をしばしばさせ、暗がりに目が慣れるのを待った。
そして、キュヒョンが先にやすんでいるベットへと忍び足で向かった。

ベットの上に横たわるキュヒョンの影を確認し
様子を伺おうとしてそーっと近寄ると、
キュヒョンはブランケットを頭から被っていて顔が見えなかった。

苦しいだろうに…と顔を出してやろうと
ブランケットに手を伸ばそうとしたら
すっかり寝ていると思っていたキュヒョンが小刻みに震えており、
びっくりして手を引っ込めた。

”え?泣いてる?”

一気に俺の心臓の鼓動が早くなり、変な汗が出てきた。
無意識に指輪に手が行きくるくる意味なく回す。

そんな…
キュヒョンが忍び泣きするような出来事だっのか?
あれは本当に不可抗力だったし…
え?泣いてる?なんで?

そしてしばらくその場に立ちつくして考えた。
が、疲れ切った頭ではいいアイディアなんて浮かばず…

…あぁ~もういい。当たって砕けろってか?

腰に手を当て、一回天を仰ぎ、
ふぅ~と大きく息を吐き、
キュヒョンに声をかけた。

『あぁ~え~っと…キュヒョン…
今日の病棟での出来事は…その、本当に不可効力で…
そんな泣くほどの事じゃ…』
と、しどろもどろで話しかけた。



そう。
今日、病棟でちょっとした騒ぎを起こしてしまった。

患者が急変したと連絡があり、病棟へ駆けつけ処置にあたった。
その時多量の出血があって、衣服を汚した。
お気に入りのBDのシャツだったが仕方ない。
トラウザーズの全面にも血が飛び散り、
そのまま履いてるわけには行かなかった。

俺は着替えのスクラブを持ってきてもらうように頼んで
ナースステーションに戻るとシャツのボタンを3つ外し、
アンダーシャツごと脱ぎ捨てた。

胸元を見ると、案の定肌にも血液が付着していた。

『ウニョクさん。アルコール綿くれるかなぁ…』
脱いだシャツで軽くふき取りながら声をかけると、
”はい、先生。やらかしたね。”と言って手渡された。

…ん?

ふき取る手を止めて顔を上げずに周りの様子を伺った。
ナースステーションはさっきまでの騒々しさとと打って変わって
静寂に包まれていた。

『ヒョク?やらかした…って…一体…なに…を…』

顔を上げた俺は一瞬たじろいた。
そこにいた全員が俺を見ていたからだ。

『え?な、何?』

ドサッ
ガシャン
カラカラカラ…

背後で音がしたので振り返ると戻ってきたナースが
手にもっていたものを床に盛大にぶちまけた。

「先生。いつみても素晴らしいお身体だけど、
ここにいるみんなには刺激が強すぎるよ。
ナースたちの目が釘付けで仕事にならないっての。
早く着てこれ。」

ヒョクがそう言いながら胸に付着した血液を拭いてくれた。
どうやら俺が人前で半裸になったことが原因らしいのだが
どういうことだ?

「ほら、君、息して!」
そう言ってヒョクがすぐ側にいたナースの背中をポンッと叩いた。
すると真っ赤な顔でこちらを見ていた。

「あ~あ…この状況…なんていうかな~キュヒョン」
ヒョクがそんなことを耳打ちしてニカッ!と笑った。

『え?ヒョクいったい何のこと…』
俺は受け取ったスクラブをにぎったまま
”なにがだよ”と両手を広げて肩を竦めた。

「先生。胸筋腹筋はまぁしょうがないけど、
背中の傷…ばっちりみんなに披露しちゃったよ。」

そうヒョクに言われて”え?”っと背中側に首を捻って
確認しようとしたが時はすでに遅く…
俺は慌ててスクラブを身に着けズボンをヒョクの手からひったくり
ナースステーションから慌てて退散した。

その後ろで、そこに居合わせたみんなの
悲鳴とも怒号ともいえない声が一斉に響き渡っていて…

そのあと、噂は尾びれ背びれがついてナースたちの間を駆け巡り、
そこにいなかったはずのキュヒョンから

《ふ~ん…》

とだけメッセージが届いた。
慌てて電話をかけたがもちろん出てくれる訳もなく
俺は残りの仕事をとにかく片付けてしまおうと没頭した。

その間にも、誰からどんな話を聞いたのか恐ろしくて聞けなかったが、
同僚の医師たちからも散々からかわれ今に至るわけで…

ブランケットを被って体を震わすキュヒョンを目の前にして
どうすればいいものかと、かなり焦っている自分に
目の奥がズ~ンと痛くなり、思わず目頭を押さえた。





by siwon



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次はギュの番。
(= ̄∇ ̄=) ニィ