イベント-18- | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

ウォンキュ☆ひたすら妄想~

superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


twitter→@won_kyu7




「お待たせして申し訳ございません。もう少しでお部屋の準備が整います。」
ボーイがそう言って水を置いて行った。
高揚感に喉が渇気を覚えたジョンファは一口ごくり喉に流し込んだ。


「ジョンファさん・・・すみません。水を・・・」

「え?あぁ・・・水かい?ちょっと待って」

思いの他はっきりした口調で水が欲しいと言われジョンファはちょっと焦った。
かなりの時間ここで待っていたので薬の効果が切れ始めてきたのか・・・
ここで意識がクリアになられたらたまったもんじゃない。

ジョンファはポケットから小瓶を取り出しさりげなくグラスの中に数滴落とし
”これでまた数時間は大丈夫だろう・・・”と効果のほどを思い頬を緩ませ
”はい、水だよ”とそのグラスをキュヒョンの口に近づけた。


「ありがとうございます・・・」とキュヒョンが口を近づけたその時


「よー、おふたりさん。偶然だなぁ。」と頭上から声がしたと思ったら、
いきなりそのグラスを誰かが取り上げウニョクに渡した。

ジョンファがあわてて振り返るとそこには見知った顔揃っていた。
一瞬訳が分からずポカーンと口を開けジョンファはヒチョルを
そしてその後ろに立つ面々を見つめた。


 


「な、なに・・・?なん・・・なの・・・?」


「どうした?何をそんなに驚いてるんだ?」
ヒチョルが背後からジョンファの首に腕を回しガッチリ抑え込み耳元で聞いた。


「い、いや、あの、なんで、え?なに?」
ヒチョルの圧倒的な威圧感に制され、ただでさえビックリして
動かなくなった思考が完全に停止していた。


「どうした?なんだよ。声掛けられて、なんかまずい事でもあるのか?」
ヒチョルは回した腕にグッと力を入れた。

 
「え?いや、え?」
思わずその手から逃れようとしたがヒチョルの腕力は
その容姿とは似つかわしくなく、ビクともしなかった。

「なんだ?口パクパクさせて、どうした?お前、金魚かよ。」
”はん”と言いつつジョンファの首から腕を離し、
ジョンファの正面にまわった。

「あの?なに?」

「まぁ、どうでもいいや。それよりも、そいつ。どうした。何か困りごとか?」
ヒチョルはキュヒョンを指差しなが、
向かい側の席にドカリと腰をおろし、
テーブルの上に足を投げ出して座り、手を体の前で組み悠然と構えた。

「い、いえ、何も・・・ちょっと飲みすぎたようなので、その・・・あの・・・」

「ふ~ん。で、そいつ、何飲んだ。」
ヒチョルは目線を逸らさず顎でキュヒョンをクイっと指し、

「ワ、ワインを・・・」

「何杯?」

「はい?」

「だから何杯飲ませたかって聞いてるんだよ。」

「は、はぁ・・・そんなには・・・」

「おい!そこのお前。このテーブルに何杯運んだ?」

「あっ、はい。グラスワイン一杯づつでございます。」
少し離れて事の成り行きを見つめていた新人のボーイは急に振られて驚きはしたが
いたって冷静に答えた。

「そうか。で、こいつはこの有り様か。ふ~ん。」

「はぁ・・・」

「おいヒョク。こいつこんなに酒、弱かったっけか?」
今度はウニョクに問いかけた。


「ううん。ワイン一杯じゃありえない。」
首を振りつつウニョクは答えた。
渡されたグラスを持つ手に力がはいる。

「だよなぁ。俺も見たことね~な。
なぁ、お前はどうしてだと思う?教えてくれよ。」


「・・・・・」


「どうした?お前顔色悪いぞ。汗もそんなにかいて・・・」


「いや、別に・・・なんでも・・・」


「そうか。まぁ、それでも飲んで落ち着けや。」
ジョンファ~目を離すことなく見つめ口角をクイッとあげほくそ笑んだ。


「え?いや、大丈夫なんで。」
ジョンファはウニョクに差し出されたグラスを押し返した。

「遠慮すんなよ。さぁ、飲んで飲んで。」
さりげない様子ではあるが、有無を言わせぬ強さが、あった。

「あ、あの、だから大丈夫なんで・・・」
ジョンファの額に汗が噴き出す。

「ふ~ん。まぁ、そりゃー飲めね~よなぁ。一服盛ってあるんじゃ。」
ヒチョルが確信をツイた。

「な、なにをバカな。皆さんがいらっしゃるなら大丈夫でしょうから、私はこれで失礼・・・」
ジョンファが寄りかかるキュヒョンを押し戻し、立ち上がろうとし、中腰になった。
ヒザが震え、力がはいらないジョンファがよろけた。

「いやいやいや、こいつを介抱してもらったんだから、
お礼ぐらいしなきゃなぁ。なぁ、シウォン。」
シウォンは支えを失ってソファーに沈み込んだキュヒョンに
駆け寄り身体状態をチェックしていた。

「そんな、礼だなんて。とにかく私はこれで・・・「いいから座れ!」」

「お前、何入れた?こいつに何飲ました?」

「いったい、な、何を言ってるんですか、やだなぁ。」

「出せ。さっきの瓶・・・出せ。」

「瓶って。何をいったい・・・」

「お前、ふざけてんのか?
みんな見てたんだよ。お前がこの水に入れてるところ。」

「は、はぁ?」

「このまま警備室に行って、身ぐるみはごうか?
それならそれで俺は構わねぇよ・・・
ちょうど、こいつの身内のここのオーナーも来てるし・・・」
チョウミがインカムで何かを指示している。


「何のことだか・・・」


「・・・お前、ナメてんのか?」
テーブルから足をおろし、身を乗り出したヒチョルが、
ジョンファに詰め寄った。


「いいから出せよ。」
低く冷たいヒチョルの声に観念したのか、ジョンファが震える手で
ポケットから小瓶を取り出した。

シウォンが引っ手繰るようにその小瓶を取り上げ、
ラベルを喰い入るようにみながらキュヒョンの脈をとった。


「大丈夫そうだ。害はになさそうだ。心臓への負担もおそらく最小限だろう。」

シウォンがそう言って汗で額に張り付いたキュヒョンの髪をすいてやった。


その手の心地よさにキュヒョンは
焦点の合わない目でシウォンを見つめ微笑んだ。

 
シウォンはキュヒョンを優しく見つめ、
「キュヒョン・・・さぁ、行こうな。」と抱き上げ歩き出した。


ウニョクがキュヒョンの荷物を持ち後に続いた。