「ちょちょちょ、先生!何してるんですか?」
「えぇ~、なにぃ~?キュヒョンお前も脱いじゃえよ~!」
ドンヘは脱いだシャツを頭上に放り上げると、キュヒョンのシャツに手をかけようとした。
「あっ!ずるいぞーキュヒョン!脱ぐ俺が脱ぐぅ~」
と言ってウニョクがそれを遮り、T シャツを脱ぎ捨て、ドンヘが音楽をかけると、
ウニョクと一緒に踊りだした。
リョウクが”オッパかっこいい~”なんて煽るから2人共テンションが上がり、
どうにもこうにも人の話なんて聞かないのでほっておくことにした。
そんな2人を楽しそうに見ていたリョウクが突然真顔でこちらを向いた。
「ねぇ、キュヒョン・・・あのね・・・」
「ん?なに?」
「あのさ、キュヒョンとシウォン先生って素敵だね。」
「え?いきなりどういうこと?」
「相思相愛っていうかぁ、ベストパートナーっていうかぁ~、
別れてた魂が引き合ったっていうか・・・」
「な、なんの事?それ・・・」
「ねぇ、前にジョンウン先生の所で話してた時、”神様の思し召しって・・・”
って言ってた事覚えてる?」
「あ・・・え・・・それは・・・いや・・・えっと・・・」
「ふふふ、本当はダメなんだろうけど、言っちゃおっかなぁ~きゃっきゃっ!」
「なんだよ・・・気持ち悪いなぁ~」
「ふぁ~、どうしよ!!
あのね、あの日、キュヒョンが来た時の午前中、シウォン先生が突然訪ねてきてね、
ものすごーく悩んでたみたいなんだけど、『”神様の思し召し。”って信じますか?』
って言ってね、で、すごく印象的だったの。」
「ふーん・・・」
「その後来たキュヒョンが。『”神様の思し召し。”って本当にあるんでしょうか。』
ってジョンウンさんに聞いた時、僕すぐわかっちゃった。
あっ、シウォン先生とキュヒョンってお互い惹かれあってるんだ!って」
「そっか・・・あの頃はまだ・・・」
「僕ね、”あぁ、この二人、魂で呼び合ってるんだ!”ってすごく感動しちゃって、
なんか泣けてきちゃってジョンウンさんに笑われちゃったんだ~・・・テヘヘ」
「なんだよ、それ・・・」
キュヒョンは顔を赤らめながら”ん、んん・・・”と咳払いをして慌ててグラスのワインを
のどに流し込んだのでむせ返ってしまった。
「ちょっと、大丈夫?そんなて照れないでよぉ~」
「て、照れてないよ・・・ちょっと咽ただけだよ。」
キュヒョンがしどろもどろになるのを見ながら
「あの日だと思うんだ・・・シウォン先生が心に決めたのって・・・」
「え?」
「ほら~、だって僕たちみたいのって、どんなに愛し合ってたって
結局世間一般的にみたら・・・ね・・・」
リョウクの言ってる事が痛い程わかる・・・
「でもね。シウォン先生はそんな事、世間的なことなんて気にしてなかったんだぁ。
気にしてたのはキュヒョンのこと。
キュヒョンを愛するってことはキュヒョンをそういう世間の荒波に引き込んじゃうじゃない?
だから、そんな事していいのかなって悩んでたみたいで・・・
でもどうしてもキュヒョンを手放せなかったんだねぇ。
先生の決心はかなりの覚悟であの日、決めたんだとおもうんだ~・・・
ふふふ・・・」
ちょっと遠くを見つめながら、誰に言うでもないような独り言のように
ウニョクがしみじみ話してくれた。
「お、、おう・・・」
キュヒョンは突然そんなことを言われて戸惑った顔を見せたが
その顔はピンク色に染まっていた。
「ぜーったい何があっても離れちゃダメなんだからね!」
リョウクはキュヒョンの指にはめられた指輪をそっと撫でながら
目を見つめ満足そうに微笑んだ。
「おい!お前たち、そこで何しんみりしてんだよー!!」
ドンヘが上機嫌で声を掛けてきた。
「そうだよ、一緒に踊ろうぜ!!」
ウニョクもテンションMAXでそのうち全部脱いじゃうんじゃないかって勢いだった。
「オッパ達かっこいぃ~!!」
と言ってリョウクが2人に交互に飛びついて抱っこされたりおんぶされたり・・・
これって、ちょっとヤバくないか?
リョウクって・・・天然?
狙いじゃないよな・・・
あれじゃぁ~イェソン先生が心配するよな・・・確かに・・・
「キュヒョン~愛してるぜいっ!」
そう言いながら抱きついてきたウニョクを軽くかわしながら
バスルームへと逃げ込んだ。
壁一面に張られた大きな鏡を覗き込んだ。
そこにはほろ酔いでピンク色に顔を染める自分がいた。
シウォナ・・・
俺
寂しいみたい・・・