『ヒチョー!!!俺、ほんと、もうダメだー!!!』
キュヒョンとのこれからにとって、とても大事な時間を過ごしていたところへ
無情にもオンコールが掛かった。
不安定に揺れているキュヒョンを残してここ(病院)に出てきた。
医者の本分として当然だし、いつもの事だからそれはそれで・・・
が、昨日はどうしてもキュヒョンと一緒に居たかったのに・・・
あぁ~・・・もぉ~!!!
シウォンは飛び込んだヒチョルの医局のソファーに
崩れるように倒れ込み足をバタバタさせて身悶えながら
押えこんでいた感情を爆発させたところだった。
「おめぇ、この朝っぱらから何言ってん だよ。
俺、寝起きでチョー気分最悪なんだけど。」
『俺だってオンコールで夜中からここで・・・
あぁ、なんだってあの大事なところでこんな・・・
ダメだ・・・もうダメだ!!!
ヒチョ~。
俺、あいついなくなったら・・・
もうダメだ。考えただけで息が止まる!!!』
「あぁー、うぜーうぜーうぜーうぜーうぜーっ!!!
天下の怖いものなしのチェ・シウォンがこのざまか?!
いい加減、自分で何とかしろよ!!」
丸めた白衣をシウォンに力いっぱい投げつけた。
『それが出来たら俺、ここに来てないってわかってるだろ?!
そんな冷たいこと言うなよ!!』
バサリと降ってきた白衣を丸め込み投げかえした。
「で、話したのか、昨日・・・」
『・・・あぁ、話した。』
「あいつ、なんて・・・」
『なーんにも言わないんだよ。
何にも。
なじるとか、泣くとか、喚くとか・・・一切なくて・・・
ジーと俺の目を見つめて来るんだよ・・・』
「うわっ!きっつ・・・」
『あぁ。』
「なぁ、俺らの事・・・」
『・・・言ってないよ。』
「・・・だよな。」
『それだけは・・・
約束したろ?
地獄まで持っていくって。』
「あぁ、そうだよな。それだけはな・・・」
目と目があってふたりの刻が止まった。
ほんの一瞬。
『あぁ~、ほんっとにどうしよう!!』
何事もなかったようにシ ウォンがまた大声で叫んだ!
「うわっ!!
いきなり大声出すなよ。びっくりするだろ!!
出てけ。もー出てってくれ!
てめーの嫁のケツでも追いかけてろ!!」
『ヒチョ~、そんな冷たいこと言うなよ~』
シウォンがヒチョルに抱きついた。
一瞬シウォンの唇がヒチョルの顔をかすめ、
吐息が耳にかかった。
「てっめ・・・うっざ!!抱きついてんじゃねぇよ!」
ヒチョルは一瞬ざわめいた心をまた胸の奥に押し込むため
シウォンを突き放した。
と同時にお互いのピッチが鳴った。
『ERだ。』
「ドンヘだ。」
今までOFFだった2人の顔が
一瞬で変わった。
廊下を早足で移動中、
「あっそうだ。今日、俺、夜、
キュヒョンと出掛けるから。」
『え?」
「なんか、電話が来て。」
『え?おまっ、な、なんで?』
「別れ話しの相談だったりしてな。まぁ、気にするな。
任せとけって。』
目をまん丸くして、口をパクパクしながら言葉のないシウォンに、
「キュヒョンに聞くなよ!
内緒みたいだから。』
とクギを差し、シウォンの答えを待たず、ERへ飛び込んだ。
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