カウンセリング(イェソン×シウォン②) | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

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superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
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”どうしても話を聞いてもらいたいことがある。”
とアポイントなしのシウォンが突然訪ねてきた。

断るわけもいかずリョウクに次の面談の相手のアポイントを
1時間遅らせるよう指示しシウォンを招きいれた。


「どうした?お前がアポなしなんて珍しいな。」


「・・・え?あぁ・・・そう・・・すみません。本当に・・・?」


いつもならソファーに悠然と腰を下すのに、今日は何かに気を取られている様子で
部屋の中を行ったり来たりしているので声を掛けず見守った。


何往復目かに入ったところでピタリと足を止め、数秒間動かなくなった。

さすがに心配になり声を掛けようとしたタイミングでシウォンがこちらを向き
神妙な面持で質問をしてきた。


「命を懸けても守りたいものが出来た時・・・
それが世の道徳観念を覆すような状況であったとしても
それを貫くことに躊躇いを持たないというのは・・・
間違ってますかね・・・」

そう言ってまた何かを模索しているのか部屋を行ったり来たりし始めた。

よくあることだが、聡明な人物というのは自分自身で答えを出しておきながら
最後の指針を他から欲しがるもので、
今日、自分を訪ねてきたシウォンもまた最後の一押しを求めているように思えた。

 

「そんなに大事だと思える事があるのなら、人にどうこう言われようと何を躊躇うことがあるんだ?」

「・・・・・・」

「反対に躊躇う理由を教えてほしい。その理由がわかれば自ずと何をすべきか見えてくるはずじゃないか?」

「躊躇う理由・・・どう抗っても避けられない現実・・・」

シウォンがブツブツと独り言を繰り返す様子を見守りながら声をかけた。

「もしよかったら躊躇う理由ってのを具体的に・・・」

と、シウォンは何かに弾かれたように動きを止めまっすぐこちらを見据え応えた。

 


「”神様の思し召し。”って信じますか?」

 

シウォンの口から出た言葉に他の奴だったら思わず笑い出すとこだが
敬虔なクリスチャンであるシウォンなので別段不思議ではない。


「”神様の思し召し。?”それはお前の方がわかってるだろ?」

「えぇ・・・まぁ・・・」

「そんな風に思える何かがあったのか?」

「あっ・・・えぇ・・・”運命の出会い”と言うか・・・陳腐なフレーズですけど
それしか言いようがなくて・・・」

シウォンは頭をかきながらいつものソファーにドスンと腰を下した。

 

「ジョンウン先輩・・・ここからはカウンセラーと相談者としてではなく、
昔からの友人として聞いてもらえますか?」

「わかった。友人として聞くよ。」


「先輩・・・彼・・・リョウクさんとはいつから・・・?」

「え・・・?なんでそれ・・・」

思わず身を乗り出したところでバサリと物を落とす音が奥から響いた。

「・・・ご、ごめんなさい。」リョウクのか細い声が聞こえた。

「すみません。実は初めてここに来た日、この部屋を出た後、食事にでも誘おうかと戻ってきたんですよ・・・その時お2人が・・・」

「あぁ、あの時・・・」イェソンは目を細め記憶を辿った。

リョウクが目の前の憎らしい程精悍な男にやきもちを焼いてしまったので
慰めようとして確か・・・

「自分でもまだわからないんですよ・・・どうしてこうなったのか・・・
この俺が自制できない。コントロールできないんですよ・・・」

「お前が?」

「えぇ、この俺が・・・」 そう言って肩をすくめて見せた。

「・・・って、お前まさか・・・リョ、リョウクを・・・?」

「え・・・?」

「だって運命の出会いって・・・」

一瞬ポカンとしたシウォンが大声で笑い出した。

「やだなぁ、先輩。違いますよ。」

「え・・・?あっ・・・だよな。す、すまん。」

イェソンの慌てっぷりにシウォンは(この人はいつもクールに決めてるけど、本当は可愛らしい人だったよなぁ。)と昔を懐かしく思い返した。

 


「恋愛相談か?これ」

「えぇ・・・ん・・・?あぁ、まぁ。」

「ヒニムにでも相談すればいいだろ?」

「まぁ、そうなんですけど・・・」


「あ、あのぉ?・・・も、もしかしてシウォン先生の言ってる運命の人って・・・男の人?」

 

「え?」

「はぁ?」


2人が同時にリョウクを見た。
 

「ご、ごめんなさい。話の邪魔しちゃって。しかも、変な事言って。あ、あの、気にしないで・・・」


手の平を前に突き出し左右に振り慌てる仕草を見せた。


「全然よけいなことなんかじゃないよ。ありがとう。」


リョウクに向かって優しく微笑むと頬を染め、奥へ戻っていった。
 

「可愛らしいですね。リョウクさん。」
「あぁ・・・あっ、俺のだからな。ちょっかい出すなよ。」
「どうかな・・・なんて、わかってますよ。」


俺がげんこつで殴る真似をするとシウォンは眉をあげ、肩を大きくすくめて見せた。
この部屋に飛び込んで来た時、迷いを憂いてた目とは違って
今はすっかりその迷いがなくなったようだった。

そして礼を言いながら立ち上がった。


「もう、大丈夫なのか?」

「えぇ・・・なんだかすっきりしました。」

「そうか・・・とにかくまぁ、頑張れ。相手は?シウォンの事どう思ってるんだ?そこらへんわかってるのか?」

「そうですね・・・今の状況に戸惑い、悩み苦しんでる・・・かな・・・」

「そうか・・・」

「だから安心させてやりたいんですよ。すべてをなげうってでも守っていきたいんで・・・」

 

シウォンが礼を言って部屋から出て行った。

 


イェソンはまだソファーから立ち上がらず何事かを考えていた。
リョウクが背後からその背中をそっと抱きしめた。

「シウォン先生の思い人ってダレなのかな・・・なんかちょっとうらやましい・・・あんなに思われてて・・・」

慌てて後ろを振り返りリョウクの顔を覗き込んだ。

「おいおい、それって俺の愛情が足りないってことか?」

「え・・・?ち、違うよ・・・そうじゃなくて・・・」

「じゃぁ、どういう・・・」

「もぉ・・・」

リョウクが顔を近づけイェソンの唇を優しくついばんだ。

「僕達みたいに早く幸せになってもらいたいって事だよ。ジョンウン先生・・・」

「ん?・・・」

「僕たちだって、ほら、いろいろあったじゃない?」

「・・・そうだな。」

「勇気を出してシウォン先生の胸に飛び込んじゃえって言ってあげたいな。
僕みたいに幸せになれるよって、言ってあげたい・・・」

「リョウガ・・・」

「先生・・・僕、本当に幸せだよ。」

目元を赤くしたリョウクが優しく微笑んでいた。

「リョウガ・・・俺も幸せだ・・・」

背中から回された手を何度も何度も優しく撫でながらそう告げた。

静かに刻が流れて行った。