「お前、なんで黙ってたんだよ。」
「いや、なんかこう、急な展開だったし、ほら、お前、先生の事で悩んでたし、
言い出しにくかったっていうか・・・」
「なんだよ、それ。俺のせいか?」
「なんか、俺だけ幸せじゃお前に悪いかと思って、言いたいのがまんしてたんだよ」
「お前、ひどいやつだ。俺がどんなに悩んでたか知ってて、そんないきなり・・・」
「お前はどうなんだよ。いきなり俺、愛されちゃってます!
みたいな顔しちゃって。妬けるよなぁ~。」
「はぁ?妬けるって、なんだよそれ。まるでお前が俺に気があるみたいじゃないか!」
「お前だってまんざらじゃないだろ?今からでも遅くない。
どうする?俺に抱かれてもいいっておもったりしてるだれ?」
「なんで、俺がお前に抱かれたいって思ってるわけないだろ!!」
キュヒョンが急に立ち上がり大声まで叫んだ。
シーンとしずまり返った店内。
キュヒョンが「あっ。」と固まっていると、
「お前達痴話げんかか?」と誰かが声をかけた。
「なんなら俺がお相手しようか?」また他の誰かが声をかけた。
2人のコンビはキュウンなどと呼ばれ、仲の良さはみんながしってるので、
誰も本気にしていない。
他に、キュミンなどと言って、ソンミンとの仲を取り沙汰されたりもしていた。
特にナース達の間ではそれぞれにファンがいた。
「ほらほら、座れって。」ウニョクが大笑いで言った。
「なんだよ、みんなして。」
キュヒョンは口を尖らせながらそういうと、
また店内が笑の渦に包まれた。
「まぁまぁまぁ。それよりさ、俺さぁ、すっごい事、思いついたんだよ。」
とウニョクが目をキラキラさせてキュヒョンをみた。
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全くウニョクの考えることといったら・・・
「俺、すっごい事おもいついたんだ。」
と言って目をキラキラさせていたのがこれって。
ヒョクの考えつく事にはいつもびっくりだ。
キュヒョンは今シウォンの部屋の大きなTVの前で
オンラインゲームのセッティングをしている。
あの日聞かされた計画
「あのさぁ、俺のイトゥク先生とさ、
キュヒョナのシウォン先生のうちのTVみて思いついたんだよ。
あのでーっかいTVでオンラインやってみたくないか?」
「え?ゲーム?」
「そう。いつもパソコンの小さな画面でやってるのを、
あのでっかいTVでやるんだよ。きっと超スゲーぜ!」
「シウォン先生にはお礼なんていらないから、それOKして!って頼んでよ」
「う、うん・・・言ってみるよ・・・」
「うぉー!!よーし!最近お互い何かと忙しかったから久しぶりだし、楽しみだぁー!」
ウニョクがあんまりにも嬉しそうなんで、
キュヒョンもなんだかわくわくしてきた。
で、今に至るわけなんだけど。
「よし、これでOK。スイッチオン!」
大画面にオンラインゲームがつながったとわかる表示がでた。
インカムでウニョクに呼びかけると向こうからも呼びかけてきた。
ゲーム本体の画面の右下にウェブカメラでお互いを映しだした。
「おぉーキュヒョナー!!ばっちりだなぁ~」
ウニョクが手を振った。キュヒョンも振り返した。
どれどれとイトゥク先生ものぞいてきた。
「こんばんは。」キュヒョンが頭を下げると「シウォンは?」と聞かれた。
「今日はまだ帰れないみたいです。」
「そっか。まぁ、2人とも程々に。」
といいつつウニョクの頭に軽くキスをした。
画面を通してみるとなんだかリアルで照れ臭かったので咳払いなどしてみた。
「なぁ、おれ、ほんっといい事考えてついただろ?すごくない?」
ウニョクがそういうのも無理もない。
大画面でのオンラインゲームはそれはものすごい迫力のものだった。
ちょっと前まではこうやってウニョクと2人で徹夜する勢いで楽しんでいたので、
すっかり夢中になっていて、シウォンの事を忘れていた。