久しぶりに帰った二人の家は、空白の期間を経ても何も変わっていなかった。

ただ、一つ変化があったのはボードの写真だった。

『キュヒョン??』

帰ってすぐにキッチンに向かってしまった兄さんが戻ってきてそう呼んできて僕は振り向いた。

『ココア、淹れたけど??』

『ありがとうございます。』

そう言ってソファーに近づき、隣同士で座ってゆっくりとココアを味わった。

『何見てたんだ??』

『あの写真。』

『あー。』

『いつ、僕のこと盗撮したんですか??』

『ばっ。』

そう言いながら恥ずかしそうに少し顔を赤くする姿は可愛くて僕は微笑んだ。

『...ああやって貼っておけば、リビングも一人じゃないなって。』

ボソッとそう言った全てが僕を躍らせることを兄さんは知らないのだろうかと思ってしまう。

『...ほんと、かわいすぎるでしょ。』

『お前はかっこいいよ??優しいし実はシウォンに引きをとらないくらいジェントルマンだもんな。』

『素直ですね。』

そう言うと兄さんは僕の手からマグカップを取り、テーブルに置いてすぐに手を握られた。

『ジョンウンさん??』

『...愛は言葉にしなきゃ伝わらないだろ??』

『...。』

『...愛してるぞ。』

『本当にどうしたんですか??』

そう言うと兄さんは体を前に倒してきて、僕の肩口に顔を埋めてきた。

『...覚えてるか??俺があんまり会わないからなって言ったの。』

『覚えてますよ。衝撃だったんですから。恋人なのにって。』

『...会ったら離れたくなくなる。離したくなくなる。』

『...ジョンウンさん。』

『...またすぐに会いたくなって、駆け出しそうになる。』

そう言われて僕は兄さんをぎゅーっと抱きしめた。

『兄さんだから、耐えられるんじゃなかったの??』

『...。』

『僕と違って大人じゃなかったんですか??』

『...嫌い。』

そう言ってぎゅーっと抱きしめ返してくれた手に僕は微笑んだ。

『ジョンウンさん。言葉と行動が伴ってないですよ??』

『...黙れ。』

そう言われて僕はジョンウンさんの髪にキスをした。

すると体が離れてじっと見つめられた。

『なんですか??』

そう言うと兄さんはゆっくり顔を近づけてきて、唇が優しく重なった。

『...今日は本当に素直ですね。』

そう言って今度は僕から唇を重ねた。

『ジョンウンさん。』

『ん??』

『愛してる。』

『...俺も愛してる。』

そう言って僕たちは額を合わせて微笑んだ。



















僕がただいま、と言う。

あなたがおかえり、と言ってくれる。

そして僕たちはあいしてる、と言い合う。

これが幸せなんだ。


END