【大高校】名城高校 5名合格。名城の数学理科の雑感。 | 進学塾 星煌学院

進学塾 星煌学院

星煌学院のブログです

星煌学院大高校の水野です。

早速ですが、大高校の名城高校の結果をお知らせします。

 

名城高校 5名合格!!

 

公立入試まで残り3週間。いよいよ近づいてきました。中3のみんなが第1志望に合格できるよう、自分たちも最後まで全力でやっていきます。

 

また、星煌学院大高校は3月から新年度の授業が始まります。

新中2新中3は大人数になっていますが、まだ空きはあります。新中1は2月に入るとお申し込みがさらに増えていくと予想されます。中学入学から塾に通って正しい理解と勉強をすることが本当に大切です。早めの入塾ご検討ください。

 

 

 

ここからは今年の「名城高校」の数学理科の雑感を書きたいと思います。

 

☆数学

【大問1】

小問集合。大問2以降にどれだけ時間を残せるかが勝負。⑴は不定方程式(因数分解ver.)のような形になっていると気付くことができるか。右辺の15×18に合うようにxの値を決めれば一瞬で解ける。⑶は対称式の問題。与えられた式から基本対称式a+b、abを作り出すのがポイント。⑷は2024を使った整数問題。2024年問題対策の最右翼である45の2乗=2025を知っていれば、時間をかなり節約できる。そうでなければ力業か。

 

【大問2】

関数。⑵は関数と方程式。四角形の長さでtの二次方程式を作る。tが負の数であることや、解の公式のルートの中身が1024(=2の10乗)になることで解きあぐねた人も多いのではないだろうか。⑶は三角形の面積の2等分。機械的に解くことができる頂点から引くパターンなので解きやすい。⑷はy軸を回転の軸にした回転体の体積。定番の立体から円錐を切り抜いたタイプなのでこちらも解きやすい。⑵のtを⑶⑷で使うので、完全に⑵次第の大問であった。

 

【大問3】

確率。平方根の整数部分とデータの整理が組み合わさった凄まじい問題。さいころを2個振ってabとして、√abの整数部分だけアメがもらえる。先に11人の結果が示されていて、12人目の自分が行なった後の平均値と最頻値に関する確率。36通りある中で、整数部分を出しつつ、かつ他の11人の結果を気にしながら解いていかないといけない。残り時間が少なくなっている中で、いかに正確に処理することができるか。

 

【大問4】

図形。三角形内の線分の長さや面積。30度60度90度の三角形と平行蝶々がすぐ見つかるので、方針は浮かびやすいのではないだろうか。面積の解き方に関しても、相似比の二乗や三角形の底辺の比の連発が割とストレートに使える。この大問をしっかり取れたかどうかが、結果的にかなり大きな意味を持つこととなった。

 

【大問5】

図形。三角形が回転移動したときの頂点がえがく線の長さ。椙山も去年出題した難関校が割と好きな問題。ポイントは、作図をして回転中心と回転半径と回転角度を確認しておうぎ形の計算。ほぼ時間がない状況なので、類題をやっていたかどうかで左右されるか。

 

 

☆理科

【大問1】

小問集合。しっかり取りたい。時事問題は「条件付特定外来生物」と「線状降水帯」。⑷は100m走のタイム測定で、音の速さを考慮せずにストップウォッチをスタートさせたときのタイムの補正問題。去年の富山県でも出題された問題で、実生活と絡めた良い問題。もちろん⑼の緊急地震速報の計算問題も大切。

 

【大問2】

物理。体積の異なる2つの物体の浮力。浮力は水に浸る体積に比例するという、中学理科型のアルキメデスの原理をしっかり使えるかどうか。⑸は斜面も絡めた応用で難しいが、全体的にはストレートな出題なのでしっかり取りたい。

 

【大問3】

化学。複数の濃度の塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和。完全中和のときの比をそれぞれまとめ、それを基に計算していく。比の数字が単純なので、過不足の計算も含めてやりやすかったのではないだろうか。

 

【大問4】

生物。植物と動物。今年最も難しい大問。特に⑶⑷⑸。Aという生物の生殖に関する問題だがほぼ思考力問題に近い。問題設定の把握に時間がかかり、全落としも普通にありえる。⑶は「(飼育温度-最低温度)×変態開始までの日数」がどの場合も同じだということに気付くのがポイント。⑷は割合の問題だと認識する。10000匹が1年後0.3%しか生き残らず、その後も30%ずつ死んでいくので、順番に割合計算をしていく。⑸は⑷で出した年度ごとに生き残ったAの雌の個体数から産卵数を計算する。

 

 

☆全体を通して

数学は去年同様時間内に解き切るのがなかなか難しい問題構成であった。後半に解きやすい問題も含まれているので、思い切った判断も必要になってくる。分野としては特に関数と確率。関数は入試の典型問題をしっかり押さえ、思考の時間をなるべく減らす。また大きな数になっても焦らず処理できる計算力も必要。確率に関しては定期テストや公立入試とは次元が違う。過去問などを通して、複雑な確率の問題を正確に数え上げていく練習が必要になる。

 

理科も30分という短い時間との勝負になる。ただ最近は物理化学が易化傾向にあるので、以前よりは解きやすくなっている。そしてとにかく生物。生物は4分野の中で一番簡単という常識は名城では通用しない。相手がゼクロムを出すならこちらはレシラムで対抗しなければいけない。計算問題など「入試の生物」の典型的なパターンには慣れておく必要がある。

 

今年も理工系の名城らしい考え抜かれた本当に素晴らしい問題。そしてそれに立ち向かった受験生の皆様に、改めて大きな拍手を送りたいと思います。

 

image