昨日は、、赤坂レッドシアターへ。
一糸座さんの操り人形の公演へ行ってきました!!
一糸座さんは、、何年か前に‘少女仮面’の公演のチケットを予約しまして
ずっと楽しみにしていたのですけれども、コロナの影響で中止になってしまいました。
それ以来ずっと、操り人形が見たい見たいと思っておりまして
そんなご縁で今回チケットを予約させていただきました。
四代目結城一糸さんの襲名(先代の結城一糸さんは江戸伝内に改名)のおめでたい公演でした!
義太夫の曲で「三番叟」と「櫓のお七」と「狐火」を。
そして休憩を挟んで、、常磐津の「戻り橋」。
素敵な素敵な操り人形を、最前列でたっぷり楽しんできました!!!
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そりゃ、、当たり前かもしれないけれど、、
お人形さんひとりひとりのお顔がね、違うのですよ
わたしの身近に中学生の女の子はいないのですけれども
電車の中で見かける女子中学生は、ただそこにいるだけでエネルギーにあふれていて
お七のお人形はまさにそんなお顔だし。
小百合さんはもうちょい年上なのかな。18?19?くらい?
めちゃくちゃお綺麗で美人さんオーラ放ちまくりだし。
八重垣姫は、わたくしは彼女の生い立ちはよく存じ上げませんが、、
とても可愛らしい娘さんなのですけれども
なんといいますか凛とした強さというか気高さ?気品?のようなものを感じました。
渡辺綱さんはとても強い武将なのですけれども、、なんだか生真面目そうな顔立ちですし、
家来?のふたりの武士たちもとても愛らしい人間らしい、個性的なお顔!
(このふたり、後に悪鬼に襲われぶっ倒れて、、、殺されてしまったのか、、そのシーンはとてもショックでした
お人形を作ったかたがたの愛がほんといっぱいいっぱい溢れてました!
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日本舞踊の大人気の演目にも操り三番というのがありますけれども、、
昔は今と違って操り人形は、もっともっとわたしたちの生活の身近なところに存在してたものなのかもしれませんね。
(いつもよく見させて頂いてる板東寛二郎さんの動画♪
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わたくしは操り人形を実際にこの目の前で見たのは、今回がほんと初めてでした。
大興奮でした!!
こちらは、、一糸座さんのYouTubeチャンネルから。
幼子がひとり遊びしている情景の描写!!
何度も繰り返し見てしまいますね。
ほんとなんとも愛らしい動画で、、見ていて思わず微笑んでしまいますが、、
お人形さんにつけられた何本もの糸を巧みに操って魂を吹き込んでいるのですね。
なんて繊細なお仕事!
これはほんと、すごいなぁって思います。
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「八百屋お七」見ていてね、お七と目が合ったんですよ。
(ほんとはそんな事あるはずもないけれど、、
はっとしました。
雪が降り積もって足元がおぼつかない、
そんな中を髪を振り乱して火の見櫓へ向かって一歩一歩、確実に踏みしめながらそれでいて足速に歩いていく。
あぁ、、その健気さに真っ直ぐさに心を打たれます。。
黒子の人がお人形の近くへ寄ってきて、手を高くあげて紙吹雪を散らすんですね。
劇場にいて舞台を見ていながら、、まるで映画を見てるような感覚になるんです。
お七がアップになる。そういうふうに見える。
「狐火」の話も素敵でね。
そのタイトルのとおり、、狐が出てくるんですよ。
白狐。2体。
神様の使い?神様?
ほんと、、お美しい。
ラストシーンでは、、空を駆ける。
ほんと、、文字のとおりなんです、空を‘駆ける’!!!
舞台上を所狭しと駆け巡る、、この壮大さ。
この感覚は、見た人でないと絶対にわからないです。
空を飛んでるんではないんですよ、、駆けてるんです。
「戻り橋」もわたくしのほんと大好きな演目で。
渡辺綱を題材にしたお話なんですけれども、、
小唄の‘綱上’。
わたしの父は花柳瀧蔵先生の門弟でして下谷の系統ですから
お座敷に伝わっているようなこういう小品古伝の作品をたくさん知っておりました。
‘香に迷う’とか‘春雨’とか‘五万石’とか‘河太郎’とか‘お江戸日本橋’とか。
ぱっと思い浮かぶのはこれくらいですけれども、、どれもほんと素晴らしい振りが付いていて。
(瀧蔵先生の創意も含まれてるとは思いますが
お江戸日本橋をふたり踊りでやってるのを見て、、これはっ!!ってめちゃくちゃ興奮したことがあります。
わたしもね若い頃にいろいろ習いましたが、、全て忘れました。
全てです!!!
こうやって、、伝統は廃れていくのです。。
「戻り橋」
渡辺綱さんの物語。
綱さんは勇猛果敢な武将ですからね、、歩くたびにつま先がピンと伸びるんですね。
こんなところまで血が通ってる!
先程も書きましたが、、アイドル好きのわたしは小百合さん(実は悪鬼)の美しさ、可愛らしさにドキドキしながら見ておりました♪
一度場面転換がありまして、、どこかの広場?
煌々と照る月明かりの下、小百合さんが舞をひとさし舞って綱さんに見せるというシーンがあります。
わたしはここがほんと、好きで好きで。
綱が鬼退治を目的として、、若い娘に化けた悪鬼と駆け引きをする、という
あらすじを読みますと単にそういう場面なんですけれども。
こうして実際に魂のこもったお人形さんを見ていますとね、、それだけではないように感じるんです。
このふたりの間に、たとえこの瞬間だけだったにせよ、確かな恋情があったのではないか、、
そんなふうに見えるんですね。
素敵な素敵なラブシーンを見てる。そんな気がしてくる。
話もクライマックスになりまして、、綱さんの家来たちが小百合さんに飛びかかる。
大立ち回りになるんですが、小百合さんが正体を表して鬼女の姿になるんですね。
そこで、、音楽が突然緩やかになる。
シンと静まり返る、、夜の空気が伝わってくる。
舞台上に倒れているふたりの家来たち。
それを見て、、小百合さんは高笑いをする。
とても、、怖いシーンなんですけれどもね、、なんだかすごく寂しいんですよ。
悲しいんです。
小百合さんが、鬼女として生きていてとても長い年月抱えていた孤独感。
それが見ている人にぐーーーーっと押し寄せてくる。
「われは愛宕の山奥に幾年棲みて
天然の業通得たる悪鬼なり」
こんな歌詞なんですけれども、、唄はゆったりとしていて、、静かで、とても繊細なんですね。
見ていて切ないようななんとも言えない気持ちになりました。
これは、、生涯忘れられない経験をさせていただきました。。
そしてその後、鬼女は綱をひっつかんで住処に連れ去ろうとするのですが、
それもただた単とって食おうとかそういうことなのではなく、、人恋しい寂しさからなのかも知れないなと
ふと思ったりもしたのでした。
ほんと、、とても濃密な2時間でした!!
公演中に、江戸伝内さんが松尾太夫さんのお優しいエピソードをお話しになっていらっしゃいましたが、、
その松尾太夫さんの戻り橋がYouTubeにありましたので、、それを聞いて余韻に浸っております♪
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