死を選ぶのは貴方?生まれた時から見てきた、色濃く鮮やかな世界は黒一色に染まりそのまま色自体が見えなくなる。子供の頃聞いていた、風の音や教室の音、あの子の心の音すらも徐々に聴こえなくなる。青年の時に握った手の感覚も、コタツの中の温度すらも感じなくなる。サラリーマンになり、美味しそうな焼肉の匂いも、新築の家の匂いもわからなくなる。年老いて、大好物の飴の味も、いつになっても美味しいと感じるビールの味でさえわからなくなる。それでもこの世界の主人公は君なのだから、どうか人生最後の人殺しをしないでください。