新潮出版無料WEBコミックにて、山岸涼子作『パエトーン』 (1988年作品)という漫画を読むことができます。福島第一原発事故を受けての、特別公開のようです。

遠い昔、神になり代われると思い上がった若者・パエトーンをめぐる悲劇。ギリシャ神話に描かれたこの物語を現代に展開し、原子力発電の是非について問いかけた短編作品です。

  
  生物学的に「好適」で満足せず
  「最適」を望む生物は滅びる運命にあるそうです
  人間はこれ以上便利を追求してはいけませんよ


その通りだと思いますね・・・しかし同じ人間であっても、ブータンのように「好適」で満足しようとする国もあります。その違いはどこにあるのかなぁとよく考えます。

       

  チェルノブイリの悲劇は
  起きてはならない事が 
  起きてからでなければ謙虚になれない
  人間の悲しい業である


「起きてはならない事が起きてから」であっても「謙虚になれない」人間もたくさんいるという事実を、どう受け止めればいいのか・・・未だに「原発をやめるべきではない」と考える人が過半数を占めているという日本。

山岸涼子さんのように、またこの漫画を作るきっかけとなった本の著者である広瀬隆さんのように、以前から脱原発を呼びかける大人はいました。この漫画を読んで、「原子力発電はやめてほしい」と思った人もたくさんいたはずです。しかし、それよりさらにたくさんの人たちが、原子力発電を必要だと思ったり、この問題に無関心でいたから現在があるのです。

  

  わたし達は
  原子力発電の安全性も解決できぬうちに
  つっ走ってしまったのです
  
  その傲慢さを恥じながらも
  今 わたし達にできる事は
  原子力発電の即時停止を
  実現する事だと思うのです



Twitterを始めてみました。アカウント はこちら。

すごい勢いで情報が広がっていくんですね・・・

でもまあ、私の場合はまだまだ新参で、フォローしたりされたりもごく少数。知人でやっている人も少ないみたいだし。

だいたい、Facebookも始めてはみたものの利用のしかたがいまひとつ掴めません。私の暮らし方にあまり合っていないのかな?という気もしています。

使いこなせる日が来るのかどうかわかりませんが、気長にトライしてみます。




ドイツのメルケル首相が原発を全廃にする方向を明確に打ち出した とのこと。素晴らしいですね!!!

今朝いちばんで目にしたニュースは、こちらでした。
城南信用金庫(東京)が、脱原発宣言

環境大国ドイツが国として脱原発を宣言するよりも、この日本にあって一金融機関が脱原発宣言を出すことのほうが、もしかしたらずっと勇気のあることかもしれません!

私が都内にいて貯金を持っていたら、月曜には飛んでいって口座を開設すると思います。同じお金を預けるなら、こうした金融機関(もしくは未来バンク など)に預けたい!

(同様に、買い物をしたり仕事を発注するときには、なるべくならそのお金をよい方向に回してくれそうなところを選ぶよう心がけています)


さて、話をドイツに戻しますが、すでに日本に向けてこのような提言 をしてくれています。世界で最も慎重な国のひとつであると言われるドイツでは、原発の推進派さえもが詳細なデータをとり、国民の安全を守る姿勢で開発に当たっていたことが、かつてチェルノブイリ関連の番組で紹介されていました。

それでも水道水中の放射性物質規準値は世界で一番ではなく、アメリカに次いで二番目に高い値を採用しています。低い順に0.1Bq/L(アメリカ)、0.5Bq/L(ドイツ)、1Bq/L(WHO)、47Bq/L(ウクライナ 注:チェルノブイリがある国)、300Bq/L(日本!)。 (←これは何かのサイトで見たのをメモしておいた数値です。出典は不明)

(ちなみに東京都は20Bq以下を「不検出」として扱うことにしたそうです。神奈川県は20Bq以下でも表示中とのことですが)

ドイツはこの提言の中で、「「乳児、子ども、青少年に対しては、1kgたり4Bq」「成人は、1kgあたり8Bq」以上のセシウム137を含むイン食物を与えないよう推奨されるべきだと言っています。

放射性ヨウ素の害を防ぐためには「日本国内に居住する者は当面、汚染の可能性のあるサラダ菜、葉物野菜、山菜類の摂取は断念することが推奨される」と。

私も、安全性を重視するのであればそうすべきではないかと考えていました。東日本においては、もはや洗って落とせばよい時期は過ぎているはずで、微量であっても野菜たちは土壌から吸収した放射性物質をその体内に蓄え始めているはずだと思うからです。

しかし周囲を見渡すと、有機農業や自然食品店に携わる人たちでさえ、きちんと測定してはおらず、安全が確認されていない野菜を顧客に送ったり店頭に並べたりしているようです(それに対する顧客の反応はさまざまだと思いますが)。

そもそも農薬や化学物質による身体への影響を思えばこそ、安全な野菜を人々に届けたいという思いでこうした道に入られたはずなのに、かつては憂慮する必要のなかった正体の見えない放射性物質という有害物質に対しては、「計測できないから仕方ない」ということで、これまで通りに扱うしかないと考えているのでしょう。

もちろん、農家も店も野菜を売らなければ生活が成り立たないわけです。農薬を使わない野菜作りも、そうした野菜や無添加の食品を売る店も、需要も売上もさほど多くないのに利益率は低く、さらに時間や手間をかけることが必要とされることが多い、言ってみれば「割に合わない」仕事です。

情熱や哲学に支えられて、たいがいは自転車操業でようやく資金繰りがなされているのであろうと想像できますし、何より私もそのひとりであったので事情や心情は十分に理解できます。

しかし、長年のあいだチェルノブイリ事故の余波を大きく受け、その中で自衛をしてきたドイツの人々がここで言うように、評価の根拠が明確になるまで今しばらくは、大袈裟なぐらいに摂取を控えることでそれぞれ(とくに子どもたち)の健康を守る必要があるのではないでしょうか。

もちろんこれは生き方の問題でもありますから、年齢によっては農家の人たちのために進んで汚染野菜を食べたいという人がいてもいいし、ビクビク過ごすぐらいなら何も気にせずこれまで通りの暮らしをして太く短く(それで必ず短くなるとも言えないわけで)生きます!という人もいると思います。


ただ、政府が打ち出した見解 が放射性物質による健康被害をあまりにも過小に見積もっていることは明白ですし、そのような頼りない国に暮らす以上は、今後何十年もの間、チェルノブイリ周辺の人々と何ら変わりない汚染に曝され続ける可能性は十分にあるといえます。

ほんのわずかな内部被曝も10年続けば子どもたちの体を蝕みます。20年後には妊娠することができなくなったり、子を産んだとしても先天性の病気や奇形を持ち、頼るべき親世代にもこの頃からガンなどの発病が増え・・・このような辛い人生がそこかしこにあることをドイツという国は調べ上げているからこそ警告しているわけです。

飲食できない物を増やすほど政府の負担が増すので、安全基準をどんどん引き上げることで「危険」を減らそうとする動きは明らかです。それはつまり国民を危険に曝すことにより国の財政を守ろうという姿勢であり、非常時だから感受性の強い一部の人たちには犠牲になってもらおうということです。

常日頃から食や暮らしの安全性に気を配り、免疫の高さに自信がある私たちの場合、正直なところ、相手が放射性物質だからといってさほど神経質にならなくてもよいのではないかという気もしています。なぜなら発ガン性ということで言えば、他にも多くの要因があると思うし、それらを極力避けることなどで十分な排出力を保ち健康を維持できていると思うからです。

とうの昔から発ガン性が指摘されている添加物などにまったく無頓着でいたのに、今回の放射能だけは必死で避けようと神経過敏になっている人を見ると違和感を覚えますし、じゅうぶん危険だと思われる添加物や農薬の使用を容認して来た日本政府が今回の放射能についても大丈夫だと考えることは、ある意味とても合点がいきます。

その点でも、ドイツのような国は、有機農業を推し進めたり、その上で有機肥料過多による亜硝酸態窒素の問題が浮き彫りになるとすぐさま対策を打ち出したりと、日本とは比べ物にならないほど安全性を重視し、極めて柔軟な取り組みをしてきたと思います。チェルノブイリ事故からも多くを学ぼうと努め、真剣に対策を練ってきたからこそ、こうした的確な提言ができるのでしょう。

これを読んで「葉野菜が食べられない?」「いったいいつまで?」「水はどうしたらいいの?」と泣きたい気持ちになる人は多いと思いますが、私たちが当然のこととして享受してきた安全はもう崩れてしまったのです。現実を受け入れないわけにはいきません。(世界のどこかに核がある以上、こういう日がいつか来るのではないかと危惧はしていました。だからこそすべての原子力利用には反対して来ました・・・でも、今、本当にそうなってしまったということを、実はどこかで認められずにいる自分もいます)

実に悲しいことです。今後も日本に住み続ける限りは、暮らしのすべてにおいて線量計が必要になるのでしょう。「そんな毎日は絶対にゴメンだ!」と思ったからこそ、ドイツは脱原発を目指す決意をしたのですよね。たいへん賢い選択であると思いますし、こうした政府を選んできたドイツ国民も非常に賢い人たちなのだと改めて感心しました。地球の裏側にはこんな国もあるのだと思えば、少しは希望が持てるというものです。










同じメーリングリストに入っている東京都民の方が、来る都知事選に向けて11人の全立候補者に質問状を出しました。それに対して今日までに5人の方々から返答が寄せられているらしいので、ご案内します。(返信ハガキに書かれているそのままを記載しますね)

【往信】

はじめまして。
私は、××区で自然食品店を営む者です。
現在、福島原発の事故は、とてもたいへんな事態を、この日本に招いています。
周辺地域はもとより、野菜や飲み水などにまで、汚染が広がり、今や日本全体が、放射能汚染の恐怖にさらされています。
私は、安全な食べ物をお客様に提供する食料品店を営む者として、また、人が人として生きるうえで、決して犯してはならない自然環境を守りたいと思う者として、すべての原子力発電を、出来るだけ早く廃炉にして欲しいと願っています。
そこで、今回の統一地方選挙では、政党の如何に関わらず、原子力発電をなくしたいとの意思表示をした方に投票したいと思っています。
お忙しいこととは思いますが、下記の項目にチェックをつけた上で、遅くとも4月7日必着にて、ご返信頂ければ幸いです。
なお、この結果は、自然食品の店「○○○○○」の店頭および、インターネット上にて公表させて頂きますことをお断りいたします。

2011年3月
自然食品の店「○○○○○」 △△△△


【返信】

私、東京都知事選立候補者        は、

□ すべての原子力発電の廃炉をめざします。
□ 原子力発電は必要なので、推進します。







1) 3月29日付
 
 小池 あきら 氏

【回答】  ○ すべての原子力発電の廃炉をめざします。
      × 原子力発電は必要なので、推進します。

【ご意見】 「安全神話」と決別し、安全最優先で原子力行政を見直します。
東海地震想定震源域の上にある浜岡原発の停止。
高速増殖炉「もんじゅ」の再稼動停止。
プルサーマルの中止。
そして、原発依存から抜け出し「再生可能エネルギー都市・東京」をめざします。
「東京湾に原発を」「私は原発推進論者」などという人物をいつまでも知事にしておくわけにはいきません!





2) 4月5日 Eメールにて 

ドクター 中松 氏

私、東京都知事選立候補者ドクター・中松は「原子力発電から新エネルギーへ」
ドクター・中松は、1950年世界に先駆けてソーラー発電を発明。
燃料電池、新風力装置の発明など新エネルギーのプロとして、指揮官先頭で、経済・景気を縮小せずに解決する。
原子力発電は、蒸気でタービンを回す幼稚な技術。
最も進んだ新エネルギーを積極的に導入する。
(ハガキは本日(4/5夜)投函いたします。とり急ぎ同文をメールにてお送りいたします。)


3) おがみ おさむ氏

【回答】  ○ すべての原子力発電の廃炉をめざします。 
         原子力発電は必要なので、推進します。


【ご意見】 こんどの原子力発電所の事故で、日本と世界中の原発をやめるべきだと思いました。
従来の推力と火力だけの発電所だけで、節電しながら人間は新しい生活様式をつくり、
経済と物質の多さの生活を変える時代の点換期にするべきだと思います。(原文のまま)



4) 杉田 健 氏

【回答】 安全な技術が確立していない限り(ご本人書き足し)
     ○ すべての原子力発電の廃炉をめざします。
       原子力発電は必要なので、推進します。

【ご意見】 東京都の省エネルギー化を推進したいと考えております。
電力の供給を削減するということは食品のみならず、生活自体を自然に戻していく必要があります。
有権者が覚悟を持って取り組むべき問題であることを認識して頂きたいと考えます。


5) わたなべ 美樹 氏

【回答】 ○ すべての原子力発電の廃炉をめざします。
        原子力発電は必要なので、推進します。


【ご意見】 脱原発。
とにかくどんなにコスト、時間がかかろうとも、
私たちの子どもたち、孫たちのために、脱原発のエネルギー
政策への転換をはからせます。




※ 上記の内容は転載歓迎ですが、
回答についてのコメントを一緒に記載することはお控えください。





読売巨人の野球選手が、3月15日に無断帰国したまま再来日の意思がないことを伝えてきたとのこと、ネットニュースで読みました。まるで勝手な契約破棄ということで悪者扱い。地震や津波、原発事故のことなどには一切触れていませんでした。

15日といえば、私が懸命にわが家のウーファさんを帰国させようと説得していた頃です。

外国人なら帰国して当然でしょう?今頃日本はどうなっていたか、誰にもハッキリ言えない状況だったんですから。

もうひとり、横浜ベイスターズの選手も16日に帰国して、こちらは本人は日本に戻りたかったけれども奥さんや家族に大反対されてやめたのですって。やはり同様の処罰を受けていますが、この人の記事には「原発事故のことが気になって眠れなかった」というようなことがちゃんと書かれています。

読売はやっぱり・・・企業の体質がそうさせるのでしょうか、その件については一切記事に書かないよう圧力がかかっているように感じました。

この2人の選手がとった行動はごくごく当然のことだと思います。いつメルトダウンして爆発するとも限らない原発を抱えた国に、たとえ何億円の契約金をもらったって住みたくないですよね。お金のため、仕事のためだけにやって来たわけで、日本を愛しているとか、ここが自分の国だからという人たちとは根本から違うのだし。

とりあえず自国へ戻れば、爆弾を抱えているような不安はなくなるし、放射能汚染された食物を食べたり空気を吸ってしまう可能性も低くなるでしょう。

同じように関東から関西へと避難して、「フラフラと何をやっているんだ!」と責められている人たちがいます。

すべて、国がこの非常事態を非常事態と認め、被害を最小限にするための避難を奨励すればいいだけのことなのに。政府の面目とやらを保つために、もしくは責任逃れのために、「たいしたことではない」ように装っているから、本当に安全を考えている人たちが悪者扱いされ辛い思いをしなければならないのです。

チェルノブイリ事故から20年経とうというときのテレビ番組(だと思う)が動画になってアップされています。このときはわがこととは思わなかったから、旧ソ連やベラルーシ政府、またIAEAを責めるような口調でさまざまな事実が暴露されていきます。

しかし、これは20年後のわが国の姿でもあるはずです。低線量被曝によって20年後に成人のガンが急増し、大人になった当時の子どもたちが産む赤ちゃんに先天性の奇形が多く見られる・・・事故処理に当たった人たちはもちろん、原発からは何百キロも離れていたところに住んでいても多くの人たちが被害を受けているのです。

福島原発は、廃炉にするまでにもまだまだ何十年もかかるわけで、その間ずっと放射性物質は大気や海を汚染し続けます。低線量でも被曝すると健康に(直ちにではないが)影響が出ることがわかっているのですから、過去の教訓を最大限に生かさなければならないと思います。

とはいえ、今も事故処理に奮闘している一部の人々のことを考えると、原発の近くであろうとなかろうと、今いる場所に居続ける選択をすべての人がすることで、痛みを分け合う必要があるのかもしれない、原発を容認してきた私たちなんだもの・・・という気持ちにもなったりするのです。