ドイツのメルケル首相が原発を全廃にする方向を明確に打ち出した
とのこと。素晴らしいですね!!!
今朝いちばんで目にしたニュースは、こちらでした。
「
城南信用金庫(東京)が、脱原発宣言
」
環境大国ドイツが国として脱原発を宣言するよりも、この日本にあって一金融機関が脱原発宣言を出すことのほうが、もしかしたらずっと勇気のあることかもしれません!
私が都内にいて貯金を持っていたら、月曜には飛んでいって口座を開設すると思います。同じお金を預けるなら、こうした金融機関(もしくは
未来バンク
など)に預けたい!
(同様に、買い物をしたり仕事を発注するときには、なるべくならそのお金をよい方向に回してくれそうなところを選ぶよう心がけています)
さて、話をドイツに戻しますが、すでに日本に向けて
このような提言
をしてくれています。世界で最も慎重な国のひとつであると言われるドイツでは、原発の推進派さえもが詳細なデータをとり、国民の安全を守る姿勢で開発に当たっていたことが、かつてチェルノブイリ関連の番組で紹介されていました。
それでも水道水中の放射性物質規準値は世界で一番ではなく、アメリカに次いで二番目に高い値を採用しています。低い順に0.1Bq/L(アメリカ)、0.5Bq/L(ドイツ)、1Bq/L(WHO)、47Bq/L(ウクライナ 注:チェルノブイリがある国)、300Bq/L(日本!)。 (←これは何かのサイトで見たのをメモしておいた数値です。出典は不明)
(ちなみに東京都は20Bq以下を「不検出」として扱うことにしたそうです。神奈川県は20Bq以下でも表示中とのことですが)
ドイツはこの提言の中で、「「乳児、子ども、青少年に対しては、1kgたり4Bq」「成人は、1kgあたり8Bq」以上のセシウム137を含むイン食物を与えないよう推奨されるべきだと言っています。
放射性ヨウ素の害を防ぐためには「日本国内に居住する者は当面、汚染の可能性のあるサラダ菜、葉物野菜、山菜類の摂取は断念することが推奨される」と。
私も、安全性を重視するのであればそうすべきではないかと考えていました。東日本においては、もはや洗って落とせばよい時期は過ぎているはずで、微量であっても野菜たちは土壌から吸収した放射性物質をその体内に蓄え始めているはずだと思うからです。
しかし周囲を見渡すと、有機農業や自然食品店に携わる人たちでさえ、きちんと測定してはおらず、安全が確認されていない野菜を顧客に送ったり店頭に並べたりしているようです(それに対する顧客の反応はさまざまだと思いますが)。
そもそも農薬や化学物質による身体への影響を思えばこそ、安全な野菜を人々に届けたいという思いでこうした道に入られたはずなのに、かつては憂慮する必要のなかった正体の見えない放射性物質という有害物質に対しては、「計測できないから仕方ない」ということで、これまで通りに扱うしかないと考えているのでしょう。
もちろん、農家も店も野菜を売らなければ生活が成り立たないわけです。農薬を使わない野菜作りも、そうした野菜や無添加の食品を売る店も、需要も売上もさほど多くないのに利益率は低く、さらに時間や手間をかけることが必要とされることが多い、言ってみれば「割に合わない」仕事です。
情熱や哲学に支えられて、たいがいは自転車操業でようやく資金繰りがなされているのであろうと想像できますし、何より私もそのひとりであったので事情や心情は十分に理解できます。
しかし、長年のあいだチェルノブイリ事故の余波を大きく受け、その中で自衛をしてきたドイツの人々がここで言うように、評価の根拠が明確になるまで今しばらくは、大袈裟なぐらいに摂取を控えることでそれぞれ(とくに子どもたち)の健康を守る必要があるのではないでしょうか。
もちろんこれは生き方の問題でもありますから、年齢によっては農家の人たちのために進んで汚染野菜を食べたいという人がいてもいいし、ビクビク過ごすぐらいなら何も気にせずこれまで通りの暮らしをして太く短く(それで必ず短くなるとも言えないわけで)生きます!という人もいると思います。
ただ、
政府が打ち出した見解
が放射性物質による健康被害をあまりにも過小に見積もっていることは明白ですし、そのような頼りない国に暮らす以上は、今後何十年もの間、チェルノブイリ周辺の人々と何ら変わりない汚染に曝され続ける可能性は十分にあるといえます。
ほんのわずかな内部被曝も10年続けば子どもたちの体を蝕みます。20年後には妊娠することができなくなったり、子を産んだとしても先天性の病気や奇形を持ち、頼るべき親世代にもこの頃からガンなどの発病が増え・・・このような辛い人生がそこかしこにあることをドイツという国は調べ上げているからこそ警告しているわけです。
飲食できない物を増やすほど政府の負担が増すので、安全基準をどんどん引き上げることで「危険」を減らそうとする動きは明らかです。それはつまり国民を危険に曝すことにより国の財政を守ろうという姿勢であり、非常時だから感受性の強い一部の人たちには犠牲になってもらおうということです。
常日頃から食や暮らしの安全性に気を配り、免疫の高さに自信がある私たちの場合、正直なところ、相手が放射性物質だからといってさほど神経質にならなくてもよいのではないかという気もしています。なぜなら発ガン性ということで言えば、他にも多くの要因があると思うし、それらを極力避けることなどで十分な排出力を保ち健康を維持できていると思うからです。
とうの昔から発ガン性が指摘されている添加物などにまったく無頓着でいたのに、今回の放射能だけは必死で避けようと神経過敏になっている人を見ると違和感を覚えますし、じゅうぶん危険だと思われる添加物や農薬の使用を容認して来た日本政府が今回の放射能についても大丈夫だと考えることは、ある意味とても合点がいきます。
その点でも、ドイツのような国は、有機農業を推し進めたり、その上で有機肥料過多による亜硝酸態窒素の問題が浮き彫りになるとすぐさま対策を打ち出したりと、日本とは比べ物にならないほど安全性を重視し、極めて柔軟な取り組みをしてきたと思います。チェルノブイリ事故からも多くを学ぼうと努め、真剣に対策を練ってきたからこそ、こうした的確な提言ができるのでしょう。
これを読んで「葉野菜が食べられない?」「いったいいつまで?」「水はどうしたらいいの?」と泣きたい気持ちになる人は多いと思いますが、私たちが当然のこととして享受してきた安全はもう崩れてしまったのです。現実を受け入れないわけにはいきません。(世界のどこかに核がある以上、こういう日がいつか来るのではないかと危惧はしていました。だからこそすべての原子力利用には反対して来ました・・・でも、今、本当にそうなってしまったということを、実はどこかで認められずにいる自分もいます)
実に悲しいことです。今後も日本に住み続ける限りは、暮らしのすべてにおいて線量計が必要になるのでしょう。「そんな毎日は絶対にゴメンだ!」と思ったからこそ、ドイツは脱原発を目指す決意をしたのですよね。たいへん賢い選択であると思いますし、こうした政府を選んできたドイツ国民も非常に賢い人たちなのだと改めて感心しました。地球の裏側にはこんな国もあるのだと思えば、少しは希望が持てるというものです。