7月9日

もはや 朝起きたら蛇口をひねり、水が出てる事を確認したら SNSで「まだ水出てますよー!」のお知らせをするのが日課になってきた…。
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「詳細はHPで確認を」と言った呉市のHPでは 給水車のポイント情報ぐらいで、ナゼこの辺の水は出てるのか?この辺もいずれ止まるのか?止まらないのか?…何ら私の知りたい事は分からないまま…

それについても、いろんな噂が飛び交うようになってきた。

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⬆︎こんなメールが(結果コレもガセネタでした)回ってきたり…「この辺も止まる!」「この辺は止まらない!」どれも噂の域を脱しないものばかり。見かねた友達が水道局に電話してくれたけど「現在は止める予定になっていません」と。
でもその「現在」は…いつまで続くか分からない。


詳細が分からないまま悶々としてた深夜。
お水配り仲間の龍くんの投稿…このコメント欄に、水を配ってる人達の葛藤が続々と書き込まれる…
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私もすぐ書き込む。


そして…他の人の苦悩も続々と…




なんと…バッシングを受けてる人もいるの!?
このころ 真夜中2時あたり…みんな眠れないんだね…同じ事してる人達、同じ事で葛藤してる。

水を出しても良いのか?悪いのか?止まるのか?止まらないのか?送水ルートも合わせて教えてくれや市役所!!ボチボチ暴動起きるど!!

水が出てる人達も心が疲れてきてる…私もイライラするやら悲しくなってくるやらで…眠れん。

どうすべきなのか分からなくなってきて…どーしようもなくて…一連の流れや 噂や 自分達が今してる事、それにバッシングを受けてる人がいる事、そもそも呉市全域は1本の送水管で賄われているのか!?自分達はどうするべきなんでしょうか!?…って超ロングメールを早朝から…前・呉市長の小村さんに送りつけた。

退任されてからも、小村さんの人柄に惚れた数人の女子が定期的に…お呼びして…会っている(私はその連絡係なので連絡先を知っている)政治的な話はありません。小村さんが神主資格をお持ちだとか、海の日制定についての裏話とか、その他いろいろ小村さんをイジる会です。(たまにバズーカ級の裏話をサクッと聞けます(笑)

お手隙な時に見てくれたら…と思っていたら、割と即座に返信が…水が止まってない中央部と焼山の送水ルートの説明と…最終的には市長の決定ではあるものの、おそらく中央部は止まらないだろうこと…そして何より

「あなた方がされている事は人として そうあるべき行動です。水を求めて来る人には出来るだけ分けてあげて下さい。死者や行方不明者を捜索している今、水の不公平で市民が反目する事があってはなりません」と…

私の気分はV字回復しました!

すぐに皆にお知らせしたい!大丈夫だよー!もうちょっと頑張ろー!って…でも出来なかった。

小村さんに聞いた事を公にすると その情報に信憑性が高まるぶん、また違う火種を起こしそう…

しばらく迷った挙句、本当に知り合いの龍君だけに伝えた。彼からまた実際に知ってる人に伝わるなら、それなら良いのかな。と…

こうして私は迷い無く、お水の提供を続ける事ができたのです。
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お水を汲みに来た人達はみんな
「でも私ら水が止まっただけだから…」
「水と電気が止まっただけだから…」
「体も家も大丈夫だったんだから…」
と気丈に言いつつも、涙ぐんで私にお礼の言葉をかけてくれました。

特別な事をしたと思っていません。土砂災害だけでなく、市内80%が9日間も断水して大パニックだった最中、出来ることはそれしかなかった。

分け合えるものがあった事、その気持ちを受け止め頼って来てくれた人が居たから役に立ち、声を掛け合い 話をすることでお互いに気持ちが救われたと…そして自分は水を提供してあげられる側だった事に感謝すべきと思っています。


そんなこんなで、1人で仕事をしつつ水の提供・洗濯機の案内を夜中までしてて…自宅に帰るのも面倒で、ほぼ10日間・店の中に居たので…外の様子がよく分かってなかったのですが…

呉市役所・隣の中央公園…臨時の蛇口増やして旗立ててあったのね!?
公衆トイレも使えたし、駐車場は無料開放されてたのね!?

結局…堺川沿の公園の水道やトイレも使えてた訳ですよね?

何となく そーなんかな?とは思いつつ…自分が確認しに行けなかった為お知らせする事ができなかったけど…

何で水が出てた公園や学校の情報をHPに掲載したり、市内放送かけてくれなかったんですか!?水出てる地域に旗立てても意味無いじゃん!お知らせしないと!💢

断水解除1〜2日前に1人ブチギレる。

市役所の方々も同じ被災者。不眠不休で頑張っておられたと思う。けど、一般市民もまた不眠不休だったんですよ。


7月15日
川尻や島嶼部の一部地域を除いたものの…広範囲の地域が徐々に断水解除となりました。

15日は もはや丸1日 誰1人お水を汲みにも洗濯しにも来られなかったので、夜になって「水出てますよ!」の看板を そっと収めました。

断水中は、お水仲間の龍君と「断水終わったら一緒に泣こー!!」と励まし合っていたけれど…

断水解除になってきたものの…災害復旧はこれから始まる。泣いてるヒマは無い。

同じ被災地でありながら、何の被害も無かった私達だから出来る事、するべき事…



何かの終わりは、何かの始まり…