突然ですが、貴団体・貴社でサポートしている外国人に何かトラブルが起きたとき、周囲はどんな反応をしますか?

 

支援機関は「受入企業の現場の指導が悪いからだ」と言い、

受入企業は「現地送り出し機関の選定や支援機関を含めて教育がズサンだったせいだ」と怒り、

お役所は「提出された書類に不備がある」と突き放す。

 

誰もが自分の正当性を主張し、結局、問題の根本は解決しないまま──。

現場で一度でも苦い経験をされた方なら、この「責任のなすりつけ合い」の構図に、強い既視感を覚えるはずです。

なぜ、日本の外国人雇用はこれほどまでに冷酷で、機能不全を起こしているのでしょうか?

その原因は、関わる人間の悪意ではありません。

日本の外国人雇用制度の根底に流れる【縦割り行政の病理】にあります。

── 誰も「一人の人間」と「企業の経営」を見ていない

現在の日本のシステムは、驚くほど細切れ(縦割り)に管轄が分かれています。

出入国在留管理庁(入管): 「不法滞在を防ぎ、厳格に管理・審査する」ことが至上命令。

厚生労働省(労基署): 「最低賃金や労働法を遵守させる」ための労働環境チェック。

文部科学省: 「日本語教育の標準化」を掲げるが、就労現場のニーズとは乖離。

それぞれのお役所は、自分の管轄のルール(書類)さえ守られていれば満足します。

その結果、何が起きているか。

「一人の外国人の人生」と「それを受け入れる企業の経営戦略」を、入口から出口までトータルで設計し、責任を持って伴走する存在がどこにもいないのです。

ビザは行政書士、労務は社労士、生活支援は登録支援機関。

専門家といえば聞こえはいいですが、境界線で起きたグレーな問題は、すべて「誰の管轄でもない」と放置されてきました。この縦割りの隙間で、受入企業も、外国人本人も、そして真面目な支援機関も、だれが何をどうするのか、どうしてくれるのかと待ちの状態です。

── 育成就労でも、お役所は「言い訳の防壁」を作るだけ

「新制度になれば、きっと国が素晴らしい仕組みを作ってくれる」

もしそう期待しているなら、今すぐその幻想は捨ててください。

制度が変わる大転換期において、お役所や大手機関が真っ先にやることは決まっています。

自分たちが責任を取らなくて済むように、「責任をなすりつけ合うための新しい防壁(言い訳ルール)」をより複雑に構築するだけです。

だからこそ、私たちは今、意識を180度変えなければなりません。

行政の縦割りに振り回される側から、それらを俯瞰してコントロールする側に回るのです。

── 必要なのは、全ての境界線を越える「横断的ナビゲーター」

これからの激変期を生き残る支援機関・企業に絶対的に必要なのは、書類の代行屋ではありません。

企業の財務や資金繰り(金融の視点)がわかり、

現場の労務と、医療・介護などの業界特有の事情(実務の視点)に通じ、

入管やOTITの行政ルール(法規の視点)を熟知し、

外国人のメンタルと日本語教育(人間教育の視点)を統合できる。

このすべての領域を横断し、「育成就労 ➔ 特定技能 ➔ 技術・人文知識・国際業務 ➔ 高度専門職」へと途切れることなくつなぐキャリアパスを、その企業のためだけにオーダーメイドで設計できる存在です。

これらを一気通貫でコーディネートできれば、縦割り行政の罠に落ちることはありません。企業にとっては「他社へ逃げられない最強の定着戦略」になり、外国人にとっては「日本で夢を叶えるロードマップ」になります。

誰も全体を見ていない今までだからこそ、その「全体を見る目」を持つ。

それこそが、1年後に絶対に真似できない圧倒的な強み(コア・コンピタンス)になります。

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