花澤香菜の春待つワンマン、バンマス佐橋佳幸の一夜限りアレンジで | Are You Rock&Roll~あなたはロックはお好きですか?~

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花澤香菜のワンマンライブ「KANA HANAZAWA Concert 2018 "Spring will come soon"」が、2月10日に東京・新宿文化センターで開催された。

 

花澤はギタリスト佐橋佳幸をプロデューサーに迎えたニューシングル「春に愛されるひとに わたしはなりたい」を2月7日に発表したばかり。この日のライブも佐橋がバンマスを務め、佐橋の呼びかけにより集まった堀江博久(Key)、白根賢一(Dr / GREAT3)、高桑圭(B / Curly Giraffe)、毛利泰士(Perc)、三谷泰弘(Cho)、ハルナ(Cho)、ENA☆(Cho)による一夜限りのアレンジで新旧のナンバー全18曲が歌われた。

 

ライブの幕開けを飾ったのは、2014年発売の2ndアルバム「25」に収録された「バースデイ」。花澤のアカペラに3人のコーラスのみが重なるアレンジで歌われ、ホール内は神聖なムードに包まれた。2曲目の「Silent Snow」はエッジの効いたギターカッティングを軸に進むロックなアプローチに。冒頭からオリジナルとは異なる佐橋ならではのライブアレンジで観客を驚かせた花澤は「一聴してなんだこりゃだったでしょ? なんだこりゃな人なんです」とバンマス佐橋を紹介した。

 

花澤がワンマンライブを行うのは、昨年春に実施された4thアルバム「Opportunity」発売記念ツアー以来。ひさびさのライブとなったが、花澤は前日に教わったヨガでパワーがみなぎるツボ・丹田に意識を集中したら、なぜか俳優の水谷豊の顔が浮かんだという不思議なエピソードを突然話し始めたりと、ブランクを感じさせないリラックスムードでステージを楽しんでいた。

 

「ちょっと楽しい曲を続けてやりましょう」という佐橋の言葉に続いて歌われたのは、「happy endings」「透明な女の子」「初恋ノオト」といったシングル表題曲。どの曲もやはり佐橋を中心としたバンドの考案によるオリジナルアレンジが加えられており、秦基博提供のバラード「ざらざら」もオリジナルの穏やかな印象を残しながら、よりドラマチックに表現されていた。その後は花澤と佐橋のみがステージに残り、花澤曰く「まったりコーナー」へ。「君がいなくちゃだめなんだ」はアコースティックギター1本の演奏でエモーショナルに、「Trace」はガットギターの艶やかな音色に乗せて歌われた。そして2人は堀江を呼び込むと、ニューシングルのカップリング曲「ひなたのしらべ」を初披露。佐橋のギターと堀江のアコーディオンのみで演奏される優しい楽曲がライブで再現された。バンドメンバーが再び集結すると、同じくニューシングルからの楽曲「夜は伸びる」と表題曲「春に愛されるひとに わたしはなりたい」が続けて披露された。

衣装をチェンジして再登場した花澤は、ここで「1曲だけカバー曲をやろうと思います」と、自身がセレクトした槇原敬之の「もう恋なんてしない」を歌うことに。槇原のオリジナルでもギターを演奏している佐橋による、ボトルネック奏法を取り入れたきらびやかなアレンジで、場内は大きな歓声に包まれた。花澤は「ライブもあっと言う間に後半戦です! 盛り上がっていきましょう! イエイ!」と煽り、「25 Hours Day」のモータウンビートに合わせて飛び跳ねる。「CALL ME EVERYDAY」では恒例の「もしもしタイム」でコール&レスポンスを繰り広げ、最後は疾走感あふれるギターロック「あたらしいうた」で駆け抜けた。

 

アンコールの1曲目に歌われたのは、あまりライブで披露されることのない「25」収録曲「flattery?」。アコースティックギター、ウッドベース、マンドリンを取り入れたピースフルな演奏に、観客もハンドクラップを合わせた。花澤が次に「佐橋さんアレンジでこの曲を聞いたらどうなるのかな?」とアンコール曲に選んだのは、デビュー曲にしてライブの定番曲「星空☆ディスティネーション」。作曲者の北川勝利(ROUND TABLE)がバンマスを務めるバンド・ディスティネーションズの演奏とはひと味違ったアレンジながら、いつも通りのシンガロングで場内は一体となった。花澤はバンドメンバーに感謝を伝えて見送ると、最後は再び佐橋と2人きりに。2013年発売の1stアルバム「claire」で彼女が初めて作詞を手がけた「おやすみ、また明日」を佐橋のアコースティックギターに乗せてつぶやくように歌い、「これからも皆さんの日常に寄り添えるような、素敵な音楽を作っていければと思います」と笑顔で伝えた。