なんとも寂しい、休日の暮です。


敬愛する上司の訃報を聞いたのは、昨日の朝でした。




私が、この仕事をしている上で、多大な後押しをしてくださった、

元店長です。




同じ店にいた頃は、

お叱りを受けることもありましたが、

言われることには納得ができ、後で笑い合える関係でした。



昇進して、エリア統括マネージャーとなってからは、巡回にいらしてお会いするたび、

私が本部に出向いて、お会いするたび、

「大丈夫?元気でやっているか?」と、ことばをかけて下さったり、



電話を受ければ

「ぴんくまさんの声を聞くとほっとするよ。」と言ってくださったり。





今でも信じられません。


巡回中の他店舗で、突然倒れられ、

そのまま、心肺停止で亡くなられたとのことでした。



まだ50歳の若さ。

単身赴任中で、高校生くらいのお嬢さんがいたはずです。



仕事の始まりに聞いたその衝撃的なニュース。


それでも何事もなかったように、仕事を進める周囲の人達。

そして私。


身体は動いているけれど、

心が止まったままだ。


表面に出してはいけない・・・。




噂好きたちが、この衝撃のニュースに沸き立つのを見るのも嫌だった。







6時を過ぎて、


高校生バイトの子が出勤してきた。


現場に来るまでに、この噂を聞かされたのだろう。


表情に深い悲しみが見て取れた。



このことについて語ることがその時間までなかった私。



思わず、彼女に歩み寄った。


「聞いたのね。」



小さく頷いて、声を出せない様子だった。




元気ハツラツの働きぶりが、元店長の目にも可愛らしく写っていたことだろう。

たくさん、可愛がっていただいていたはずだ。



しばらく無言で目を見つめ、




私の方が大人だから、泣くわけにも行かず。


「この話をする相手にやっと会えた。涙が出そう。」とだけ。


うつむいたまま、返事はない。


「たくさん思い出があるから、楽しいことだけ、ときどき思い出してあげようね。」


そう言って彼女のそばを離れて、衝撃から8時間ぶりに、「悲しい」という感情に包まれた。






彼女は、誰とも絡まず、黙々と体を動かして、必死で涙をこらえ続けていたようだ。




気持ちが通じるのに、やっぱり年齢は関係ないんだなあと、しみじみ。







ご家族の元に戻られ、


眠られている、元上司。



本当にお疲れ様。


単身赴任を解かれる約束からも、数年過ぎてしまって。






せめてご家族が、ちゃんとお別れを言うまでの時間を、


神様はなぜ与えてくださらなかったのか。


苦しみを長引かせることなく、召されることが運命だったのだろうか。






公共の場所にAEDの設置が増えてきているとはいえ、


秒を争う事態に対応できる人間が常駐するのは難しい。




もし私の目の前で、お客様が倒れたら・・・。




そんなことを、考えていました。







時は流れ、

人は確実に年を取る。





順番は守ってほしい。


切実に、そう思う日。