最近、インスタグラムを見ておりましたら、Threadsにて、こんな投稿があるのを見つけました。




『正直いうよZ世代のやってる音楽は電子パッド1枚で収まる音楽なんだよ。

理解してほしい。
実際の生楽器やっている人と一緒にされちゃ困るぜ?

ギターのチューニング、打楽器のチューニング、
生の楽器は生き物レベルな訳よ。

それを理解してから何故?未だにレコードが売れ続けるのかが分かるよ。

君たちには認識出来ないレベルよな。

レコード聴きなね?』


という。返信しようかとも思いましたが、この手の人に何を言っても会話になるわけがないです。

で、僕は今年で46さい、子供が小さいのでライブには最近行けていませんが、音楽はわりと好きな方です。この年で珍しいかもしれませんが、自分が20歳頃までに聴いてた曲、つまりなつメロをほとんど聴きません。で、上記の方とは違う意見を最近の音楽に対して持っていますので、ちょっと聞いてもらえませんか。ところで電子パッドってなんです?タブレットですか?16パッドのサンプラーのことですか?上記の方はもうちょっと教養をつけてから他人の目に触れるところに文章を上げるべきなのでは。あおり記事だし。

それでは、いい感じに思ってるところも最悪だと思っているところも、順不同に語りますよ。

◯演奏と歌がうまい。

特に歌。こんなもん誰が聞くねん、てレベルの人でも、歌や演奏は本当に上手いですね。勢いしかなく、けれどそれがいい感じな高校生とか死んじゃったんですかね?演奏もほんとに上手くて、みんな十年早く生まれてたら、なんらかの形でプロになれる人ばかりなのでは。。。もちろん、修正はしているかもしれません。けど、やったことがある人ならわかると思いますけど、相当慣れてないと、下手な歌とか演奏を自然な感じで上手に聴こえるようにするのって難しいし時間かかりますから。英語もうまいね。


◯その分テンプレ感

歌や演奏は上手いのですが、なんかテンプレ感を感じることは多いですね。こういうメロディなんで、トラックはこういうジャンルで、こういう楽器を入れて、こういうフレーズにして、コードは当たらないように、歌詞もこのテーマで。。。おっと、埋もれないように、この強度の、こういう言葉を入れなきゃいけないんだった。。。みたいな。で、自分はこういうのが得意だからこういう曲をやろう(好き嫌い関係なし。売れるかどうか)。的な。

売れるもの、人に刺さりやすいものを作るのは音楽で名を上げようとするみなさんにはすごく大切なんだとは思います。けど、われわれリスナーは、みなさんが心から『これだー!』て思うものを聴きたいんです。売れそうな条件のコラージュではなく、そういうものからハミッちゃったものを聴きたいんですよね。で、ありふれたジャンルを演奏しててもその部分をブッ刺せるのが『表現力』という武器なのでは。磨いてください。

じゃあ、昔のアーティストにはそれがあったのか、という話ですが、正直、それはわかりません。しかし、昔の人は上手いアーティストばかりではなかったし、今より多少音楽を楽しむハードルは高く、娯楽の種類も少なかったのでこちらから音楽に求める気持ちも強かったように思います。なので、そこそこの歌や演奏からは上手いだけの人よりはアーティストの人となりが伝わりましたし、こちらも、3千円で買った1枚のアルバムを、1000円聴き放題のプレイリストよりは一生懸命聴いてたかもしれません。スマートフォンとかもないので、音楽専用のなんらかの機械が必要でしたし。


◯ジャンルへの忠誠心

上に書いたことと矛盾する話になってしまうのですが、最近の若いバンドを聴いていると、ぼくが若かった頃のバンドよりも、自分が属するシーンとか演奏するジャンルへの思い入れを感じます。で、より濃いものが生まれていると感じます。

ここが僕の世代の人と違うところで、僕の世代の人のアルバムって、色んなジャンルの曲が入ってたりするんですよ。ほんとに幅広くて、その引き出しの多さ(プロデューサーかもしれませんけど)にはびっくりするのですが、逆に器用に色んなものの『っぽさ』をいれてるだけでもあるんです。そういうのが本当に寒くて。。。

最近の人のアルバムとかを聴くと、見事に金太郎飴状態のアルバムもけっこうありますし、他の要素を入れる時はそっちのジャンルの人をちゃんと呼んできて、互いに主役を取り合う形でコラボレーションしてて、

俺の生き方はこの音楽


て決めてる感じが伝わってきます。ちょっと海外のバンドみたいですよね。まあ、音楽なんで、その国らしさがあっていいんですけど、今のアーティストのその姿勢はほんとに好きです。こういう姿勢の人は、僕の時代は、ほとんどアンダーグラウンドな存在だった気がします。売れてるバンドにもいましたが、少数派でしたね。



◯DTM感

一番上の『レコードききなね』なジジイが言いたいのはこれなのでは。最近のアーティストの音楽が生物じゃない、なんてことはみじんも思いません。しかし、曲を聴いてて、メンバーの汗とか、苦悩、よろこび、演奏の熱さとかよりは、パソコンに向かってレコーディングしている姿の方が浮かぶな、て曲が多くなった気がします。コロナ禍のせいもあるとは思いますが、全てが合理的に、簡潔に、整然とシンプルにまとめられ、なんか音楽っつーよりは意識高い系のお手本を聴いてるような感じがしたりもしますね。ただ、この流れ、もう随分と長く続いてます。それに、インタビューとかを読んでいると、ライブ感や、その一瞬の感情の爆発をとらえるためになるべく1発撮りや、少ないテイクでのレコーディングを志向するバンドも多いみたいですから、単に今は、こぢんまりとした、整然とした音がトレンド、ということなのではないかな?と考えています。

レコードがメインの時代の曲に名演が多いのもたしかにそうなんですけど、今の音楽との差を嘆く人がいるのは、単に人間は長生きで、若い頃の音楽の趣味が変わったりせず、それでいて、自分が追っかけてたものが廃れるとさみしくなってしまう生き物、てことなんじゃないかなー。

だから、古くなってしまったものをわざわざ現在進行系のものと比べる必要なんてないし、肌に合わない曲を無理に好きになる必要なんてないんですよ。


◯断絶感

僕の若い頃。。。というか、ポップミュージックは基本、若い人のものですし、その世界観の中では僕のような年代のものは容赦なく老害で、アタマが硬く、邪魔なもの、てのは別に否定しません。僕の時代もそういう曲がたくさんありました。だからといって、かしこい若い人は、尊敬できる先人を身近にみつけ、厳しい中からも、学びを得ている。。。のも、今と同じ。僕も先人の世代になり胸を張って


若いやつはもっと俺らから学べよ!


なんて、口が裂けても言えないほど、今でも迷ったり転んだりの生き方しかできていません。しかし、今も昔も、向上心のある人、やる気とか目標のある人は、上の世代との交わりを自分から求めてますから。そこを否定するのは所詮、くだらない大人しかいない環境に入っていくしかない低レベルな子というか。
音楽からも、それは伝わってきます。特に最近の若い人はすごくファンクとかブルースのフィーリングを身に着けていて、


何を聴いてきたんやろ。。。てなります。僕の聴いてた頃のアーティストも、海外の色んなバンドの名前を口にしてましたけど、そのへんのフィーリングを身に着けている人とかはマスのレベルにはいないと感じました。。。今の若い人はすごい。。。



でも、それと同時に、最近の曲からは、

若い人以外お断り


て空気をビリビリ感じて、震え上がる時があります。まあ、若い時、僕はオジサンではなかったので正確ではないかもしれませんが、昔の曲って、例えばたまたまあるバンドを耳にした当時のオジサンが、


最近の若いやつって、こんなこと歌ってるのか。でも、オレも若い頃はこうだったかも。

て、思って、何を思ったかそのバンドを見に、若い子だらけのライブハウスにフラーっと行って、後ろの方で棒立ちで見てても、ファンの一人としてなんとなーく受け入れられそうな雰囲気がありました。けど、最近の音楽を聴いていると例えば僕が同じことをしたら、急に曲が止まり、ボーカルかなんかが


自分たちの音楽に老害はいらないんで。くさいんで出てって。


てたたき出されそうな空気感があります。音源でそう思ったんで、現実にはわかりませんけど。ライブ映像をYouTubeで見ても思ったかなー。でも、ちゃんとチケット代を返してくれそうな空気感もあります。ちょっとさみしいね。

しかし、ポップミュージックの中の大人は、若い子たちの敵であるべきだと常々思っていますので、それはそれでいいんですけど、

このバンド、すごくいいけど、この人たちは俺には聴いてほしくないと思ってる。。。てことを思いながら曲を聴くのはつれーな!

◯総論

で、今のアーティストの曲を僕のようなおじさんが聴いて思うのは、J-POP、ここまで進化したんだな、ということ。例えばCreepyNutsや、YOASOBIの世界的なヒットを時代やアニメの影響だと捉える人もいますけど、僕は違うと思うんです。J-POPがJ-POPになったからなんですよ。昔の音楽はどこか洋楽を上に見てて、どこかそっちになりたい人も多くて『愛すべき劣化コピー』みたいなのが多かった気がするんです。でも、今の日本の音楽はいよいよ、


日本のポップミュージックはこうだよ。日本の音楽以外にはこういう歌や演奏は聴けないんだよ


と言える感じになってきたんじゃないかと思います。それは別に日本から新しい何かが生まれたということではなく


日本のロック、日本のメタル、日本のファンク、ヒップホップや色々。。。


という風に、後追いじゃない、日本の個性を持った本格派の新星が出て来ているということなんじゃないかな、と思ったり。。。



しました。と言ってもひとりのおじさんなんで、受け入れられる音楽ばかりではありません。でも、壁を作らなければ、触れられる新しい楽しさはたくさんあるのではないでしょうか。でも実はCDとかレコードの良さもガッチリ今でも楽しんでるんですよ。