注意:

このブログは妻が辛い闘病生活を終え、天国へと旅立ったあと、ブログ主が妻との人生を振り返る目的で書いています。

長期間にわたることから記憶違い、記載間違いなどが起こる可能性は極めて高いです。ただ、わたしたちの経験してきた歴史はまごうことなき本物です。

それをご承知のうえでお読みください。

また、わたしの妻がどういう人間であったか。皆様の心の中に少しでも印象づけていただけたら幸いです。

 

前回からの続き

京都嵐山への旅行は、嵐山周辺に限定していたことから、散策主体のとても良いものでした。渡月橋のうえで暮れていく日を眺めて、とりとめのない話をずっとしていたのをなんとなく覚えています。

夜になると、渡月橋がライトアッブされ、それが川面に映り、なんともいえない幻想的な美しさでしたね。

川を流れる水の音も癒し効果があって、とても穏やかな気持ちでホテルに帰りました。

 

さて、みなさんご存じのことと思いますが、嵐山周辺は、春は桜、秋は紅葉と四季折々の美しい表情を見せてくれます。

わたし達は初夏に行きましたが、晴天に恵まれたこともあって、周辺の山々は緑一色。濃淡はありましたが、それがまた絶妙な美しさを構成していて、溜息をつくほどの美しさでした。

 

渡月橋、天龍寺、竹林の小道へと回り、最後はまた渡月橋まで戻る。

その間、二人でずっと手を繋いでいました。

恋人同士ですから当然。スキンシップしていたい。歩きながら時折彼女の顔を見ると、視線に気づいた彼女がにっこり笑って、「ん?」と首をかしげる。

くっそー、なんという可愛らしさだ、と思いながら、「いや、見ただけだよ」と言って、手を引っ張って先に進む。例によって彼女は「あはは」と笑いながら小走りに着いてくる。その繰り返し。

いや、絵にかいたような幸せな時間ですね。

 

ただ、問題は初夏。

繋いだお互いの手がじんわりと汗ばんでくるのでした。

 

実は、彼女は汗かきさんで、いつも片手にハンカチを持って歩いていました。

因みに多汗症ではありません。

強いて言うなら、ぽっちゃりさん?、むっちりさん?(殴られそうだな。。)であることが原因でしょうか。

 

「いつもハンカチを手に持ってるよね?」と訊いたら、「なんか落ち着くんだよね」と彼女。

「ぽっちゃりさんだから(汗をかく)じゃなくて?」と全くデリカシーのないわたし。

「どうせ肉肉(にくにく)してるよっ!」と笑う彼女さんなのでした。

 

こうした彼女の天真爛漫な性格、明るさは、結婚してからどれほど社会生活で荒んだわたしの心を癒し、慰めてくれたことか。そしてそれは彼女が病気をしてからも、その生涯にわたって変わることはなかったのです。

 

こうして京都を後にしたわたしたちは東京に戻ります。

彼女は実家住まいですので当然実家に。

わたしは埼玉県の寮に変わっていたので新宿でバイバイして1993年最初の旅を終えたのでした。

 

寮に帰ったわたしはすぐに次の旅行計画を考え始めます。

次に向かうは夏の南房総。

当時は海ホタルもなく、果てしなく遠いという感じがしたものです。

 

次回に続きます。