抗がん剤は効くかも知れないし、効かないかもしれない、と言われる。

抗がん剤が効くことを奏功するといい、程度を奏効率という。

 

妻の子宮平滑筋肉腫も含め、肉腫は抗がん剤に対して抵抗的であり、治療効果は乏しいとされる。これは子宮平滑筋肉腫を直接標的とした抗がん剤が存在しないことによるものと考えている。

何故に存在しないかというと、子宮平滑筋肉腫をはじめとする肉腫全般が希少癌であり、症例数が極めて少ないためだ。

また、少ないが故に製薬会社が研究に多額の費用を投入することを躊躇するということもあるだろう。投資の回収ができないためだ。

よって、開発費用という意味では政府の援助が絶対的に必要と思われる。

 

ネットで調べると、近年、名古屋大で子宮平滑筋肉腫を直接標的とした研究が行われており、その内容を窺い知ることが出来る。

長期にわたって闘いを強いられている患者にとって一縷の望みをかける励みになりえるものと思う。

参考のためurlを付しておく。

https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2022/0318/index.htm

https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/Pha_230224.pdf

 

さて、子宮平滑筋肉腫の第一次選択となる抗がん剤の奏功率は20%から30%。

はっきりと分からないが、ドキソルビシンと思われる。古い薬ではあるが、これが一番効果が出やすいとのことだ。

第二次選択以降の抗がん剤は生存期間をわずか2-3か月延長させることが出来るだけ、とあり、薬価も高価。単純に高いわりに効きが悪いといえよう。

 

こうしたことから、毒性の強い抗がん剤が心身に与える影響を勘案し、QOLを重視して、何もしない、という提案がしばしばなされる。(あくまで主観です)

理論的に間違っていないようにも思えるが、まだ闘えると思っている患者にとって、医師のほうが先に白旗を挙げてしまっているように感じ、不信感を感じてしまうのは止むを得ないことと思う。

 

この低位の奏効率は、統計情報としては間違いなく、客観的に見ても妥当な数字であることは間違いない。

ただ、この奏効率というものは患者から見た場合、シンプルに、やってみてダメだった、いや効いた、というだけの話であり、奏効率は単純に50%になるのであって、端からやらない、という選択にはならない。

よって、心身状態と常に相談しながら、多くの情報を収集して、その時々で薬剤を選択していくことになる。

 

ところで、、

 

医師から完治することはない、QOLを保ちながら可能な限り延命措置を続ける、という説明が良くされるが、まだ元気なうちは「はい、そうですか」と納得する患者や患者の家族はあまりいないのではないかと思う。(あくまで主観です)

抗がん剤を使用し、全身状態を改善し、なんとか局所治療に持ち込む。

つまり手術による病変切除の可能性を信じて治療を続けていくのではないか。(あくまで主観です)

そのため、抗がん剤治療だけではなく、食事や運動といった生活習慣の改善など、やれることに努力することになる。

 

妻の場合、抗がん剤治療は現病院で行って、他の病院での局所治療の可能性を探る、ということをやっていきたい。そのために成長を続ける転移腫瘍を抑え込む必要がある。

出来るなら、保険適用となってきている治療方法、重粒子線、ラジオ波、など全ての治療方法を兼ね備え、設備も充実している病院で診てもらいところだが、無いモノねだりということなんだろう。

でも、多くの患者さんやその家族の方は同じ要望をもっているのではないかと感じる。

(あくまで主観です)

病院には、「やっていないんですよ、その治療」ではなく、やっていないならやれる病院を紹介、または、果敢に取り組むということをやって欲しい。

転院しろとか言わないで、である。

 

それが地域病院にお願いしたいところである。