2023/9/5

もともと術前検査のために予定していた本日。

状況が変わったことにより、予定を変えて主治医と今後の治療方針について会話した。

 

まず、セカンドオピニオンの結果踏まえて現病院で治療継続するのか、K総合病院で治療するのかを確認された。

どちらの病院も現段階で手術をするのは推奨しない、という意見である以上、遠方の病院での抗がん剤治療をするリスクも考えて、現病院で治療をお願いしたいという話をした。

 

ただ、要望として、抗がん剤治療が一段落した時点で再度紹介状を書いていただき、K総合病院のT先生にセカンドオピニオンをお願いしたいと思っている、という話しをした。

 

主治医からは難色に近いものを示された。

理由はセカンドオピニオンの目的が、現病院での検査に加えて、K病院でも検査して治療方針を提示してもらうことにある、と言ったからだ。

主治医からは「両天秤にかけるようなやり方は。。」と言われたが、現実問題として今回K総合病院で画像診断をしてもらわなかったら、当初提案どおり手術が選択され、結果として多くの肺腫瘍が残存することになったハズ。。

しかも右肺は下葉を失い、術後の回復が終わるまでは抗がん剤治療も出来ないという状態に陥ったハズなのだ。

取り残された腫瘍は急速に大きくなることが見込まれるので、最大腫瘍が切除出来たとしても再発が繰り返される結果になったかも知れない。

正直、そうした事態はギリギリで回避できたと思っているわけだが、それもこれもK総合病院で画像検査をしたからだと考えている。

 

話が混みあってきたので改めて時系列的に整理しておく。

2023/7

右肺に3個。左肺に1個という再発転移が見つかった時、主治医からの治療提案は、右肺の最大腫瘍である4cmのものは切除、他の腫瘍は経過観察または抗がん剤治療。

2023/8

①胸部外科との連携で右肺の腫瘍は割と近いため、下葉をブロック切除して全てを取る、左肺は重粒子。手術後は補助化学療法はせず経過観察。

➁手術せず、抗がん剤治療

③何もしない

私たちは①を選択したが、さらに補助化学療法を組み合わせて欲しいと依頼。

腫瘍がすべて処置でき、薬の効果を確認する腫瘍がない状態で抗がん剤治療をするのは無意味と難色を示された。

よって、手術をするという話は、いわゆる目に見える取り残しは無い、という判断のもと下された方針だと考えている。

2023/9

K総合病院での検査によって右肺は3個ではなく7個であることが判明。内2つは新発である可能性が高い。左肺の腫瘍は明らかな変化なし。

また、最近の研究結果で分かった肺転移の手術を推奨する4要件(過去ブログ参照)は全て外れている。よって手術は推奨せず、抗がん剤による右肺の制御を最優先。これがK総合病院T先生の判断。

重粒子線の適合確認をしに行ったQ病院の医師はT先生の治療方針を支持。

現病院も状況が変わったことを受け、手術はするべきではないと判断。

 

こういう経緯をたどった。

こうした事実がある以上、両病院での検査結果、治療提案を勘案し、より良いと思う治療選択をしたい、という希望を持つことは許されないことなのだろうか?

セカンドオピニオンで行った先の病院は提供されたデータ、情報で判断するのが普通と言われたが、行った先で検査してもらうのはいけないことなのだろうか?

同じ病院に何度もセカンドオピニオンに行くことは普通ではない、と言われたが、行ってはいけないのだろうか?

議論は1時間弱にも及んだ。

 

そもそも論だが、K総合病院ではT先生から肉腫の病状の詳細と、治療方針の選択理由をロジカルに説明していただけた。一方、主治医との話は上記のような病院のルール説明が主となってしまっている気がしている。

実際問題として、細かい肉腫の病状説明はあまりされたことがないからだ。

こうした話の中、わたしの話の仕方が良くなかったのかも知れないが、主治医から「どうしてもK総合病院での検査をしたいなら、もう転院したほうがいいんじゃないですか?」と言われたのはさすがにショックだった。

わたしもビックリしたが、家内はよりショックだったようで自宅に帰ってから、かなり塞ぎ込んでいた。。

 

T先生はこう言われた。

肉腫は希少がんであって、専門家は少数であり、かつ全国に散らばっている。治療実績、経験の有無が全てであり、地元の病院で出来ないことは出来る病院、医師でやり、地元の病院で出来ることはそちらでやる、これが希少がんにおける地域医療連携の理想。

ただし、病院は一つ一つが一国一城の主であって、必ずしも理想的な状態が作り出せるわけではない。

 

ここまでの理想を求めて主治医と会話したわけではなく、セカンドオピニオンでK病院での検査も受けたい、と言ったわけだが、1時間弱を費やしたこの会話の結果は、結論の先送り、となって終わった。

理由は抗がん剤治療を一刻も早く行いたかったからだ。

少なくとも、現時点で先の話をしてこれ以上時間を浪費するわけにはいかない。

抗がん剤治療が一段落した時点で改めて会話しましょう、ということになった。

 

何度か言及したが、わたしは主治医を責めるつもりは全くない。

組織の中での立場もあるし、病院のルールもある。主治医だけの判断でルールを逸脱することは出来ないと思っているからだ。

現に、セカンドオピニオンについてはペンディングとなったものの、職務は誠実に実行してくれている。

入院手続き、抗がん剤治療の日程調整は主治医の手配のもと迅速に進んだ。

感謝している。

 

2023/9/11

来週の月曜日入院。

初めての抗がん剤治療がスタートする。