ホスピタリティ・ホテルウーマン中村裕美【2】 | 高橋秀之の小説

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この物語はフィクションで登場人物他

実在するものと何ら関係ありません。


(ホテルウーマン中村裕美の闘い・続編)


ホスピタリティ・ホテルウーマン中村裕美2011

ホテル帝都グランド大阪研修生   【2】


 長谷川は、唐沢の顔を見つめながら

 「唐沢くん、それにしてもきみは怖い女だな。僕はきみに頼まれ彼女を

辞めさせようとしただけではなく、若い奴らを使って襲わせもしたんだぜ」

と言いながら、唐沢を引き寄せた。

 『あなたも、御裾分けを受けたんでしょう。聞いて知っているわよ』

 「何を、知っていると言うんだね?」

 『あなたも、その若い奴らとやらと同罪だってこと』

 「俺は、車の運転をしていたが、後部席で必死に抵抗する声を耳にして

いたら、無理もないさ。しかし、きみがどうして知っている?この地獄耳が」

 何か言おうとする、唐沢の口を長谷川が塞いだ。


 しばらくした後、長谷川が唐沢に問いかけた。

 「先ほどの宴席で、山川係長がフロントが何かゴタゴタしている様な事を

口走っていたが、何かあるのかい?」

 『あー、岩谷と田島の事ね』

 「岩谷と田島?」

 『フロントにいる昨年の新入社員なんだけど、二人が揉めているのよ』

 「揉めているって、何を?」

 『わたしは、岩谷が言っていることの方が正しいと思うけど、田島の方は

自分の彼女のことだから』


 長谷川が苛立たしそうに

 「もっと、分かりやすく詳しく説明しろよ」と唐沢を見る。

 『田島は、真鍋千尋という彼らよりも二年先輩のフロントの子と付き合っ

ているの。岩谷が、その真鍋が挨拶をしないときがあると指摘したのよね、

そしたら田島は自分にはいつでもどんなときにでも彼女は挨拶をするって

答えたらしいわ。話は他愛も無い事のように思えるけど、岩谷は、おまえ

にはどうだか知らないけれど、お天気者のような真鍋なら気分次第で客

に対する態度が変わるって食い下がったものだから田島が手を出したの

よ。わたしは、真鍋の日常を見ていて岩谷の言うこが的を得ているように

思えるけど』

 「なるほど、そんなことがあるのか。きみも主任なのだから、山川任せに

せず、揉め事は収拾させるようにな」


 一方、中村裕美の方は帝都グランド大阪の研修生として連日研修を受

けていた。

 帝都グランドでは、新入社員を一年間何処にも配属させずにサービス職

として研修指導を受けさせる。

 そして、その一年間の間に一人一人の適正を見抜き、一年後に各々の

相応しいと思われる職場に配置し、帝都グランドを代表する者として客の

前にデビューさせる。

 客に不快感を与えないというだけでなく、満足感や優越感を与えるホテル

マンとしてデビューする。