小劇場クルーズ~この素晴らしき役者たち~

小劇場クルーズ~この素晴らしき役者たち~

最も身近で自由な表現方法である筈の演劇なのに、ごく一部の人々がその恩恵に浴しているだけの現状はとても寂しい。
人知れず才能と輝きを秘めた役者や深い感動をもたらす舞台が、星の瞬きのように次々と光っては消えを繰り返し永遠に忘れられるでは、本当に勿体ない。

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くによし組『人人』 [王子駅・花まる学習会王子小劇場、~ 2020/03/02 (月)]を観てきました。

 

 

忍者の末裔である忍者学校の生徒たちは、外の人間と触れ合うことなく隠れて生きていた。
人口減少により一般の学校と合併することになった彼らは、コミュニケーション力の高い一般学校の生徒たちに戸惑う。そんなとき、ある事件が起きた。

「だってこいつら、おかしいじゃん」

人と人は関わらなければいけないのか? 
コミュニケーションは誰のものなのか?
禁断のディスコミュニケーションに足を踏み入れる、「人」と「人」のお話。


                                                                                 ~説明文より~

 


あらすじとタイトルからもっとライトなものを想像していたが他の方はどう感じたのだろうか!?福祉の現場に従事している為、現実と重ねて後半はボロボロ泣いた。
人気者多数出演の座組みさながらに客席・終演後のロビーに一杯の関係者も豪華。
1回でも十分楽しめますが、心をかき乱されていると余韻に浸る間も無くテンポ良くどんどん進行していくので2回観ることをお薦め。[私も2回鑑賞してます]
 *可愛らしい女優陣を沢山揃えている、ある意味反則の座組み(笑)

 

【以下、ネタバレ注意】

作・演はどうやら女性みたい。音響効果[ヒップホップが好きなのかな?]・舞台美術・中性的でどこか倒錯的な危うい仕掛け等のセンスも良い。
劇中“ニン・ニン”の掛け声が飛び交う登場シーンでは劇伴を創って流したら一層楽しさ倍増かも。

 

 

佐藤佐吉演劇祭2020 参加作品とのことですが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、3月3日(火)以降に上演する全作品ならびに佐藤佐吉落語祭の中止を決定した模様。

 

やみ・あがりシアター 『ロケットペンシル×ドレッドノート』(時代を彩った沢山の大ヒットアニメをオマージュしつつ現実世界とを行ったり来たりが絶妙で、最高に馬鹿馬鹿しくて毒も有りとんでもなく可愛らしい-これぞ演劇ならではの手作り感満載の傑作!!) は既に観劇済みだが、その他3団体ほど観劇予定していただけに本当に残念。

 

 

物凄い存在感だった宮本奈津美(味わい堂々)さん

 

この人は近い将来大化けするんじゃなかろうか!?加茂井彩音さん

泣けるパートが沢山有りましたが、この人の演技観たさに再び足を運んだと言えるかも。

 

本当は他にも沢山声を掛けたいお初の役者さん多数居りましたが、状況が状況なだけにロビー開放時間も制限されて2回の面会時間を経てお二人と話すのが精一杯でした。

 

素晴らしい舞台と出会えた喜びと感動は永遠に色褪せぬもの。

今回大変な時期に往復4時間もかけて繰り返し劇場に通うことへの道義的葛藤を乗り越えて、巡り合わせてくれた奇跡に感謝。