橋の上から溺れる人を眺め

その人の心構えを聞く暇はない

本当の助け合いは

人の思想信条に関係なく

ただ気がつけば冷たい川へ

自らが飛び込むだけ


特定の思想に拘れば

特定の者しか救えないとなる

捻れたパラドックスに陥るだけだが

私たちは、助け合いにも条件をつけようとする

いや、そうしてきた歴史がある



羽龍 章